「一芸に秀でる」という言葉があるが、リコーイメージングの「PENTAX XG-1」は、まさにその言葉を体現したようなカメラだ。超高倍率ズームカメラの最高峰ともいえる光学52倍ズームレンズを搭載。使っていると疑問符が頭に浮かぶこともしばしばながら、それがまた「とはいえ52倍だし……」「なんたって52倍なんだから!」とあらためて感じさせるのだ。そんな、不思議と気になるXG-1のレビューをお届けする。
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52倍ズームでどんな被写体も逃さない! リコーイメージング「PENTAX XG-1」(2014年7月15日)
外観として、まず目に入るのはレンズだ。「smc PENTAX 4.3-223.6mm 1:2.8-5.6」という光学52倍ズームレンズを採用、巨大な前玉が"いかにもできそう感"を漂わせる。なお、35mm判換算の焦点距離は約24~1,248mm相当となる。
高倍率ズームに欠かせない手ぶれ補正機構には、同社一眼レフシリーズでお馴染みのセンサーシフト式手ぶれ補正機構「SR」を搭載。効きはガツン!……とは来ないものの、1,200mm相当を超える望遠端を使うには欠かせない存在だ。
外装の質感も良好。グリップには一眼レフのようなラバーが張り込まれており、グリップの形状とも相まって、確実かつ手のひらにしっくりと馴染むホールドが可能となっている。カメラを構える際、左手はレンズ鏡胴を支えることとなるが、ここにピラミッドパターンが刻まれているので、左手指のかかりも良い。反面、一眼レフに慣れた人は、ここを捻ってズーム操作をしたくなるに違いない!……が、回らないのでご注意を。ズーム操作は、多くのコンパクトデジカメ同様、シャッターボタンの外周のレバーでおこなう。
背面を見ると、コアなPENTAXファンほど「あれっ?」という何かを感じるはずだ。PENTAXのいつものUI(ユーザーインタフェース)ルールと、ちょっと違う? それに、このクラスなのにPENTAX伝統のハイパーマニュアルボタン(グリーンボタン)がない。何より、前モデルにあたる(と筆者は勝手に思っていた)光学26倍ズーム機「X-5」ではチルト式だった3型の背面液晶モニターが、固定式になっているではないか。よく見ると、これまたX-5にはあったEVFの視差調整ダイヤルもない。便利だった単3形乾電池×4本での駆動も、専用バッテリー駆動に変更されている。なのに、カタログデータでは最大撮影枚数がX-5(単3形ニッケル水素充電池使用時)の半分以下……。ただし、スマートフォンでも使われているMicro USB(Bタイプ)端子による充電ができるのは便利。