【レポート】

1日で鎌倉を巡るなら! 絶対押さえておきたい観光名所6カ所の歩き方

1 夏目漱石も鎌倉にゆかりあり! 安倍晴明がなぜ鎌倉に?

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鎌倉を知る人に、観光地としての鎌倉の良さを訪ねると、多くの人から同じような答えが返ってくる。それは、「海あり、山あり、歴史あり。そして、おしゃれなカフェや新鮮な海産物を食べられる店などが、狭い範囲にギューっと集まっている」というもの。

明治時代の文豪・夏目漱石の小説『門』にも登場する、均整の取れた美しい円覚寺三門

確かに京都などに比べると、鎌倉は狭く、見どころとなる名所同士の距離も近いので、短時間で観光できるのは間違いない。とは言え、鎌倉市内の寺院の数だけでも100ヶ寺を超えるので、見るべき場所をしぼり、効率よく観光したいものだ。今回は、どちらかと言えば「鎌倉初心者」向けに、鎌倉の主要観光名所6カ所を1日で巡るモデルコースを紹介しよう。

北鎌倉駅からスタート! まずは「円覚寺」へ

今回歩くコースで最初に向かう、鎌倉を代表する禅寺のひとつである「円覚寺(えんがくじ)」は、JR横須賀線の北鎌倉駅のすぐ目の前にある。8時から拝観可能なので、人が少なめな早めの時間に訪れるのがオススメだ。

総門をくぐり、拝観受付を済ませ先へ進むと、外の世界とは異なる、禅寺らしい"凛"とした空気が漂っているのを感じる。境内で参拝者をまず出迎えてくれるのは、明治時代の文豪・夏目漱石の小説『門』にも登場する、均整の取れた美しい三門(山門)だ。

漱石は、明治27(1894)年、円覚寺の塔頭(たっちゅう)のひとつ「帰源院」に止宿、参禅し、後にこの時の体験を生かして小説『門』を書いたという。円覚寺は桜と紅葉の名所なので、ベストシーズンは春先か晩秋だが、訪れる人が比較的少ない夏場や冬に、ゆっくりと拝観するのも悪くない。

神奈川県で唯一の国宝建築「円覚寺舎利殿」

また、円覚寺の境内には、神奈川県で唯一の国宝建築である「舎利殿」という建物がある。普段は非公開だが、正月三が日、ゴールデンウィーク、そして秋の「宝物風入」(11月3日の文化の日を含む3日間)の期間のみ一般公開されるので、その時期を狙って訪れるのもオススメだ。

日本初の禅の専門道場「建長寺」へ

さて、円覚寺の拝観を終えたら、そのまま横須賀線の踏切を渡って、「白鷺池(びゃくろち)」という池の間を歩いて行こう。間もなく、県道に出るので、これを左手に進む。「縁切り寺」「駆込み寺」の異名を持つ東慶寺や、浄智寺という趣深い禅寺の門を見ながら歩を進めると踏切があり、その先に「鎌倉五山」という飲食店がある。

その傍らに立つ小さな石碑をよく見てみると、漫画や映画でもお馴染みの陰陽師(おんみょうじ)、安倍晴明(あべのせいめい)の名が刻まれている。なぜ、平安時代に京都で活躍した安倍晴明が、遠い鎌倉の地にまつられているのだろうか。詳細は分からないが、鎌倉幕府は、頼朝、頼家、実朝の三代で源氏の血筋が途絶えると、四代目以降の将軍を京都から招き、その将軍たちは陰陽師を重用したというから、陰陽師たちが自分たちの祖である清明を崇めていたのかもしれない。

安倍晴明をまつる石碑。この石碑自体は比較的新しいもののようだ。北鎌倉の八雲神社には、これとは別に「清明石」と呼ばれるものもある

清明の石碑の場所から300mほど歩くと、左手に鎌倉五山第一位の建長寺が見えてくる。「鎌倉五山」とは、鎌倉時代から室町時代にかけて禅宗(臨済宗)の寺院を格付けした制度だ。比叡山などを見れば分かるように、昔は寺院を山に建てたことから、「山」とは「寺」を意味し、「五山」とは、大きな5つの寺というような意味合いになる。建長寺の境内は、かなり広く、駆け足で主な建物のみを拝観するとしても、一時間は見ておきたいところだ。

我が国初の禅の専門道場として創建された建長寺は鎌倉五山第1位で最も格式が高く、円覚寺は第2位に位置づけられている

さらに、寺の裏山にまつられている建長寺の鎮守「半僧坊」から石段を登れば、北鎌倉の峰々の尾根伝いを歩く「天園ハイキングコース」に入ることもできるが、こちらを歩くのはまた別の機会にし、今回は、先へ進むことにしよう。

建長寺裏山から眺めた建長寺境内の様子

恐ろしいはずの地獄の閻魔が笑っている?

建長寺を出て県道を先に進むと、すぐ右手に円応寺という小さな寺院がある。この寺の本尊・閻魔大王像、その表情から「笑い閻魔」とも呼ばれる。鎌倉時代の仏師・運慶の作と伝わり、大変迫力がある優品なので拝観をオススメしたい。

「笑い閻魔」とも呼ばれる円応寺の閻魔大王像

さて、円応寺の少し先に、巨大な蒲鉾(かまぼこ)型のトンネルが見えてくる。この場所は「巨福呂坂切通(こぶくろざかきりどおし)」と呼ばれ、山に囲まれた鎌倉への7カ所の入り口である「鎌倉七口」のひとつに数えられる。トンネルを抜け、緩い坂道を300mほどカーブを描きながら下っていくと、左側に鬱蒼(うっそう)とした「鶴岡八幡宮」の森が見えてくる。

バス通りとなっている巨福呂坂切通の新道(写真)とは別に旧道があるが、建長寺側は塞がれており、鶴岡八幡宮側からのみ入ることができる

鶴岡八幡宮と言えば、言わずもがなな鎌倉観光のメインスポットだ。続いては、鶴岡八幡宮からスタートする人にも参考にしてもらえる鎌倉めぐりを紹介しよう。

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インデックス

目次
(1) 夏目漱石も鎌倉にゆかりあり! 安倍晴明がなぜ鎌倉に?
(2) 鎌倉は鶴岡八幡宮だけじゃない! 竹の庭でお抹茶を、銭洗弁財天で金運を
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