今やすっかり「ニコニコ動画の会社」というイメージになったドワンゴ。数あるIT企業の中でも、もっともノリにノッている会社のひとつである。そんなドワンゴ本社が7月23日、浜町・明治座から銀座・歌舞伎座へと移転し、新社屋がプレス向けに公開された。

ドワンゴの移転は以前から告知されており、4月に開催されたニコニコ動画最大のイベント・ニコニコ超会議では、川上会長ら経営陣4名が歌舞伎役者に扮して口上を述べ、話題を呼んだこともあった。

昨年の超会議では赤字を4億円も出したりと、上場企業でありながらとてもそうは思えない遊び心あふれる予算の使い方を見せてくれるドワンゴのことだ。この新社屋移転についても、何かしら普通とは違うお金の使い方をしているに違いない……。

そんな淡い期待(?)を胸に、ドワンゴ新社屋を訪問してみた。

新しいドワンゴオフィスは歌舞伎座タワーに。どんなチョイスだ

こちらが移転前の明治座

新しくドワンゴが入ったのは、東銀座駅から直結する歌舞伎座タワー。最近完成したばかりの新しい歌舞伎のメッカであり、ドワンゴとは明らかにミスマッチなのだが、それを言い出したら移転前は浜町の明治座である。さらに数年前に建てられたニコニコ本社も、明らかにニコ動ユーザーとの親和性が低そうな原宿のど真ん中だ。……つまりドワンゴという会社は、何か大きなことをやるときは周りを驚かせたくて仕方ない会社なのだ(会社というか、川上会長がというべきか)。

……ということで新社屋である。フロアは11階~13階と、14階の一部。フロア数は変わっていないが、面積比でいうと前のオフィスより1割くらい広くなったのだという。

12階で降り、長い廊下を歩いていくと、途中の壁に何やら模様が……。

何かと思ったら

ニコニコテレビちゃん!

よく見るとこれ、ニコニコ動画のマスコット、テレビちゃんじゃないか。綺麗にそろっているので模様かと思ったら、マグネットらしい。やっぱり今のドワンゴはニコ動の会社なんだなぁということを実感する。

もしかして、こういうの他にもあるのではないか。そう、ディズニーランドに無数のミッキーマウスが隠れているように……。

よし、ならば今回はドワンゴ社内の"隠れニコニコ"を探していこう。

天井の低い通路ってちょっと近未来っぽい

この日は町会議のPVが流れていた

廊下を抜けてオフィスへ入ると、まずはちょっと狭めの通路。ここにはモニタが6台並んでおり、ニコニコ動画が流れている。隠れニコニコ……ではなく、堂々とニコニコである。

流す動画は完全にランダムというわけではなく、一応選んで流しているらしい。来客があったときにいきなりビリー兄貴が6面全部に現れるとか、そういうことがないようにだろうか。個人的にはむしろやってほしいんだけど。

真っ白である

さりげなくテレビちゃんクッションが。こんなところにもニコニコ

椅子で囲まれたグリーンが良い感じに癒し

通路を過ぎると受付だ。以前も十分オシャレだったが、さらに輪をかけてシャレオツ感が増している。白を基調とした清潔な空間で、実にシンプル。

おっと、ここにもニコ動が

と思ったら受付の左にまたしてもニコ動の映像が。ここの壁はガラス張りになっていて、向こう側が見えるので実際よりも広く感じる。

木でできた仕切りはカキネと呼ばれている

腰かけるのにもちょうどいい高さ

で、気になるのはこのガラスの下にある木でできた低い仕切り。この後も何度も出てくるが、ドワンゴ社内で"カキネ"と呼ばれているもので、各スペースの仕切りとして使われているのだという。この低いカキネでスペースを区切りつつも、視界を遮ることなく社員のコミュニケーションを促進する目的があるのだ。カキネは腰くらいの高さなので、軽く腰かけるのにも便利である。

ちなみに新社屋のデザインコンセプトは「"カキネ"を越えてコミュニケーションがとれるオフィス」だという。なんとなくニコ動とも通じるものを感じるね。

会議室もある

受付がある12階フロアには、来客用の会議室なんかもある。こちらも白くて綺麗だ。

部屋の名前が……

Q

ZERO

Q

と思いながらドアを開けようとして、部屋の名前が書かれたプレートに気づいた。「仮」ってこれ、もしかしてニコニコ動画のバージョン名じゃないか。……続きを読む