遂にリリースされたWindows 8 Release Preview。事実上のRC(Release Candidate:リリース候補)版となる同プレビューは、Windows 8の成功を占う試金石となる。この後はRTM(Release to Manufacturing:製品出荷)版を経て、発売に至るWindows 8だが、その発売時期も興味深い。今週もMicrosoftの各公式ブログに掲載された記事を元に、Windows 8に関する最新動向をお送りする。

Windows 8レポート集

最後のプレビュー版となるWindows 8 Release Preview登場

日本時間の2012年6月1日、以前から予告されていたように、Windows 8 Release Previewが一般公開された。これまで事実上のアルファ版となるWindows 8 Developer Preview、ベータ版相当のWindows 8 Consumer Preview、そしてRC版となるWindows 8 Release Previewに至り、続くマイルストーンはRTM(Release to Manufacturing:製品出荷)版。Windows&Windows Live担当役員であるSteven Sinofsky(スティーブン・シノフスキー)氏はブログ記事で、今回のWindows 8 Release Previewで報告を受けたバグの修正や改善は、RTM版に至るまで続けるという(図01)。

図01 Windows 8 Release Previewのスタート画面。ライブタイルによる情報更新は比較的便利だ

そこで必要になるのが製品利用に関する統計情報やログ情報である。改めて述べるまでもなく、どれだけベータテストを行ってもソフトウェアが世に出てから初めて発覚する問題やミスは多い。例に洩れずWindows OSも数多くの更新プログラムを配布している。Windows 8 Release Previewでは、セットアップが正しく終了しないケースやアップグレード時のトラブルなど、さまざまな統計情報やログを収集し、RTMに向けた改善を行う予定だ。このような改善はインストールプロセスだけでなく、OS全体にも目が向けられている。Windows 8 Release Preview本体のクラッシュはもちろん、ソフトウェアやデバイスドライバーをインストールする際に発生する互換性問題も同様の情報収集と改善を行うという。

また、これまでのプレビュー版でも更新プログラムは配布されていたが、あくまでも緊急性の高いセキュリティ対策を行う更新プログラムに限られていた。しかし、Windows 8 Release Previewでは、サービス機能についてテストを継続するため、Windows Updateで更新プログラムを提供する予定だと同氏は述べている。配布内容は更新プログラムに限らず、新しいデバイスドライバーも含まれることを踏まえると、テスト期間ながらも製品版と同じ体勢が取られるようだ。

蛇足だがWindows 8 Release Previewのビルド番号等々を確認すると、5月18日と10日ほど前にコンパイルされたものであることが分かった。リリース日が6月1日であることを踏まえると少々長いタイムラグだが、ローカライズ版の制作や配布ファイルの検証、配布サーバー側の強化など数多くの準備作業が必要だったと同氏は述べている(図02)。

図02 Windows 8 Release Previewのバージョンは6.2。ビルド番号は8400。コンパイルは5月18日に行われたものだ

気になるリリース時期だが、以前のレポート記事でも述べたように2012年内であることは間違いない。その一方で同氏は、Windows 8 Release Previewに対するフィードバックや製品利用統計情報が同社の期待するものであれば、約二カ月後の8月にはRTMプロセスの最終フェーズに取りかかれる、と述べている。やはり、Windows VistaやWindows 7と同じくWindows 8のリリースは秋ごろになるだろう(図03)。

図03 使用期限は2013年1月16日。半年程度と少々短い。これはWindows 8のリリースが2012年内であることを裏付けている