【レポート】

三重県にある銘菓「赤福」に似た「赤福そっくりさん」たちの実態に迫る!

ベストセラー「赤福」のそっくりさんが市場には多く出回っている!?

伊勢神宮の名物といえばご存じ「赤福」。お餅を濃厚なこしあんで包むこの商品は、「もらってうれしいおみやげ」としても全国的に愛されている一品だ。しかし、有名税とでもいうべきか、赤福に極めて類似した商品も多く出回っている。今回はそんな「赤福そっくりさん」に、あえて焦点を当て取材をしてみた。

「赤福」よりもあんころもち風!

「赤福そっくりさん」の中でも、特に有名なのが「御福餅」だ。ネーミングはもちろん、ピンクを基調としたパッケージから「赤福」と間違えて買ってしまう人も多い。ちなみに、パッケージのイラストは今でこそ伊勢志摩の名勝地である二見ヶ浦の夫婦岩だが、数年前までは「赤福」と同じ和橋が描かれていた。

箱もデザインもそっくりな「御福餅」とは?

「外見が似ていると思われる方もいらっしゃいますが、赤福さんとは全く別のものです」。そうコメントしたのは、御福餅本家の福井裕陽さん。そもそも「御福」という名は、二見興玉神社の天の岩屋にまつられるアマノウズメノミコト(天鈿女命)のことを指しているという。決して「赤福」の名前をまねたものではないそうだ。

古いバージョンのデザインに登場していた和橋にしても、「赤福」が伊勢神宮の宇治橋であるのに対して、この「御福餅」は二見興玉神社の橋だという。「『御福餅』は創業270年の歴史があり、ずっと伊勢名物として愛されてきたもの。こしあんの波形は夫婦岩にそそぐ豊穣の波の形を表現しているんです」と、「赤福」とは波形の意味も違うよう。筆者も270年の長い歴史とは知らなかったが、老舗ならではのこだわりが詰まっているようだ。

それにしても、そっくりな箱のデザインばかりに注目しても仕方がない。肝心の「御福餅」の味はどうなのだろう? 早速食べてみよう。開封すると、パッと見は「赤福」そっくり。しかし、よく見ると「赤福」のあんよりも、こしの粗い印象があった。波の形がやや不ぞろいなのは、全て職人が手作りしているからという。ちなみに、箱詰めされた「赤福」は機械で作られている。

「御福餅」の食感や製法には、「赤福」とは異なる魅力があるのだ

実際に食べてみると、「赤福」のあんは口当たりが滑らかなのに対して、この「御福餅」のあんには不思議なザラつきがある。でもそれが独特の素材感となり、あんころもちとしての味わい深さは、もしかしたら「赤福」以上かもしれない。しっかりとした安定感のあるおいしさである。ただの「赤福そっくりさん」と侮るなかれ。これは一食の価値アリ。「御福餅」は8個入り700円である。

●infomation
御福餅 本家
三重県伊勢市二見町茶屋197-1

伊勢が「赤福」だから伊賀は「伊賀福」

次にピックアップするのは、忍者の里で有名な三重県の伊賀上野地方。こちらで販売されている「赤福そっくりさん」は「伊賀福」である。名前からして「赤福」をイメージした感じが強いが、パッケージの表面には、伊賀上野出身の松尾芭蕉が裏面には忍者が描かれている。つきぬけたB級のムードに好感度すら覚える一品だ。

ややB級な香りのする「伊賀福」。ちょっとユニークで面白い

「赤福」や「御福餅」が伊勢志摩の広いエリアで販売されているのに対し、「伊賀福」は伊賀市の名阪国道沿いにある「伊賀ドライブイン」で販売されているオリジナル商品である。「『伊賀福』が生まれたのは15年ほど前のこと」と語るのは、伊賀ドライブインみやげ主任の寄國誠司(せいし)さん。寄國さんによると、「伊勢には『赤福』がある。伊賀にも名物土産を作ろうと開発されたそうです」。

まさか伊勢が「赤福」だから、伊賀は「伊賀福」とか?と尋ねると、「その通りですよハッハッハ」とストレートなご回答。しかし、「材料は国産を使い甘さも控えめ。しかも手作りにこだわっています」と、「伊賀福」ならではのオリジナル性を語ってくれた。

箱を開けてまず気づくのは、あんの色の個性。「赤福」や「御福餅」よりも、あんの色がやや薄い印象だ。口に入れると、なるほど確かにあっさりした味。「我々は『赤福』の20分の1程度の歴史しかありませんからね。これから頑張っていきますよ」。そう屈託なく笑う寄國さんだった。「伊賀福」は8個入り600円である。

●infomation
伊賀ドライブイン
三重県伊賀市柘植町5704-1

赤福「特に申し上げることもございません」

これ以外にも名古屋エリアで販売されている「名福餅」など、東海地域にはいくつかの「赤福そっくりさん」商品が確認されているのだが、それにしても気になるのは当の「赤福」だ。彼らは市場における「赤福そっくりさん」の活躍をどのように眺めているのだろう?

ご存知「赤福」。もはや勝者の余裕すら感じるガリバー商品なのである

赤福本社へ問い合わせて質問してみたところ、「その件に関しまして、私ども赤福本社は、特に申し上げることもございません」と返答をいただいた。たしかに、「赤福」は知名度・販売量共に圧倒的なガリバー商品。「そっくりさん」の存在に目くじらを立てる必要もないのかもしれない。「赤福」は8個入り700円である。

芸能人ではないが、コピーされるのは本物のあかし。強いブランド力で東海地方では知らぬ者のいないほどの、代表的なご当地スイーツが「赤福」なのである。

●infomation
赤福
三重県伊勢市宇治中之切町26

関連キーワード

人気記事

一覧

イチオシ記事

新着記事