第5回大阪モーターショー2007の醍醐味の1つに、運営事務局からも「今回は"関西"ならではのテイストを打ち出す」とまでアナウンスされている、イベント会場に漂う雰囲気があるだろう。さすがは大阪というお好み焼の屋台から、神戸南京町発のチャイニーズバーガー特別販売コーナーまであるが、ビックリ仰天してしまうような出品ブースも発見した。

会場内には関西ならではの屋台も出現

本物の食べれるチョコレート塗装を御披露目!

大阪モーターショーには、「学校研究車両ゾーン」に、関西有数の大学・学校からの興味深い展示が並んでいるものの、異色のアイディアで注目を集めていたのは、大阪府立佐野工科高校の出品ブース。なんと本物のチョコと生クリームのみで美しく塗装された自動車&バイクが、周囲に甘い香りを振りまきながら登場したのだ!

佐野工科高校は、文部科学省が「目指せスペシャリスト」というスローガンを掲げて取り組んだプロジェクトにおいて、オリジナリティあふれる教育方針でスペシャリストを養成している高校に全国から選出され、正式に「スーパー専門高校」として認定されている。学校教育の一環で、カスタムペイント、レストア、ネイルメイク、和紙塗装などに取り組みつつ、ものづくりの職人技を習得できるようなカリキュラムも用意されているようだ。

チョコレートで塗装されたダイハツミゼット!

塗装のスキルアップを目指すといっても、実際の作業は、そんなにいつも楽しめるものではない…。そんな生徒たちの本音をよそに、信じられない意外性に富むアイディアから、一気に意欲を呼び起こさせたのは、先生が自ら車を提供して、チョコレート尽くしで塗装してしまうという企画だった。よくよく話を聞いてみると、どうやらこのアイディアには、もちろん遊び心もいっぱいだが、究極のスキルアップにつながる秘訣が潜められていたようである。

まずは、名糖産業のアルファベットチョコレートを1,000粒用意。これをすべて溶かしてから、生クリームとミックスして特製塗料を作り上げるものの、問題はここからだ。この"甘い"特製塗料を普通にスプレーガンで吹きつけようとしても、すぐにチョコレートが固まってきてしまう…。そこで、常にドライヤーで温めつつ噴射する苦労が重ねられた。普通の塗料とは異なるので、車体とスプレーガンの距離に少しでも差ができると、一気に塗斑や厚みができてしまい、見栄えが落ちてしまう。生徒たちは、かつてなく真剣に、手先にまで気を遣って塗装を行う大切さを、まさに身体で覚えさせられる体験だったと話している。

和紙塗装による包装イメージまで再現

さわると溶けてしまう1,000粒のチョコレート塗装が全面に…

さて、チョコレートには必ず包装がある。そこで、今度は和紙の原材料である、楮(こうぞ)と三椏(みつまた)を、手作業で細かく裁断しつつ特製塗料を作り出し、スプレーガンで吹きつけて塗装。塗っては天日で乾燥させることの繰り返しを7回行って、チョコレートを和紙で包み込むイメージのミゼットが完成した。ちなみにこの作品には「世界一和風で甘い車」とのテーマがあり、冬ならば溶けないのでバレンタインプレゼントとしても最適だとか!? 隣には、同じく名糖産業のアルファベットチョコレート400粒で、美しく塗り上げられた「名糖チョコレートバイク750F」が展示されており、甘い香りでノスタルジックなイメージも醸し出すことができたとされている。

名糖チョコレートバイク750F

ここまでは遊びの域を出ないものの、同ブースに展示されていた「MRうるし」シリーズは、職人芸としても完成度が高いことに驚きを隠せなかった。100%天然の漆をスプレーガンで繰り返し吹きつけ、1カ月の乾燥期間を設けることで、見事に深みのある仕上がりの「純日本産うるしバイク」が完成! 肌さわりも最高で、ブースを訪れた人々からも「めっちゃきれい」「かっこいい」「すごい」と絶賛だったようだ。アルミ肌仕上げが印象的なゼロハリバートンのスーツケースも、新たに「うるしゼロハリ」として生まれ変わり、注目を集めていた。天然漆なので、塗装時にかぶれてしまうなどの問題がクリアされれば、商品化も夢ではないかもしれないという。

純日本産うるしバイク

うるしゼロハリ

関西のノリがあふれる出品ブースだったが、もしかするとこういう斬新なアイディアこそ、これからのモーターショーに欠かせない存在となるかもしれない…。

コンテストを勝ち抜いた美人ナビメイト & コンパニオンの花

ナビメイトの河原さゆり(右)永田美穂(中央)池田レイナ

大阪モーターショーの案内役となるキャンペーンアシスタントトリオ「ナビメイト」には、150名の応募者から、厳正な審査を経て3名が選ばれ、会場でも美しい笑顔を振りまいた。高知県出身の河原さゆり、鹿児島県出身の永田美穂、ハワイ出身の池田レイナという、バラエティに富む3人は、それぞれ公式ブログでも大阪モーターショー開催前から人気を集め、特にGカップの永田は「Gyuugyuu」の愛称で親しまれているようだ。大阪モーターショーでは、連日イベントステージでトークショーを繰り広げたほか、心ゆくまで自分のカメラで写真を取りまくれる豪華な写真撮影会も開催された。午前午後と何度もナビメイトが登場する、この写真撮影会こそが、もしかすると最も多くの人だかりを作っていたかもしれない…!?

連日ナビメイトのトークショー&写真撮影会を開催!

他にもイベントステージ上では、平原綾香、安良城紅、SEAMO、MAX、加藤ミリヤなどのアーティストや、レーシングドライバーの片山右京が出演するトークショーを開催。そして、会場内の各社ブースやショーには、コンパニオンたちが花を添え、連日会場は盛り上がった。主要自動車メーカーのみならず、自動車関連製品サービスを出品した各社ブースでも、美人コンパニオンの華やかな歓迎が目立っていたのは印象的だった。できるならば関西でも、毎年モーターショーを開催してほしいと願ったのは、きっと筆者だけではあるまい…。

ダイハツ

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