ケンコー・トキナーが5月に発売した「Tokina Reflex 300mm F6.3 MF MACRO」は、マイクロフォーサーズ専用ミラーレンズだ。ミラーレンズとは、光学系の一部に反射鏡を組み込んだレンズのこと。超望遠の焦点距離をコンパクトに設計できることが特長で、フィルムカメラの時代から写真愛好家にはおなじみの存在になっている。今回、このレンズをお借りできたので、レビューしてみよう。

「Tokina Reflex 300mm F6.3 MF MACRO」は、300mmという焦点距離(35mm判換算600mm相当)を誇りながら、本体サイズは66×66mm(最大径×全長)と非常にコンパクトで、重量はわずか298g。缶コーヒーくらいの感覚でポケットに入れて気軽に持ち運べるサイズと重量である。

ケンコー・トキナー「Tokina Reflex 300mm F6.3 MF MACRO」をオリンパス「OLYMPUS OM-D E-M5」に装着

この小さくて軽い超望遠レンズを使ってスナップ撮影を楽しんでみた。1枚目の写真は、湖を眺める女性を後ろから捉えたもの。ピントを合わせた手や髪の毛がシャープに解像する一方で、背景となる水面の部分には、ミラーレンズ特有のリング状のボケが生じている。

絞り:F6.3 / シャッター速度:1/1000秒 / 露出補正:+1 / 感度:ISO800 / WB:晴天 / 使用したカメラ:「OM-D E-M5」

絞り:F6.3 / シャッター速度:1/160秒 / 露出補正:-0.3 / 感度:ISO800 / WB:晴天 / 使用したカメラ:「OM-D E-M5」

外装はシルバーの金属製で、マウント部にも金属を採用。高品位な質感があり、しっかりとした剛性感も備わっている。鏡胴部には、距離目盛り付きのフォーカスリングを装備する。ピント合わせは、他の多くのミラーレンズと同じく、マニュアルフォーカス専用となるが、その操作感は絶妙。無限遠から最短撮影距離まで適度なトルクを保ちながら、ねっとりとした感触で回転操作ができる。

金属外装を採用し、レンズの精度と耐衝撃性を高めている

マウント部には電子接点があり、撮影データにはレンズのExif情報が記録される

付属するバヨネットフードを装着した状態。内側には植毛が施されている