ソフトバンクグループが7日に開催した2017年度第2四半期決算説明会は、孫正義代表の今後の役割、ソフトバンクグループの先行きを示す重要なイベントとなった。話の中心になるのは、米スプリントでも国内の通信事業でもなく、このほど設立を発表した総額10兆円にもおよぶ巨額ファンドである。
退屈だったイベントから一転
ソフトバンクグループの決算説明会は、ここ最近、少々退屈なイベントだった。米スプリントを子会社化して以降、同社の建て直し、その進捗状況が孫正義代表の口から語られ、決算説明会はスプリント事業進捗説明会となっていたからだ。スプリント自体、日本とは遠い話であり、米国企業の決算説明会に参加しているような気分にさえなった。
しかし、今回は違った。スプリントはドルベースで増収増益、ポストペイド携帯電話の契約数は大幅増加、解約率はスプリント史上最良の状態になったと説明された程度だ。再建に向けた道筋が明確に見えたのか、孫代表の興味は別のところに移ったようだ。
思い返せば、今回の決算説明会は孫氏の反省の弁から始まっており、それが説明会の方向性を決めたともいえる。それは次のようなものだ。
「最近、いろいろと反省することが多いんですよね。何を反省しているかといいますと、保守的に硬く、小さく、固まっていたのではないかと。これほどテクノロジーの進化、パラダイムシフトが起きているのに、目の前の日常業務に忙殺されていた……」
孫氏は、スプリントの立て直しや日常業務で忙殺されてしまったことを猛省する。"情報革命"に取り組む一人の人間として、テクノロジーの進化をリードする立場になるために、積極的に様々な手を打っていかなければならないとする。
こうした想いから2015年に掲げたのがソフトバンク2.0だ。これは「グローバル事業資産を持つ日本企業から、長期的な視野に立って事業成長の持続性を確保できるグローバル企業へ変革するための取組み」であり、孫氏はその第一弾として英アームへの投資を決めたと話す。