小学生の夏休みといえば、忘れてはいけないのが「自由研究」だ。そんな小学生の自由研究に役立つのが、親子で参加できる無料体験型イベント。都内では夏休み中にさまざまなイベントが行われているが、今回は東京世田谷区にある「樫尾俊雄発明記念館」にて実施されている特別展示イベント「デジタルってなに?」に参加してみた。
カシオ計算機の生みの親、樫尾俊雄氏の自宅で体験できる豪華なイベント
「樫尾」という名前でピンとくる人も多いだろうが「樫尾俊雄発明記念館」は、カシオ計算機を創設した一人であり、発明家でもある故・樫尾俊雄氏の発明品や資料を展示した記念館。
しかも、この記念館はかつて氏が実際に住んでいた旧邸宅の一部でもある。この貴重なスペースが、今回のイベントでは解放される(常設展示もあり。予約制)。
今回のイベントは8月31日までで、完全予約制。各回の定員は各回10組(1組お子様1~2名)となる。詳細なスケジュールや申し込み方法などは、樫尾俊雄発明記念館のWebサイトを参照いただきたい。
もとは樫尾氏の邸宅だっただけあり、大きなシャンデリアや組み木細工のような天井、優雅な曲線の階段など、内装を見ているだけでも面白い |
開始時間までの待合室になっているエントランスには、樫尾俊雄氏の写真や略歴が展示されているほか、夏休み特別展示イベントのオリジナルスタンプなどが置いてあった |
体験内容は、実際の電卓を分解・組み立てることで仕組みを学ぶ「電卓分解組立教室」、G-SHOCKの開発者と一緒にオリジナルの時計を考える「発明家になろう」、デジタルカメラを使って普段は見ない現象を観察する「高速撮影体験」、身の回りのできごとを電卓で計算する「計算探検」、そして自由な発想で音楽を作曲する「はなうた作曲体験」という5つのイベントを用意している。そのなかで、今回は「高速撮影体験」に参加した。
デジタルカメラ「EXILIM」を手に自由に高速撮影体験
高速撮影体験イベントは、「創造の部屋」と呼ばれる、樫尾俊雄氏が実際に発明を考えていた書斎で行われた。イベントの前半は、カシオ計算機の社員による「カメラの歴史」や「カメラの仕組み」などをわかりやすく説明する講義。そして、後半では実際にカメラを使用して「割れる風船」などを高速撮影する時間が設けられた。
樫尾俊雄氏が発明のためにこもったという美しい庭が見る「創造の部屋」で、まずはカメラについて勉強 |
自分の指を近づけたり遠ざけたりしながら視界が「ボケる」ことを体験させることで、カメラの被写界深度について説明。子供にもわかりやすい工夫が随所にあった |
会場には、カシオ計算機のデジタルカメラ「EXILIM」(エクシリム)から、HIGH SPEEDラインナップ「EX-ZR1700」や「EX-ZR3100」、そしてカメラ部とコントローラー(液晶モニター)部が分離・合体する「EX-FR100」といったカメラを多数用意。子供たちは好きなカメラを手に、思い思いの被写体を撮影していた。
見ないものが見る高速撮影とは?
これらEXILIMの特徴は、その名の通り「高速(HIGH SPEED)撮影」ができること。一般的なデジタルカメラやビデオカメラの動画撮影は、(若干語弊はあるがわかりやすくいうと)1秒間に30枚の画像を撮影して「コマ送り」にすることで動画映像を作る。このため、スロー再生をすると、1秒間に再生できる「コマ数」が少なくなるので紙芝居のようなカクカクとした動画になり、被写体の動きがわかりにくい。
しかし、EXILIMのHIGH SPEEDシリーズならば、1秒間に240枚(一部機種は最大で1000枚)の画像を撮影できる。このモードで撮影した動画は、8倍の遅さでスロー再生しても、滑らかな動画として再生可能。人間の目で見られない動きが見るようになるのだ。
【動画】カシオ「EXILIM」ハイスピードムービー |
体験会の目的は、まさに「普段は見られない現象を、カメラを通してみること」。
子供たちは、自分で撮影した「風船が割れる」映像を何度も繰り返し再生しながら「割れた瞬間は、水が丸い!」などと、観察した結果を報告していた。また、体験会の最後には「もっと時間があったら、虫が飛ぶ瞬間とかを撮影したい!」などの声もあがった。
まさに「観察」と「発見」を体感できるこのイベント。夏休みの自由研究目的だけではなく、将来の発明家を目指す一歩として、親子で参加してみるのはどうだろうか。今回の「高速撮影体験」は、2016年8月25日(木)にも行われる。
イベント後半は、会場にあったカメラを使って自由に遊ぶ時間。会場にはカメラ部とコントローラー(液晶モニター)部が分離・合体する「EX-FR100」も用意されていた。手元に本体があるのに、まったく異なる場所が撮影できることに大喜びする子供たち |