連載コラム『美人すぎる公認会計士がこっそり教える、やわらかマネー知識』では、公認会計士の平林亮子氏が、その豊富な経験を生かした「お金」に関する知識を、分かりやすく説明します。あなたの人生を変えるような、とっておきのマネー知識が得られるかもしれません。


資本主義社会では、「ファイナンス能力」がビジネスの成否を左右

資金調達することをファイナンスと言いますが、ビジネスにおけるファイナンスの方法には下記のようなものがあります。

貸し手が借り手と直接お金のやり取りをする方法を直接金融、銀行などを通じて間接的にやり取りする方法を間接金融と言います。

負債は返済が必要な借金のこと、資本は原則として返済不要の出資を受けることを意味しています。

1億円のマンションを購入して1億円で売却できるとしたら、借り入れなどを上手に利用することで、現在の年収以上の家に住むことも理論的には可能だということは前回ご説明した通りです。

資本主義社会においては、ファイナンス能力というものが、ビジネスの成否を左右するといっても過言ではないのです。

ソフトバンクは「レバレッジ」を上手に利用、必要に応じて他社を買収

ところで、借り入れなどの他人の力を利用することで、自分の実力以上の力を発揮することを、レバレッジ、もしくは「レバレッジを効かせる」などといいます。

ビジネスにおいては、このような借り入れを上手に利用することで、スピーディに効率良く対応することも重要な視点になります。

例えば、日本の企業で上手にレバレッジを効かせているのが、ソフトバンクでしょう。ソフトバンクは、借り入れを上手に利用し、必要に応じて他社を買収することで、急激な成長をとげてきました。

ちなみに、これから買収しようとする企業の資産や将来性を担保にお金を借りて、企業を買収することを「レバレッジド・バイアウト」と言います。レバレッジド・バイアウトを利用すれば、自社よりも大きな規模の企業を買収することもできるのです。

チームで力を合わせるのも、一種のレバレッジ!?

バブル経済崩壊後は、企業も借金をできるだけ少なくし、現金を持っていることが重視されているように思います。

でも、それで企業が成長を止めてしまってはナンセンス。レバレッジを効かせて、より大きな成果を求める姿勢も、忘れて欲しくないものです。

個人の借金を推奨するつもりはまったくありません。

くれぐれも、安易な借金をしないでくださいね。一度、借金に溺れると、本当にこわいものですよ。

ただ、自分一人の力で解決するよりも、チームで力を合わせれば、もっと大きな成果を出せるとしたら、それも一種のレバレッジと言えるかもしれません。

そんな発想を持って周囲と協力して生きていけたら素敵だと思います。

執筆者プロフィール : 平林 亮子

公認会計士。「美人すぎる公認会計士」としてTVやラジオ、雑誌など数多くのメディアに出演中。お茶の水女子大学在学中に公認会計士二次試験に合格。卒業後、太田昭和監査法人(現・新日本有限責任監査法人)に入所。国内企業の監査に多数携わる。2000年、公認会計士三次試験合格後、独立。企業の経営コンサルタントを行う傍ら、講演やセミナー講師など多方面で活躍。テレビの情報番組のコメンテーターを始め、ラジオ、新聞、雑誌など幅広いメディアに出演している。