セゾン投信は11月17日、東京・青山アーキテクトカフェにおいて、資産形成のためのステップアップ講座「大人のオンナのキャリア塾@青山~自分軸足マネープランをたてよう~」の第5回を開催した。WorldInvestorsTVなどを運営する石田和靖さんが、香港やドバイの実情や、夢を持ってそれを実現するために努力することの大切さなどを語った。

「大人のオンナのキャリア塾@青山~自分軸足マネープランをたてよう~」では、毎月1回の予定で30代の働く女性を対象に、講義とワークショップを展開している。

第5回となる今回は、WorldInvestorsTVなどを運営するほか、日本証券業協会公益委員、香港政府観光局経済観光大使などを務める石田和靖さんが、香港やドバイの実情や、夢を持ってそれを実現するために努力することの大切さなどを語った。

「自分軸足で生きていく」=「好きなことをやっていく」

石田さんはまず、キャリア塾のテーマ「自分軸足のマネープランを立てよう」について触れ、「自分軸足で生きていく」=「好きなことをやっていく」ことであると定義。好きな事をやっている人は周りの共感を呼び、誰かの助力も得られるとし、好きなことを続けてやっていくことが、投資でもビジネスでも時間を味方につけることにつながると説明した。さらに、好きな事を発見するのは、新しい世界に足を踏み入れてみて、自分の選択肢を広げていくことが重要であると話した。

WorldInvestorsTVなどを運営するほか、日本証券業協会公益委員、香港政府観光局経済観光大使などを務める石田和靖さん

石田さんは、一例として、新宿の歌舞伎町でレジ打ちのアルバイトをしている若者が、歌舞伎町の中で生活が完結している様子をテレビで見たとした上で、「自分の置かれている環境から一歩出てみることが大切なのではないか」と問題提起。自身の体験として、沖縄の古い民家で出された島ラッキョウがおいしく、それが民家の後ろの畑でいくらでも採れると聞いたが、そのラッキョウは空港で一瓶800円で売れることを知り、一つのビジネスチャンスであるとことに気づいた経験などを挙げ、「そうした事を知ることで、自分の人生の選択肢が一つ増える」と話した。

また、かって貧しかったが豊かになったアフリカのベナンという国にUSBメモリを運んでいって10倍で売れる話や、鳥取県のスイカがドバイで1個3万円、4万円で売れたりする話などをし、「国や地域でいろんなギャップがあり、それを見出していろいろチャレンジすること」の面白さを強調した。

さらに注目すべき点として、海外での「日本の女性の評価の高さ」を上げ、日本人女性の強みを生かした外国人向けのサービスなどを行うことができるのではないか、と述べた。

香港は「東のハブ」、ドバイは「西のハブ」

石田さんはさらに、海外で注目すべき場所として香港とドバイを挙げ、香港は「東のハブ」、ドバイは「西のハブ」と認識しているとし、香港とドバイの実情を語った。

香港では今、ワインが注目されているといい、そのきっかけは、香港政府が80%あった酒税を0%にしたことで、世界中のワインが香港に集まるようになり、中国人が、1本20万円、30万円するワインをコーラで割って飲むようなり、ライフスタイルがものすごい勢いで変わってきていると説明。本土の中国人が香港にワインを買いにいくようになり、ワインマーケットが香港でできた。ワインオークションでは、次から次へと高級ワインが売れるといい、中国人富裕層が資産運用の手段としてワインに注目しているという。

また、「メイドイン・香港」のワインも盛り上がっているといい、ワインを持ってくるかわりにその年にできた一番できのいいブドウを香港に集め、ワインを作るようになっている。

石田さんは、香港は「ワインハブ」であると話し、「ワインを楽しみに行くというのも、香港の楽しみの一つになっている」と強調した。

一方、ドバイについては、今回のキャリア塾開催の前の週に行ってきたとし、「香港、シンガポールのような立ち位置になっている」と説明。ドバイは石油が採れないため、世界中から観光客やビジネスマンを集めなければやっていけないことから、国の前リーダーが、「脱石油経済」を掲げ、「エコノミック・フリーゾーン」を形成。50年間無税などの"破天荒"な政策で、外国企業を誘致してきたことを話した。

世界を揺るがした「ドバイ・ショック」に関しては、損をしたのは英国の金融機関が多いとし、ドバイ・ショックの後景気が悪くなっているとされているが、「実はかなり景気はいい」と説明。ドバイ・ショックは「バブル」が弾けたもので、価格の水準が平常なものとなり、それを見た中国人が、不動産視察ツアーなどのビジネス・観光で訪れているのが現状だと述べた。また、年に2回、大バーゲンセールがドバイではあるといい、多くの観光客が訪れるという。

石田さんは、ドバイと香港の共通点について、「外国人からお金をとるやり方」をとってきたのと並行して、女性が社会進出しやすい環境にもあると強調。ドバイのエコノミック・フリーゾーンでは、周囲の国では考えられない、女性が教育を受けやすい環境が整えられていることも説明した。

「海外に足を運んで新しい発見を」

石田さんは講義のまとめとして、「旅をしましょう」と呼びかけ。「旅を通じて人から学んだ事で、夢を実現することができる」と述べ、「海外に足を運んで新しい発見をしてほしい」とのメッセージを送った。

また、夢を実現するためには、「夢を人に話したほうがいい」とし、「人に言った手前、エンジンがかかるようになる」とも強調した。

キャリア塾では、石田さんの話した「夢」について、小グループに分かれてディスカッションが行われ、その後、各グループの参加者が自らの夢について話した。「競走馬を買いたい」「海外移住をしたい」「仕事で自己実現を図りたい」など、数多くの夢が語られた。

セゾン投信の中野晴啓社長は、石田さんの講義とディスカッションを踏まえ、「石田さんを見ていて思うのは、強烈な行動力。皆さんの夢を語ってほしいと思ったのは、常識の殻を破れずに勝手にあきらめてしまうことがあるからで、ぜひ常識の殻を破ってリセットして夢を実現してほしい」とエールを送った。

セゾン投信の中野晴啓社長は、「ぜひ常識の殻を破ってリセットして夢を実現してほしい」とエールを送った

エフピーウーマンの高山一恵取締役は、「ピンチをチャンスに変える発想転換が必要。枠にとらわれず、どんな状況でも自分に軸足を置いていってほしい」とアドバイスした。

エフピーウーマンの高山一恵取締役は、「枠にとらわれず、どんな状況でも自分に軸足を置いていってほしい」とアドバイスした

最終回となる次回は、12月15日(木)の予定。「自分軸足のライフプランを描こう」をテーマに、講義とワークショップを実施する。1回単位での受講も可能で、途中参加もOK。申し込みはこちら。終了後、会場で忘年会を予定している(任意参加・別途実費)。