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ダイエットに効くツボ、体を温めるツボ、痛みをとるツボなど、ツボ押しは長年東洋医学の世界で、さまざまな体の不調を和らげる治療の一環として行われてきました。では、たくさんあるツボの中で、妊娠しやすくなるツボというものは存在するのでしょうか? 今回はEn女医会の産婦人科専門医・船曳美也子先生にうかがいしました。

ツボ押しで血行を促進し、妊娠を促す?

ーー妊娠しやすくなるツボはありますか?
あります。ツボの基本は骨盤の血流を良くすること。子宮や卵巣は下腹部にあり、骨盤周辺の血流や神経の支配をうけます。

有名なのが、「三陰交」と呼ばれるツボです。足の内側のくるぶしから上に指4本分くらいの位置にあります。足の骨に沿うように、下から上へ向かって、親指で押し上げます。そして最後に、垂直に押し込むようにマッサージすると良いでしょう。

ーー血行を促進するのですね
そうです。冷えも解消すると言われていますね。

ーーほかにも、妊娠に効果があるツボはありますか?
直接子宮や卵巣にいく神経は背骨の真ん中あたり、ウエストのくびれよりこぶし一つ分くらい上にあります。そのあたりを背筋にそって、気持ち良いと感じるあたりを親指で押すと良いですね。

リラックスしてツボ押しをしながら、体の声を聞く

ーーツボ刺激が妊娠につながる、と言えそうですか?
そうですね……つながると言い切るのは難しいです。ただ、ツボ刺激などでリラックス効果があれば、妊娠にとっても良いと考えられています。

当然のことながら、このツボを押したからすぐ妊娠するだろうというものではなく、リラックスしてツボ押しをしながら、体のサインを感じ取ることが大切ですね。

ーーリラックスすることが大切ということですね
そうです。ストレスを解消する行動そのものが功を奏して妊娠につながると言えるでしょう。もちろん、妊娠しやすいタイミングで性行為をすることも大切ですが、リラックスし、ゆったりとツボを押すことで、幸せホルモンの分泌をうながす効果もあります。

ツボ押しも、パートナーと行うのがおすすめ

ーー女性は幸せホルモンを分泌するのですね?
はい、オキストシンというホルモンです。これは、幸せホルモン、愛撫ホルモンなどの別名を持ち、スキンシップやキス、パートナーとのマッサージなど、幸せな気分になったときに分泌されます。そのホルモンが、卵子と精子を出会いやすくするという報告もあります。

ーーでは、ツボ押しもパートナーと行うのが良いかもしれませんね
そうですね。緊張をほぐし、お互いリラックスして、妊娠を目指すのが良いと思います。

ーーありがとうございました!

■プロフィール
船曳美也子
1983年 神戸大学文学部心理学科卒業、1991年 兵庫医科大学卒業。産婦人科専門医、認定産業医。肥満医学会会員。医療法人オーク会勤務。不妊治療を中心に現場で多くの女性の悩みに耳を傾け、肥満による不妊と出産のリスク回避のために考案したオーク式ダイエットは一般的なダイエット法としても人気を高める。自らも2度目の結婚で43歳で妊娠、出産という経験を持つ。En女医会にも所属している。