「Mac定番ソフト十番勝負」、4回目はもはや生活必需品と言っても過言ではないWebブラウザを取り上げてみよう。Webサイトを正しく表示できるというのは当たり前、表示を高速に行なえ、Webサイト上のプログラムが正しく実行でき、プラグインなどで使いやすさを向上させられることが現在のWebブラウザには求められる。そういった点からOS X標準の「Safari」、Safariと同じWebKitエンジンを採用した「Google Chrome」、そしてユーザーの手で機能拡張を続けてきた「Mozilla Firefox」の3本をチェックしていこう。

Mac OS X標準ならではの使いやすさ「Safari」

Mac OS X標準のWebブラウザとして、Mac OS X 10.3から標準搭載されたのがSafariだ。WebKitと呼ばれるオープンソースのHTMLレンダリングエンジン(Webページに書かれたプログラム言語を正しく表示するプログラム)を使って正確な表示ができる。かつてはシンプル過ぎて使いにくいという声もあったが、タブ表示や機能拡張などが実装されて非常に使いやすいブラウザになった。またiCloudなどのOS X標準機能にも対応しているため、Macユーザーが使う上では便利。さらにiPhone/iPadなどのiOS機器とも連携できるのがポイントといえる。

「Safari」にはWindows版もあったが、Mountain Lionのリリースと同時に公開が停止されている。デスクトップ版「Safari」のシェア(通信量ベース)は5%程度にとどまるが、iPhone/iPadの人気もあり、モバイル版のシェアは60%以上になっている。

OS X付属の標準ブラウザ。非常にシンプルな見かけだが機能は豊富で、iCloudを活用して便利に使える

Googleが作ったマルチOS対応ブラウザ「Google Chrome」

GoogleのWebサービスを一切使っていないという人はいないだろう。そのGoogleがSafariと同じWebKitをエンジンにして開発したWebブラウザが「Google Chrome」だ。Windows版/Mac版だけでなくLinux版もあり、AndroidやiOSといったモバイルOS版もある。後発の強みもあり、登場当初からタブ機能、拡張機能、アプリケーション機能を持っており、Gmailのアカウントを使って他のPCにあるブックマークなどやテーマなどを同期する機能も利用できる。

シェアも順調に伸びており、現在19%程度。Internet Explorer、FireFoxに続く第3位につけている。

GoogleのChromeはWeb描画エンジンはSafariと同じWebKitだが、JavaScriptエンジンにGoogle V8を搭載して高速化が図られている

Netscapeの流れを汲むオープンソースWebブラウザ「Mozilla FireFox」

インターネット初期に9割近いシェアを持っていた「Netscape」ブラウザのソースコードがオープンソースになり、それを元に開発され、発展したものが「Mozilla Firefox」。Geckoと呼ばれるHTMLレンダリングエンジンを採用しており、Windows、Mac、Linuxが正式にサポートされるほか、UNIX向けのバイナリも配布されている。モバイル版はAndroid環境で利用できる。

機能拡張性の高さが特徴で、リストからクリックして選択するだけで機能拡張をインストールして利用できる。非常に多くの機能拡張が提供されており、自分好みのブラウザが作れる点が人気だ。 

Netscapeから続くWebブラウザの正統な系譜。機能拡張が豊富なこともあり、ギークな人たちには御用達となっている

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