パナソニックは3月14日にスチームオーブンレンジ「3つ星ビストロ」シリーズの新モデル「NE-BS1300」、そして3月17日にはスチーム&可変圧力IHジャー炊飯器「Wおどり炊き」の新モデル「SR-SPX6」シリーズと、続けざまに調理家電の新製品を発表。どちらも同社のフラッグシップモデルということもあり、3月24日には都内にて、新製品の詳しい説明や試食を体験する「2016年 春の調理新製品セミナー」を開催した。
「Wおどり炊き」とはなんなの?
パナソニック 炊飯器商品企画係 堀川かおり氏によると、同社のIHジャー炊飯器「Wおどり炊き」シリーズが目指しているのは「かまど炊きのごはん」を超える美味しさ。かまどでの炊飯は、最初は弱火で米に水を吸収させる「前炊き」、次に最大火力で米表面をα化する「炊き上げ」、さらに中火で米をふくらませる「沸騰維持」、そして強火にして水分を飛ばし粘りを出す「追い炊き」、最後に余分な水分をなくす「蒸らし」という5つの工程が存在する。この細かな火力調整がごはんの弾力や甘み、粒だちの良さなどを生むのだという。
「炊き上げ」や「追い炊き」時におけるかまどの火力は、炊飯器では再現が難しい。そこでパナソニックでは、釜内に圧力をかけることで105℃での沸騰を実現。さらに、蒸らし工程では220℃のスチームを吹き付けるなど「かまどより高温で炊き上げる」工夫をしている。
パナソニックのIHジャー炊飯器「Wおどり炊き」シリーズの特徴といえば、その名の通り「お米をおどらせる」技だ。
かまど炊きのごはんは、高火力でかまど内の水を対流させることで、米を激しく動かす「おどり」で炊きムラを抑えている。「Wおどり炊き」では、2種類の方法でこの「おどり」を再現。
ひとつが「大火力おどり炊き」で、これはIHコイルで釜底を加熱し、沸騰による泡で米をおどらせる方法だ。しかも、大火力おどり炊きは釜底のIHコイルは外と内の2つに分かれており、2つのIHコイルの通電を切り替えることで、水の対流方向が次々と高速で切り替わる。対流の方向が変わることで、沸騰した水や泡の動きが変化し、釜全体にムラなく熱が伝わるのだ。
もうひとつが「可変圧力おどり炊き」。こちらは、減圧時は水が激しく沸騰する性質を利用し、1.2気圧の加圧と減圧を繰り返す技だ。激しい沸騰でお米が釜内を動き回るためにムラのない加熱が可能なほか、加圧時は水が通常よりも高い105℃という温度で沸騰するため、より甘みやもちもち感のある炊飯が可能だという。
と、ここまでは、従来までのWおどり炊きにも搭載されていた機能だが、新製品のSR-SPX6では、おどり炊き時の圧力をコントロールすることで「可変圧力おどり炊き」の時間を延ばすことに成功している。