シャープは9月27日、プラズマクラスターを搭載した美容家電5製品を発表した。11月上旬から順次発売する。

プラズマクラスターは、プラズマ放電により活性酸素を発生させ、+(プラス)、と-(マイナス)のイオンを人工的に空気中に放出するシャープ独自の技術。ウイルスやカビ菌、アレル物質の不活性化、脱臭効果があると謳い、シャープでは空気清浄機をはじめ、冷蔵庫、エアコンなどの生活家電に搭載してきた。

「プラズマクラスターミスト IB-MT12」。AC/USB接続両対応の充電器で、充電しながらデスクトップ用のプラズマクラスター放出機としても使える。推定市場価格は22,000円前後

加えて、イオンを取り囲む水分子の効果で、保湿や肌のキメを整える美肌、美髪効果などもあるとし、プラズマクラスター搭載のヘアードライヤーを2011年秋に発売。今回は、その流れを汲み、プラズマクラスターの理美容家電製品のラインナップを強化したかたちだ。大手家電メーカーでは、パナソニックが「ナノケアシリーズ」として、独自のイオン発生技術「ナノイー」搭載の理美容家電を多数展開しているが、新たにシャープも市場に参入する。

今回発表された新製品の中でも目を引くのは、「プラズマクラスターミスト IB-MT12」。市販の化粧水を容器に入れ、超音波で微細化したミストと合わせて1立方cmあたり10万個の高濃度プラズマクラスターイオンを同時に噴射し、保湿性をより高めるという、化粧品とプラズマクラスターのコラボ的美容製品だ。

その他「プラズマクラスタースチーマー IB-ST72」がシャープが初めて発売するカテゴリーの商品。スチームを顔に噴射する、いわゆるホームエステ家電の部類だが、これにプラズマクラスターイオンを組み合わせたかたちだ。

「プラズマクラスタースチーマー IB-ST72」。推定市場価格は22,000円前後

温スチームとともに、1平方cmあたり10万個のプラズマクラスターイオンを放出する

ホームエステ系では、これ以外にも「プラズマクラスターデスクトップモイスチャー IB-HU32」と呼ばれる新製品を発表。ただし、こちらは加湿とともにプラズマクラスターイオンを放出するもので、従来より展開していたプラズマクラスター搭載のコンパクトタイプの加湿機を、吹き出し口などの構造やデザインを美容家電寄りに進化させたという印象だ。

「プラズマクラスターデスクトップモイスチャー IB-HU32」。推定市場価格は15,000円前後

気化加湿方式で、タンク容量は約520ml。標準モードで1時間あたり30mlの加湿性能

また、今回新たなカテゴリーの商品として発表された商品として「プラズマクラスターチャーム IB-CH12」も挙げられる。ストラップでペンダントのように首に提げたり、クリップで装着できるモバイルタイプのプラズマクラスター発生機だが、こちらも既に発売されているモバイルタイプの商品の進化形。とはいえ、一昨年、昨年と毎回コンパクトさと使い勝手が確実に向上してきており、今回はやっとアクセサリー感覚で使える実用的なものになった感じがする。

「プラズマクラスターチャーム IB-CH12」。推定市場価格は17,000円前後

コスメボトルのような充電器。USBに接続して、デスクトップ用のプラズマクラスター放出機としても使える

首から下げる使用例。従来品よりもより小さく軽く、さりげなく身に着けられる

クリップで装着する使用例。顔や首に近い位置に留めて、イオンを直接噴射できる。男性にも使いやすい|

2011年の秋発売した「プラズマクラスタードライヤー」も地味ながらバージョンアップ。上位機種の「IB-HD92」は、アマツバメの翼を応用したファンを搭載。風量は維持したまま、ターボ運転時でも約64dbと低騒音化を実現したほか、約50度の低温風で髪のダメージを防ぐ「地肌エステモード」のスイッチの位置の変更や30グラム程度の軽量化などが図られている。さらに、520グラムの軽量化タイプの「IB-HD52」を新たにラインナップとして揃えた。

マイナーチェンジした上位機種の「IB-HD92」と、新たにラインアップした軽量モデルの「IB-HD52」

アマツバメの翼を模して静音化が図られたIB-HD92のファン

IB-HD92は、スイッチ位置を変更。手元側に集約し、操作しやすくなった

また、睡眠中に枕元でプラズマクラスターを浴びるプラズマクラスター発生機と簡易のライトを組み合わせて昨秋「IG-DL1S」として発売した商品は、「プラズマクラスターベッドサイドモイスチャー IB-BS12」としてリニューアル。スッキリとしたデザインに変更され、ライトは200ルクスのLEDライトが搭載されている。

200ルクスのLEDライトが搭載されるなど、実用度が高く改良されたベッドサイド向けのイオン発生機「IG-DL1S」

記者発表会で挨拶した、シャープ 環境・システム事業本部プラズマクラスター機器事業部長の長谷川実氏は「ヘアードライヤーやシェービングなどのヘアケア機器の上位21ヶ国の世界市場規模は3,900億円。既に成熟したヘアケア市場に対して、フェイスケア機器は今後拡大が見込まれる市場だ」と美容家電市場進出に寄せる期待を表明。また、2012年6月末に累計4,000万台を達成したプラズマクラスター搭載商品の販売数を、2016年度に1億台を目指す意向を明かした。

記者発表では、新製品のCMキャラクターを務める女優の水川あさみさんのヘアメイクも担当する岡野瑞恵さんと、シャープ 環境・システム事業本部プラズマクラスター機器事業部健康美容事業推進センター所長の六車智子氏とのトークショーも行われた