韓国サムスン電子は1日、韓国・ソウルにて開催した「2014 Samsung SSD Global Summit」において、「3D vertical NAND」(V-NAND) フラッシュメモリを搭載したSATA3.0(6Gbps)対応2.5インチSSDを発表した。
新モデルは、コンシューマおよびプロシューマ向けとなる「Samsung SSD 850 PRO」と、データセンターなどエンタープライズ向けの「Samsung SSD 845DC PRO」だ。これら2モデルは、NANDフラッシュメモリのセルを垂直方向に積み重ねた「3D vertical NAND」(V-NAND) フラッシュメモリを搭載している。また、発表自体は2014年6月1日だが、エンタープライズ向けの「Samsung SSD 845DC EVO」もお披露目された。こちらは従来の3bit NANDフラッシュメモリを採用しており、ファームウェアなどをサーバー用途に最適化したものだ。
ここでは2014 Samsung SSD Global Summitから、主にSamsung SSD 850 PROに関する内容を紹介する(3D vertical NANDの技術面は別記事で紹介したい)。まずは、コンシューマ向けとなるSamsung SSD 850 PROの価格と発売時期から。Samsung SSD 850 PROの概要は既報の『Samsung、V-NAND採用の新型2.5インチSSD「Samsung SSD 850 PRO」』を参照いただきたいが、容量は、128GB、256GB、512GB、1TBの4モデルだ。
速度に関するスペックだけ抜粋すると、最大シーケンシャルリードは各モデルとも550MB/秒、最大シーケンシャルライトは128GBモデルが470MB/秒で、それ以外のモデルは520MB/秒だ。4KB(QD1)の最大ランダムリードは各モデルとも10,000IOPS、最大ランダムライトは各モデルとも36,000IOPSとなっている。4KB(QD32)の最大ランダムリード/ライトも各モデル共通で、リードが100,000IOPS、ライトが90,000IOPSだ。
世界の一部地域では7月21日から発売され、日本では7月下旬から8月上旬に発売予定となっている。価格は以下の通りだが、Samsung SSD 850 PROは現行製品「Samsung SSD 840 PRO」の後継なので、Samsung SSD 850 PROの発表時点における価格も併記した。高性能ラインの「PRO」シリーズであることを考えると、かなり思い切った値付け(安い)といえるのではないだろうか。ただ、Samsung SSD 840 PROの発売時期と比べて現在は円安が進行したこともあり、Samsung SSD 850 PROの発売当初は多少の割高感はあるかもしれない。詳しいベンチマークなどのレビューは、後日掲載する予定だ。
■Samsung SSD 850 PROの想定価格(Samsung SSD 840 PRO発表時の想定価格)
・128GBモデル : 129.99ドル (149.99ドル)
・256GBモデル : 199.99ドル (269.99ドル)
・512GBモデル : 399.99ドル (599.99ドル)
・1TBモデル : 699.99ドル (ラインナップなし)
余談だが、今回のSamsung SSD 850 PROとは別に、3bit MLC NANDフラッシュメモリ(いわゆるTLC)と3D V-NANDテクノロジによる新型SSDも、発表を控えているという。おそらくメインストリーム向けの製品となり、現行製品「Samsung SSD 840 EVO」の後継となるのではないだろうか。具体的な時期や価格などは明らかにされなかったが、期待して待ちたいものだ。