消費電力測定(グラフ99~101)

最後に、いつもの様に3DMarkのFireStrikeのDemoをExtreme Profileで実行した際の実効消費電力を測定してみた。まずグラフ99が測定したそのままのデータである。一発で分かるのが、R9 295X2の異様なほどの消費電力の高さで、特に160秒付近の650W近い盛り上がり方がかなりやばい。

グラフ100は、待機時の消費電力との差を示したものだが、これですらR9 295X2はピークで550Wを超えるという結果になっている。

このグラフ99と100の結果をまとめたのがグラフ101である。まず待機時実効消費電力は、CPU/GPU共に無負荷の段階での消費電力である。

GeForce系が60W弱というのは、構成(Core i7-4770K+DDR3-1866 8GB×2)を考えればリーズナブルな値だし、R9 290Xの65W弱もまぁこんなものだろう。HD 7990はさらに10Wほど高いが、Dual GPU構成でPCIe Switchも追加されているから、これも理解できる。が、R9 295X2はそれよりもさらに10W多いのは、液冷クーラーのモーターとファンの分だろうか? まずこの時点でちょっと驚く。

次の最大実効消費電力は、グラフ99の、最大実効消費電力差はグラフ100のそれぞれピークの値である。なるほど1000W電源が必要とか言われるのも分かる訳である。ピークで650Wを不安なく供給しようとすると、最低でも800Wクラス電源は欲しいところだ。

また消費電力差の566.6Wのうち、いくらかはCPUの分も入っているとは思う(Demoの場合CPUもフルに物理計算を行っている)から、GPUの分は500Wを切るか切らないかというあたりだろうが、その一方でR9 290Xと比較して20Wは確実に消費電力が多い事を考えると、やっぱりR9 295X2はピークで500Wを超える消費電力となるのは間違いない。

もちろんこれはピーク値であって、平均値はもう少し下がる。平均実効消費電力はグラフ99の、平均実効消費電力差はグラフ100のそれぞれ平均をとったもので、これだけ見ているとR9 295X2の平均消費電力はR9 290Xをやや上回る程度に収まっている。

ただ、例えばMantleの様に理論上はGPU負荷を高く維持できるAPIをちゃんと使った場合には当然平均消費電力も増える訳で、あまりこの平均消費電力の結果には安心できないというのが正直なところだ。