「着せ替え人形は古くなったら捨てられる」

衝撃的な言葉をきっかけに、自分自身をはじめて冷静に、客観的に見ました。今まで当たり前のようにあったものは当たり前ではなく、自分だけでやってきていたような錯覚から、誰もいないと自分では身動きできない現実を知ります。毎年、デビューするアーティストはたくさんいるけれど、1年後、もっと早ければ1クール後(3カ月)に生き残れているのは一握りもいない現実。

そのときに痛感したのは、歌い手は曲を作ってくれる作家さん、プロデューサーがいないと歌うことができず、タイアップがないと曲も出せない。なんならレコードメーカーもない(笑)。ないない尽くしの私。足元をみれば「なぁ~んにもなぁ~い」。そこで投げやりに一瞬なってみました。

「もういいかなぁ、歌なんて。やめちゃえばいいかなぁ」

今まではラッキーにもお仕事があったわけで、しかも「歌うと楽しいから歌うし、ラッキー♪」的な軽いノリのもと歌っていました。ところがあら不思議。何もなくなり、もうやめちゃえばいいかしらと考えていた私を助けてくれたのは、"歌"だったのです。

泣いて、涙も乾いてしまい、ただひとり図書館裏の野原で四つんばいになりながら、本気で四葉のクローバーを探していたあの記憶は忘れもしません(相当ヘンなオトナだったと通りすがりの人は思ったことでしょう)。半ば感情も麻痺しているそのころに響いたのが、音楽であり、歌でした。

あぁ、歌っていいなぁ、歌いたいなぁ。いや、歌わずにはいれない。歌しかないんだ! そうはじめて思ったのです。人生って皮肉ですね(笑)。何もなくなったときにはじめて気付く。で、気付いたときには何もなく、さあどうしましょう? 本当どうしましょう?!……しばらくたった後、考えました。誰かいないと歌えないなんて。お膳立てがないと歌えないなんて。そんないつ来るかもわからない状況を待つのはイヤだ! そうなると……自分で創れば歌えるのでは? そう思ったのです。

楽器もできない、楽譜も読めない、曲を創ったこともない。またないない尽くしでしたが、ないものはないんだから、ビビることもない(笑)。とりあえずやれるのか、チャレンジしてみよう! と思い立ちました。そこで曲を創ったり、楽器ができるお友達に電話してみました。

由美「ねぇねぇ、曲っていうか、自分の歌を創ってみたいんだけど、一緒に創ってくれないかな?」
Uちゃん「うん、いいよぉ~♪」

そんな簡単でいいのぉ~?(笑)。はい、いいんです。誰にも頼まれていませんでしたし、締め切りもありません。がしかし、私にとっては私が歌える歌が必要でした。なんだかさっぱりわからないけど、曲ができるかもわからないけど、お友達はいいよって言ってくれたし、その言葉が心から嬉しくて、曲ができるかもわからないけど、やってみよう! そんな感じでまったくわかってもいない中、はじまるわけです。そしてそれが後に世界中の人たちに聴いてもらえるようになる作品も生み出すとは……。

今思い出してもキュンとせつない想い出のひとつですね。もう一度やるのはイヤですけど(笑)。では、また次週そんなお話の続きを聞いてください☆
See you soon love xx.

P.S.来週から世界中の裏側に行ってきます。ブラジルでライブであります♪

またワンコネタですが。近所のトリマーやさんへ行ったら、こんなかわいいチョモランマちゃんが! シーズとかの原型の犬種らしいです

スター・ウォーズじゃないですよぉ(笑)