今月で32年の歴史に幕を下ろす『笑っていいとも!』(フジテレビ系 毎週月曜~金曜12:00~13:00)。26日の放送では、オープニングでタモリが「水曜レギュラーは、芸人全員だからネタやります」と宣言。栗原類が芸人枠に巻き込むのも面白いが、「太田光と2人で漫才の見本みたいなのをやる。絶対マネしたくなるよ!」とタモリもネタをやるらしい。

『笑っていいとも!』に出演した福山雅治

福山の"タモリ愛"が止まらない

CMが開けると、テレフォンショッキングで福山雅治が登場。大歓声の中、タモリが花を紹介しようとすると、「もうやめてお話しましょう」と時間を惜しむ福山。タモリに「ツアーもはじまるみたいで」と話を振られても、「タモさんますます忙しいですね」と話題をすり替える。

さらに福山は「この間の『飲みに行きましょうか』という話も(タモさんが)ロケで……お忙しいみたいで」と残念がり、強いタモリ愛を見せる。タモリもうれしかったのか、「4月になったらヒマなのでゆっくり飲みましょう」と答えてニッコリ。

タモリから「最近飲んでる?」と振られた福山は、「部屋飲みですけどね。あんまり行かないですよ。行くのってタモリさんとリリー(フランキー)さんくらいですから。先輩といる方が気楽なんですよね」と明かす。さらに、「先輩といると少し脱いだりもできる。そういうこともあるんですよ」と含み笑い。「あるんだよ」と笑い返すタモリ。このあたりのサービス精神がいかにも福山らしい。

福山のギターでタモリがシャウト!

続く話題は友人関係。福山が「『いいとも!』出るのに誰からも連絡が来なかった。電話に出ないようになってから、全然かかってこなくなった」と話すと、タモリは「『リリーさんの誕生日会がある』と聞いて、盛大にやると思って行ってみたらこの3人だけ。『本当に友だちいないんだな』と思った」と意外なエピソードを明かす。

タモリが「そのとき(福山が)すごくいいギターを(リリーに)プレゼントしていた。それに合わせてオレが4曲歌ったらしいんだけど、全然覚えてないんだよ」と笑うと、福山は「今日も忘れないために歌ってください。タモさんの好きなブルースいきますか」とギターを取り出した。すかさずタモリは「せっかくだから二人はバンド組んでて、ライブ会場という設定でやろうか」と応え、福山が「TMC(タモリ・ミュージック・クラブ)というバンド」とノリノリに。二人が飲みながらやっているネタなのか。

そしてライブがはじまった。まずはタモリのMCから。「こんにちは。僕らもバンド組んで10年くらいになるんですけど、タモリ・雅治、TMで。あのころは若かったよね。オレたちが音楽に革命を起こすんだ。TMレボリューションと言ってたんだ。そのころの初期の歌、聞いてください、『TMブルース』」と笑いを取る。福山のギターが奏でられると、タモリは自作歌詞でシャウトを含む大熱唱。歌い終えたタモリに福山は、「本当にすごい! ブルースですけど、詞がフォークでしたね」と満面の笑みを見せた。

福山がコーラスを少し入れただけで、全く歌わずに終えたのは、タモリへの何よりのリスペクト。それに照れることなく全力で応えたタモリも見事。何ともレアで豪華なステージだった。

Ⅹ/100アンケートは、「昨日、胃カメラの検査を受けた人」。福山は「昨日、検査の合間に電話受けてたんですよ」と明かし、予想人数は1人だったが、結果は0人。続いて明日のゲストに小泉今日子が紹介されてコーナーは終わった。

タモリが大ベテラン風漫才を披露

CM明けにはじまったのは、「芸人だらけの水曜日! レギュラー大集合でネタ祭り」。トップバッターは、栗原類。鉄板のネタ・江頭2:50のモノマネでスタジオ内を走り回り、暴れまくった。2番手のパンサーは大物芸能人コント。3番手のウエストランドは『いいとも!』の思い出漫才。4番手のアルコ&ピースは南米系漫才。CMを挟んで5番手の柳原可奈子は大物スタイリスト・北条マキのネタ。6番手のタカアンドトシは『いいとも!』漫才。

再びCMを挟んで、いよいよタモリ&太田光の1日限定コンビが現れた。大ベテランの漫才師にふんした二人が、スローテンポな動きとセリフで、長い名前をテーマにした漫才を見せたが、時間切れで途中終了……。しかし、長尺ネタを用意したのは、二人の並々ならぬ意気込みの表れか。増刊号でその続きが見たい。

「火曜の全員テレフォンショッキング」、「水曜の全員ネタ祭り」に続く、明日のサプライズ企画は何なのか? レギュラーは、笑福亭鶴瓶、山崎弘也、ベッキー、ピースと、バラエティ強者ぞろいだけに、何でもできるだろう。

この日も歌って、漫才して、はしゃぎまくりタモリ。楽しんでいるのはもちろん、日に日に若返っていくようにも見える。衰え知らずの"タモリ祭り"は、あと3日のみ。お見逃しなく。

■木村隆志
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ評論家、タレントインタビュアー。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴する重度のウォッチャー。雑誌やウェブにコラムを提供するほか、取材歴1000人超のタレント専門インタビュアーでもある。著書は『トップ・インタビュアーの聴き技84』など。