かっこいい大人のイメージに憧れて、タバコを吸い始めて、かれこれ10年。現実の喫煙者に対するイメージは、年々悪くなるばかりだ。最近、気になっている女の子も喫煙している人は恋愛対象外だというし……。

「禁煙」とネットで検索してみると、5月31日は世界保険機関(WHO)が定めている「世界禁煙デー」らしい。俺の禁煙記念日としてちょうど良いタイミング! こうして人生初の禁煙が始まった。

喫煙に対するかっこいい大人のイメージ、ありますよね…

見ない、持たない、貰わないを心に決め、タバコに別れを告げる!(※投げてはいけません)

タバコが吸いたくなる場面を見直す!

禁煙を意識してはじめて気がついたことだが、喫煙者は、喫煙するための時間軸で生活をしている。ということは、体が覚えてしまっているタバコを吸いたくなる時間やシチュエーションを忘れさせることが禁煙の第一歩かつ近道なのではないだろうか。

筆者がタバコを吸いたくるシーンベスト3
・脂っこい食事の後(一番うまい!)
・コーヒー&お酒を飲んだ時(相乗効果でうまい!)
・頭脳労働で疲れた時(疲れるほどなぜかうまい!)

喫煙者なら、わかる、わかる!という方も多いのではないだろうか。禁煙を始めたばかりの私にとって、まず、このシチュエーションでの吸いたい気持ちを抑えることが苦痛だった。 では、私が試したシチュエーション別の禁煙方法をいろいろと紹介していこう。

食後のデザートは、大量の酸素!

なぜ、食後にタバコが吸いたくなるのかいろいろと調べてみると、血液が胃に集中して脳が酸欠状態になり、ニコチン不足の時と症状が似ているためタバコを欲するのだとか。ということは、脳に酸素を送ることで解決できるのではないか。 禁煙中は、食後のケーキを我慢して酸素を吸いまくってみた。 吸って吐くといういつもの行為を感じるためには、恥ずかしがらずに、大げさに思いきり吸うのがコツだ。

タバコの相棒を断つ!

私はタバコと同じくらいコーヒーも好きだ。自宅にいるときには、1日にコーヒーを5、6杯飲んでいる事もあり、それに比例してタバコの量も増えている。 コーヒーを飲むとタバコを吸いたくなり、吸うと飲みたくなるという連鎖がおこるのだ。カフェインとニコチンはどちらも依存性があるので、禁煙のためにコーヒーも断つことに決めた。

朝はどうしてもコーヒーが飲みたくなるので、カフェインレスのコーヒーを数日試してみたが、やはりコーヒーの味で煙草が欲しくなる。そこで、試したのがハーブティーだ。始めは物足りなさを感じたが、タバコも断っているので、以前よりも臭覚が敏感になったような気がして、鼻から抜けるハーブの香りが美味しく感じるようになった。まるで、都会の道端に咲く小さな花の美しさに気づいたときのような、小さなことに幸せを感じられる自分を素敵に思う感覚だった。

酸素ボンベを携帯してみるのもよし、深呼吸をしまくるもよし。酸素で脳を満腹にしてみよう。

ハーブティーの香りを感じる小さな幸せが訪れた

飲み会を吸わずにやりぬくコツ

タバコの相棒はまだまだいる。次ぎなる刺客はお酒だ。コーヒーと同様、飲酒をするとタバコを吸いたくなる気持ちが誘発される。とりあえず自主規制として、毎日の晩酌をしばらくやめることにした。

だが、禁煙1週間目で会社の飲み会が待っていたのだ。うっかりいつものように喫煙者が集まるテーブルに座ってしまうと、無理矢理遠ざけていた、酒とタバコが否が応でも、「YOU飲んじゃいなよ、吸っちゃいなよ!」と視界に飛び込んでくる。うっかり酒を飲んでしまってはまたあの国へ逆戻りだ。

飲み会という限られた時間を禁酒禁煙でやり過ごすための方法としては、2つ。 まず、皆がシラフの乾杯の時に「僕が酒とタバコを吸ってしまったら全額おごります!」と宣言してみよう。自分の辛さをゲームにしてしまい、その場のみんなにも楽しんでもらうのだ。

2つめは、いっそのこと1杯目で泥酔して寝てしまおう。ウオッカなどアルコール度数の高いものからスタートして、脳が吸いたいと感じる間を与えずに、現実からフェイドアウト! かなり荒治療だが、自分も周りも信用できないと思ったら試してみてはいかがだろう。

頭脳労働中のリラックス方法を変えてみる!

何か企画のアイデアを練っている時や文章を書いている時など、頭を動かす仕事でストレスを感じるとつい、タバコに手が伸びてしまう。タバコのニコチンには、中枢神経を刺激して、一時的に精神神経を活発にする興奮作用があり、眠い時や疲労時には感情が高ぶるような気になる。それとは反対に緊張している時にはリラックスした気になる鎮静作用があるという。しかし、ニコチンが減ると脳の効率も落ちていくため、結果的に知的作業の効率は悪くなるのだとか。

禁煙中の飲み会はとてつもない拷問!

喫煙者が入ってきても、水を飲んで堪える!

私は毎日だいたい7~8回喫煙室に行き、1回に5分ほど吸っているので、1日の勤務時間のうち平均40分もタバコを吸っている計算になる。禁煙を続ければ、この無駄な時間がなくなり、仕事の効率もアップして、早く帰宅できるのではという前向きなモチベーションを持っていたが、なかなか甘くはなかった。

タバコを吸わないとトイレに行く以外、席を立たないのでそれがストレスになってくる。そこで試したのが、吸いたくなったらいつもの喫煙室に行って、タバコを吸う代わり水を飲んでリラックス! 唯一気をつけるべきことは、誰も喫煙室にいないことを確認して行くことが重要だ。

あまり肩肘を張らずに、続けられるといいですよね。

禁煙を自分なりに楽しむ!

10年間続けてき喫煙を急に辞めるのは、それなりの時間がかかることを前提に焦らず、自分に合った方法を試行錯誤しながら続けることが大切だ。

「あれ?タバコやめたんですか?」 「いや~まだまだ、やめたばかりだから口が寂しくてつらいけどね」 「じゃあ、よかったらこのチョコ美味しいので、どうぞ」 「あ、あ、甘い~!!」

あまり肩肘を張らずに、苦くて甘い禁煙ライフを楽しんでみてはいかがだろう。

(文:都恋堂)