現地時間で1月7日、CESの開幕を翌日にひかえた本日は、公式プレスディとなっており、各社が相次いでカンファレンスを開催している。米Intelもそのひとつで、将来プロセッサの計画についての新発表や製品概要の紹介があったほか、次期Intel Core「Haswell」や、22nmベースAtom「Bay Trail」の搭載実機のお披露目なども行われた。

Atomは低価格スマホ向け「Lexington」や22nmベースの「Bay Trail」

最初に登壇した米Intel 副社長 兼 モバイル&コミュニケーション事業本部長のMike Bell氏は、スマートフォンならびにタブレット向けに、新たなIntel Atomプロセッサの投入計画を発表した。

米Intel 副社長 兼 モバイル&コミュニケーション事業本部長のMike Bell氏

まずは現行のスマートフォン向けAtom「Medfield」のデザインウィンをアピール

競合比で「Medfield」(Motorola Droid RAZR iに搭載)が性能/省電力とも優れているというデータも見せた

まず最初に発表となったのが、新興国市場をターゲットとした低価格スマートフォン向けAtomプラットフォーム「Lexington」(開発コード名)だ。現在の同社のスマートフォン向けAtomは、現行の「Medfield」と、その次世代となる「Clover Trail+」の、パフォーマンス向けのラインしか用意されていなかった。より広い製品セグメントのカバーを目指し、このLexingtonからコスト重視のラインが拡充されることとなった。

新興国市場をターゲットとした低価格スマートフォン向けAtomプラットフォーム「Lexington」を発表

Lexingtonの製品モデル名は「Intel Atom Z2420」となる。Android OSに最適化されているという、動作周波数1.20GHzの、Hyper-Threading技術対応シングルCPUのSoCで、低価格品ながら1080p/30fpsのHD画像のエンコード/デコード、1.3Mと5Mピクセルのデュアルカメラ、デュアルSIM、Wireless Displayなど高度な機能を備えている。モデムはHSPA+対応のIntel XMM 6265。既にAcer、Lava、Safaricomが端末開発を表明しており、会場では実機も公開されていた。

既にAcer、Lava、Safaricomが端末開発を表明しており、会場では実機も公開

続いて紹介されたのが、昨年のIDFなどでも予告され近日登場が見込まれる、Clover Trailのスマートフォン向けバージョンである「Clover Trail+」。製品モデル名は「Intel Z2580」となる。デュアルコアでHyper-Threadingにも対応し、性能は現行のMedfield比で最大で2倍を実現しながら、消費電力はMedfieldと同等に抑えたという次期パフォーマンス・スマートフォン向けAtomだ。タブレット向けのClover Trailの評判は良好なので、これも期待できるプロセッサと言えるだろう。

前述の「Lexington」の発表で2ラインとなったスマートフォン向けAtomのロードマップ。「Clover Trail+」はパフォーマンス向けのラインを引き継ぐ

そしてさらに、タブレット向けAtomでは、Clover Trailの次世代となる「Bay Trail」についても発表があった。クアッドコアでClover Trailの2倍の性能を備え、24時間のバッテリ駆動と数週間のスタンバイ時間を実現するというSoCだが、Atom初の22nmベースで製造されるという点も大きく注目されている。Bay Trailは、登場が2014年に遅れるという噂も流れていたのだが、今回、2013年の後半に出荷を開始することが発表された。

Atom初の22nmプロセスを採用する「Bay Trail」を発表し、Windows 8が動作する実機も公開した

Intelでは、スマートフォンやタブレットの市場伸張に乗り遅れないため、Atomをなんとかしたいと説明しており、以前から、22nm世代でAtomがCoreのプロセスルールに並ぶことをアピールしていた。これまで、Atom系はCore系に対しプロセスルールが古いことが常であったが、2013年内にBay Trailの出荷がはじまれば、プロセスルールでようやくAtomがCoreにキャッチアップすることになる。

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