さて次は新フォームファクターの話(Photo04)。まず最初に説明があったのはPCIe OCuLink cableである。これは何かというと、説明にもあるように4レーン分のケーブル接続である。ケーブル接続そのものは既にPCIe CableというSpecificationがPCI-SIGよりリリースされているが、これはあくまでもサーバー向けを想定したものであり、OCuLinkはPCやMobileなどのケース内/ケース外の接続を目指したものである。ちなみに名前からも判るとおりOpticalとCopperの両接続に対応という話であるが、Neshati氏によれば「当初はCopperでの接続方法の開発を進めており、将来はOpticalの開発を行うことになる。ただコネクタは『USBと同じように』CopperとOpticalの両対応になる」と説明した。ここで言う『USBと同じように』というのは、以前IDFで公開されたOpticalに対応したUSBコネクタのコンセプトモデルに近いものを想定しているものと思われる。

Photo04: OCuLinkは素直に「オキュリンク」と発音していた。語源を聞かれて、「いや単純にOpticalとCu(Copper)のLinkなんで頭文字とってOCuLink」との返事だった。ちなみにレーシックの技法のひとつらしいOCuLink(Advanced topography-guidedという技法を指すものの模様)とは多分無関係、だと思う。

考え方はThunderboltなどと近いもので、ただし別にThunderbotとは無関係の規格になるとしている。現在はRevision 0.9の段階にあり、2013年以降に製品化されると想定しているそうだ。またこのOCuLinkは、PCIe Gen4にも対応すると明言された。

次の話がNGFF(Next generation form factor)である。これは要するにUltrabookのような超薄型のフォームファクタが増えてきた結果として、より厚みを減らしたフォームファクタが必要になってきている事に対応した規格だそうだ。また、例えばWi-FiやWWANモジュールの場合、装着するとアンテナなどを多数接続する必要があり、こうしたケースでのFlexibilityを増すことも目的、と説明された。こちらは現在Revision 0.3のSpecがあり、メンバーによる30日間のレビューが行われているとしている。

最後がSFF-8639への対応である。SFF-8639とはSFF Committeeの策定した汎用のコネクタである"Multifunction 12 Gb/s 6X Unshielded Connector"の仕様である。最新版はRevision 1.2がこちらから入手できるが、これを使ってSATA Expressを実装したという話である(Photo05)。SATA ExpressはSATA/SASに加えてPCIeの信号線も必要になるわけで、これへの対応を行う、という話である。

Photo05: こちらはSSD Form Factor Working GroupによるEnterprise SSD Form Factor Version 1.0の中からの抜粋。

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