北海道各地から、旬の水産物と青果が集まる「札幌市中央卸売市場」。周辺には、市場に届いたばかりの新鮮な海の幸が味わえる食事処も多数ある。札幌に泊まった翌朝は、早起きして寿司や海鮮丼を食べに出掛けよう。市場はJR「桑園駅」、または地下鉄東西線「二十四軒駅」から徒歩10~15分。散歩がてら立ち寄りたい朝食スポット3件を紹介しよう。1件目の「魚河岸 ひかり寿司」2件目の「本格海鮮丼 丼兵衛」に続く3件目「すし処 北の旬」だ。

「すし処 北の旬」の目印は紺色ののれん。どの時間も混み合うので時間に余裕を持って利用を

寿司職人が丁寧に握る寿司が2貫100円から

海産物店や青果店が軒を連ねる札幌市中央卸売市場場外市場。その通りの中ほどに位置する「綜合食品卸売市場内」にある「すし処 北の旬」は、場外市場の「まつもと物産」の直営店だ。

同店が提供するのは、自社が卸売市場から仕入れる新鮮な魚介を使った握り寿司。それも、2貫で100~600円という回転寿司並みの安さだ。2011年に開店し、その翌年には38万人のユーザーが選ぶ「食べログベストランチ」で全道22位に選出された。今も開店時間の朝8時から朝食抜きで訪れる旅行客や地元客でにぎわい、ランチタイムを過ぎても客足が途絶えない。

寿司職人は、店長の北村光義さん(左)と徳井良信さん(右)の2人

自家製イクラをはじめ絶品ネタが勢ぞろい

今回は、「おまかせ握り」をオーダーした。13貫1,500円・13貫2,000円・12貫2,500円の3種類があり、「せっかく市場まで来たのだからちょっと贅沢をしたい」という人には、2,500円のセットがオススメだ。

2,500円の「おまかせ握り」は、ボタンエビ、タラバガニ、アワビ、ウニ、自家製イクラ、数の子などの定番11貫と、季節のオススメ1貫のセット。取材時のオススメは"活つぶ"だった。どのネタも上品な甘味、脂のうま味、コリコリとした歯触りといった、それぞれの持ち味が生きている。特にトロリとしたイクラや、サクサクの数の子の食感の良さは絶品。口の中でほろりと崩れる寿司飯とのバランスもいい。

「おまかせ握り」12貫2,500円。写真左上の「三平汁」は無料でサービス

ちなみに、寿司飯には北海道産の「ゆめぴりか」「ななつぼし」を独自にブレンドして使っているとか。どちらも、日本穀物検定協会による平成25~27年度の米の食味ランキングで最高位「特A」の評価を受け続けている人気の銘柄米だ。

追加でもう何貫か注文するなら、カウンター横に掲示された「本日のオススメ品」にも注目を。季節によってタチ(タラの白子)や春ニシン、北海道名産の山ワサビを合わせたイカ、タラバガニのこうじ漬けなど、北国らしいネタも登場する。

丼ものでは、ネタ13種類を盛り込んだ「海鮮丼」や、貝類たっぷりの「北の貝鮮丼」(共に1,500円)が人気だそう。さらに無料のセルフサービスで、サケと大根が入った北海道の郷土料理・三平汁も味わえる。

回転寿司並みにリーズナブルな価格で、ネタにも寿司飯にもこだわった寿司を食べられる幸せ。並んででも訪れる価値のある店だ。

●information
すし処 北の旬
住所: 北海道札幌市中央区北十一条西22丁目 綜合食品卸売市場内
営業時間: 8:00~15:00
定休日: 水曜日、3・4月の木曜日は一部臨時休あり

※記事中の価格や情報は2016年4月現在のもの。価格は税込み。食材の内容や産地は、季節や天候により変更の場合あり