エプソン販売の鈴村氏は、価格やプロモーションについて説明。エコタンクに関しては、「(印字コストを気にせず)気兼ねなく印刷」できる商品を提供するとした。ターゲット層には、(同社のプリントチャージまでは使わない)SOHO/中小企業のほか、カラー機はファミリー層、モノクロ機は小規模事務所やモノクロA4レーザープリンタユーザーを想定している。広告のキャラクターは米倉涼子さんが務め、インク交換の手間削減や圧倒的な低ランニングコストを訴求していく。

店舗展開だが、全国の主要家電量販店とカメラ量販店の1,300店舗で展開する。うち200店舗では専任の説明員を配置し、ビジネスモデルの違いを説明するという。保証体制も見直し、ユーザー登録すると無償保証期間が2年に延長、さらに引取修理の受付を2年間追加する。

エプソン販売 取締役 販売推進本部長の鈴村文徳氏

今回の発表によるエプソンプリンタのラインナップ構成図

エコタンク投入による訴求ポイントは、ランニングコスト削減によって「気兼ねなく印刷」できること

ホームユースには、これまで通りのカラリオプリンタに加えて、大量印刷を望む層に応えた新ビジネスモデルの製品を投入

大量印刷を前提としているので、ホーム市場以外にもSOHO/中小企業/小規模事務所もターゲットに

TV CMは米倉涼子さん。手間いらずで安いことを訴求

チャネル施策として、展開店舗を増やすだけでなく、ビジネスモデルの違いを説明できるスタッフを配置

2年分のインクに加えて、2年の無償保証期間とさらに2年の引取修理受付を無償化。ただし、MyEPSONサイトでの登録が必要だ

EP-10VAに関しては、写真高画質が高く評価されている。製品はそのままで価格を改定。まずインクを約半額に下げたのち、3月の出荷分から本体を値上げする。買うなら本体価格が安い今がチャンスだ

互換インクはどうでる?

これまでエプソンは、互換インク対策としてインクカートリッジに特許を取ったり、ICチップを取り付けたりしてきたが、エコタンクにはこうした対策はない。

互換インクビジネスが成り立つ背景は、「安い本体を供給してインクカートリッジで儲ける」というビジネスモデルだったので、純正よりも割安のインクカートリッジが売れる余地があった。

エコタンクには互換インク対策がない一方、インクの原価を考えると、ユーザーが互換インクを利用するのはリスクが大きい。なぜなら、互換インクを使用していることで無償修理ができなくなったり、印字品質が落ちたりする可能性があるからだ。エプソンが打ち出した「エコタンク」は、プリンタ市場にとって大きな転換になるかもしれない。

一方、エコタンク機は本体が高いため、あまり印字しないホームユーザーにはメリットが少ない。こうしたユーザーは、引き続きカラリオを選ぶメリットがあるだろう。専任説明員を店舗に配置するのも、この辺りの説明を行うためと思われる。

プリンタをコストで評価した場合、月々の枚数で最適な製品が変わる。この辺はかつての携帯電話料金プランのようで、最適解を導き出すのは難しそうだ

本体購入だけでこれだけ印字できますという例その1。さまざまなデータを大量に印字しても、購入時のインクだけでまかなえてしまう

本体購入だけでこれだけ印字できますという例その2。レシピサイトの献立を10年分印字できるということで、大量印字が行えることをアピール