4月を迎えるに当たって、是非していただきたいことは、「先取り貯蓄」です。やはり、お金は給料が余ったら貯めるのではいつまでたっても貯まりません。大切なのは、手元に給与が入金される前にお金を貯めることです。
先取り貯蓄の方法は?
先取り貯蓄の方法としては、社内預金や、各種財形制度、企業型・個人型確定拠出年金、職場積立NISAなどがあります。会社によって取り扱っているものが違いますので、まずは総務部などに尋ねてみるといいでしょう。もし、勤めている会社にそういった制度がない場合は、給与振込口座になっている銀行で指定日(給料日に指定するとよい)に自動引き落としで積み立てされる「積立定期」があります。
貯蓄額の目安はどのくらい?
これら「先取り貯蓄」と言われる貯蓄は、「初めからなかったものとして積み立てるもの」、つまり、簡単に引き出しをせずに、継続して貯め続けるためのものと考えましょう。仮に入社してから財形制度で毎月5万円、ボーナス時に20万円×2回したとすれば、10年で1,000万円貯まることになります。これらは結婚資金や住宅購入資金といった人生の節目的なイベント時に使うための貯蓄です。
「じゃあ、そもそも毎月いくら貯蓄したらいいの?」と思う人もいるかもしれません。目安としては独身の場合、実家暮らしは手取り収入の3割以上、一人暮らしは家賃と貯蓄を合計して手取り収入の4割です。なぜ合算して4割かと言えば、家賃の目安が手取り収入の3割と言われており、これを超えてくると貯蓄がしにくくなるからです。つまり、家賃の割合が低いほど、貯蓄が増えます。そして一人暮らしの貯蓄の最低ラインは手取り収入の1割ですから、合計で4割としているのです。
手取り収入とは、税金などもろもろ引かれて実際に給与振込口座に振り込まれる金額のことを言います。前者の「貯める為の貯蓄」は一般的な貯蓄の考え方ですが、実は「使う為の貯蓄」も大切な貯蓄なのです。
「使うための貯蓄」についても考えよう
「使う為の貯蓄」とはあまり聞き慣れない言葉ですが、家電の購入や住居の更新料、車検費用、結婚式のご祝儀や交通費など、なかなか毎月の収入から支出できない10万円~20万円程度の出費に備えるための貯蓄です。
このイザと言うときに使える貯蓄がないと、せっかく貯めている「貯める為の貯蓄」を切り崩してしまうことになりかねません。そうならないためにも、別途銀行口座を持って、「使う為の貯蓄」をスタートさせることです。貯め方の例として、毎月1万円ずつ先取りで積み立てて、ボーナス時には5万円×2回を積み立てつつ、生活費の残りもできるだけその口座に入金します。常に口座には20万円以上がストックされているようにしましょう。
このように、「貯める為の貯蓄」は使わずになかったものとして貯め続け、「使う為の貯蓄」で少し大きい出費をカバーすることで、着実にお金を貯めることができるのです。
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執筆者プロフィール : 丸山晴美(まるやま はるみ)
外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザ―として独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している。