日本では経営破たんしたJALが再生の道を進んでいるが、スイス インターナショナル エアラインズ(以下、SWISS)は2002年、破たんした旧スイス航空の路線を引き継ぎ見事な"復活"を遂げているスイスのフラッグキャリアだ。不況と言われた2011年にも過去最高の年間旅客数を記録し、権威ある英国の航空サービス・リサーチ会社「スカイトラックス」の「ワールド・エアライン・アワード 2011」では強豪ひしめく西ヨーロッパでベストエアライン賞を獲得した。
日本からヨーロッパへはいくつもの航空会社が就航しているが、SWISSを選ぶ理由はどこにあるのか。今回、新しくなったばかりのビジネスクラスに搭乗して、そのサービスをレポートしたい。
最大3席分を占有できる"新シート"
搭乗したのは成田空港を11時15分に出発するLX161便。スイス・チューリッヒへの直行便である。新しいビジネスクラスの機内に入ってまず驚かされたのが1席あたりのスペースの広さ。各座席にサイドテーブルが備え付けられており、その広さはノートパソコンや雑誌を並べて置けるほど。マガジンラックやコートハンガー、靴入れなどがその前部に設置され、通常の2席分を1人で使えるのである。なかでも両窓側には1席しかなく、プライベートな空間が確保されている。さらに、席の両側に広いサイドテーブルが付いた席もあり、この席ならなんとほぼ3席分を占有できる。
最長2m、硬さ調整可のシート
今回は窓側の席に座ったが、足元の広さや正面のテレビ画面下にも物入れがあるなど、見た目以上にスペースには余裕があった。映画や音楽が楽しめるのはもちろん、広めのテーブルを出してパソコンで原稿を書いたり本を読んだりと、スペースがあると気分にも余裕を持って過ごせることを実感した。
ブラウンを主体にしたインテリアはSWISSの伝統ともいえるが、明るい木目調の茶色も使われていて落ち着き過ぎないバランスもいい。シート自体はファブリックの肌触りが心地よいのに加え、クッションの硬さの調整ができ、マッサージ機能も付いている。リクライニングは180度まで可能。つまりベッドになり、身長178cmの筆者でも楽に身体を伸ばせる。軽くて暖かいブランケットとサラッとした肌触りと枕も寝心地の良さを高めてくれた。