2014年春モデルとして登場した、ソニーの「VAIO Fit 11A」は、クラムシェルスタイルからタブレットスタイルに変形する2-in-1タイプの11.6型ノートPCだ。
同じ変形機構を採用している「VAIO Fit 13A」や「VAIO Fit 14A」、「VAIO Fit 15A」といった「VAIO Fit multi-flip PC」シリーズの新モデルにあたる。今回メーカーから試用機をお借りすることができたので、Bay Trail-M搭載の春モデル注目機「VAIO Fit 11A」の性能や使い勝手を早速レビューしてみよう。
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■主な仕様 [製品名] VAIO Fit 11A(SVF11N19EJS) [CPU] Intel Celeron N2920(1.86GHz) [メモリ] 4GB [ストレージ] 128GB SATA SSD [光学ドライブ] なし [グラフィックス] Intel HD Graphics(CPU内蔵) [ディスプレイ] 11.6型ワイド(1,920×1,080ドット) [OS] Windows 8.1 64bit [サイズ/重量] W285×D198×H16.5-19mm/約1.28kg [店頭予想価格] 130,000円前後
コンパクト&ちょい厚ボディ
Fit 11Aのフットプリントは約幅285×奥行き198mm。A4サイズ(幅297×奥行き210mm)と比べるとふた回りほど小さいコンパクトなボディだ。店頭販売向けの標準仕様モデルでは、本体カラーにシルバーのみが用意されているが、直販サイト「ソニーストア」限定のVAIOオーナーメードモデルでは、さらにブラックとピンクを合わせた3色から選択できる。
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Fit 11Aの天板部分。中央にある横のラインが液晶ディスプレイを回転させる「マルチフリップヒンジ」。天板はアルミニウム素材のヘアライン加工 |
底面の素材は樹脂。有効画素数799万画素のリアカメラ(下部)とNFCポート(写真上部)が配置されている |
高さは最薄部で16.5mm、最厚部で19mm。実際に手にした際、11.6型モバイルノートとしてはかなり厚めの印象を受けた。だが変形機構を搭載する2-in-1 PCであることを考えれば妥当といえる厚さだ。
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本体を左側面からみたところ。最薄部と最厚部の差は約2.5mmとわずかで、全体的にはフラットなデザインに見える。左側面にはヘッドホン端子とUSB 3.0端子×2、HDMI端子、電源ボタンを用意 |
右側面には電源コネクタとメモリカードスロットが配置されている。試用機の右側面右端には用途不明のスリットがあるが、サイズ的にはmini SIMカードが収まりそうな大きさだ |
VAIO Fit 11A最大の特徴は、「キーボードモード」と「ビューモード」、「タブレットモード」の3種類のスタイルに変形できる点。天板部に備えた「マルチフリップヒンジ」を軸に、液晶ディスプレイを後方に回転させることで、タブレットして利用したり、液晶ディスプレイだけを相手に見せるなどの使い方ができる。変形機構としてはVAIO Fit 13AやVAIO Fit 14Aと同じで、よりコンパクトになったとイメージするといい。
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「キーボードモード」の状態でマルチフリップヒンジ部分から折るように力を加えると液晶ディスプレイが回転。反転した状態の「ビューモード」は動画を視聴したりプレゼンなどで相手に画面を見せるときに便利。ビューモードから液晶ディスプレイを閉じれば「タブレットモード」となる |
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タブレットモードに変形すると高さは実測で26mm程度となる |
キーボードモード時にヒンジ部分にある「ディスプレイロックスイッチ」を操作することで、液晶ディスプレイを固定できる。ビューモード時は操作できない |
2013年秋冬モデルでは、13.3型のVAIO Fit 13Aが同シリーズの中で最も小さいモデルであったが、VAIO Fit 11Aの登場により最小モデルの地位を譲ることとなった。実際に2台を比べて見ると、大きさの違いは一目瞭然。VAIO Fit 13Aもコンパクトにまとまっていたが、VAIO Fit 11Aの持ち運びやすさはその上を遥かにしのぐ。
VAIO Fit 11Aの重量は約1.28kgで、モバイルノートとしてはやや重い。VAIO Fit 13Aは約1.31kgなので約300gしか変わらず、13.3型ノート並みの重量といえる。だがタブレットとしても使える2-in-1タイプのPCで、スペックも比較的高性能であることを考えると、納得できる重さだ。