ネスレ日本は9月29日、カプセル式ティー専用マシンの新製品「SPECIAL.T」の新モデル「SPECIAL.T My T.」と、日本茶カプセル「京の匠福寿園シリーズ」5種類を発表した。新製品発表会では試飲体験などが行われたほか、ゲストとしてソロアーティストのGACKTさんも登場した。
伝統の福寿園と共同開発
「SPECIAL.T My T.」と日本茶カプセル「京の匠福寿園シリーズ」は、日本ネスレと福寿園の共同開発による新製品だ。ネスレ社はこれまでも「SPECIAL.T」シリーズを発売してきたが、新製品は日本茶の最高峰といわれる「玉露」を最適な温度や蒸らし時間で淹れられるのが特徴だ。
発表会のはじめに、ネスレ日本の執行役員 Eコマース本部長 グンター・スピース氏が登壇し、「現在、日本茶は日本だけでなく、世界的にも人気が高まっている。ネスレ日本には、カプセル式ティー専用マシンの技術力と多くのお茶に関するデータがある。しかし、日本茶に関してのノウハウは少ない。そこで、今回は長い歴史と伝統を持つ福寿園との共同開発に踏み切った」とコメントした。
福寿園 取締役社長の福井正興氏は「福寿園には、創業してから220年で蓄積された日本茶に関する技術があり、ネスレ日本には、マシンの技術がある。この2つが融合することで、多くの人に『本当においしい日本茶』を飲んでいただけると期待している」と語った。
繊細な玉露も抽出できるSPECIAL.T My T.
SPECIAL.Tシリーズは、専用ティーカプセルを使用する抽出マシン。カプセル一つ一つにチップが埋め込まれており、抽出したい茶葉に合わせた湯温や蒸らし時間を自動的に設定する。茶葉に合わせていちいち設定し直す必要がなく、ボタンを押すだけで「茶葉にあわせた完璧な一杯」を抽出できるという。
このたび発表されたSPECIAL.T My T.では、新たに玉露を淹れられるようになった。日本茶の最高峰ともいわれる玉露は、人肌より温かいくらいの温度で抽出する繊細な茶葉だ。高温で抽出すると、玉露特有の旨みを感じにくく、苦みや渋みが出てしまう。
従来のSPECIAL.Tシリーズは、紅茶などヨーロッパのお茶を中心に開発されていたため、80℃以上の熱湯しか設定できなかったが、今回は玉露のために50℃以下の低温で淹れられるようにした。旨みを引き出すために蒸らし時間も通常の茶葉より長くしている。
お茶の「濃さ」も5段階で設定できる。そのほか、ボタンを押すことによってフロントパネルの色を10色から選択できる「マイカラー」設定も可能だ。発売は10月15日で、希望小売価格は税込12,800円。カラーはプレミアムレッドとホワイトパールの2色で、サイズはW16.1×D30.6×H26.6cm、重量は約2.9kg。水タンクの容量は1.5Lで、一度の給水で約7杯のお茶を淹れられる。
【左】カプセルにはチップが内蔵されており、個別に設定しなくても最適な湯温や蒸らし時間でお茶を抽出する。【中・右】トップのボタンを押すと、フロントの色を赤や青、黄色など10色から選べるのもおもしろい。次々と色が変わる「グラデーション」にも設定可能だ |
玉露はなんと1杯「850円」
SPECIAL.T My T.の発売にあわせて、ティーカプセルの新シリーズである京の匠福寿園シリーズも発表された。ラインナップは「玉露」のほか、「かぶせ茶」「煎茶」「ほうじ茶」「玄米茶」の全5種類。煎茶とほうじ茶、玄米茶は10月15日に発売し、希望小売価格はいずれも10個入りで756円。玉露とかぶせ茶は11月中旬に発売予定で、かぶせ茶が10個入りで2,160円、玉露が3個入りで2,592円(価格はすべて税込)。玉露は1杯あたり850円以上とかなり高級に思えるが、福井氏は「飲めば納得していただけると思っている」と自信をみせた。