いーとーキリキリ

異国エジプトで、ダブルワークならぬトリプルワークをこなす"おろぐちともこ"が、仕事や現地生活をマンガとコラムでご紹介。ピラミッドだけじゃないエジプトをお楽しみください。(毎週火曜更新予定)

【奥が深いムダ毛処理の道】

働く女性の身だしなみとして、気にしておきたいムダ毛処理。腕に生えた毛は、ワックスのおかげで痛みとともに一気に消え去りました。

ですが、手入れを怠るといつの間にか生えてくるのがやつらのにくいところ。ある日ふと鏡を見たら、口周りに産毛が…! 処理しなきゃな～と思っていたところ、「そんなんじゃあ働く女子として失格よ…!」と登場したのが彼女です。

ということは、またワックスされる…! 口の周りもあの方法でやるなんて、想像しただけで痛そうですし、そもそも顔周りの短い産毛はちゃんと抜けるのかしら…。痛みを思い出して背筋がぞっとなった私に、友人が取り出したのは「糸」。それを目にして「?」になる私。これで毛を処理する…?

「糸で何ができるの?」と尋ねたら、「実演してあげるからこっちを向きなさい」と一言。仕方がないので、言われたとおりに顔を向けます。続いて、「舌を使って毛をなくしたいところを内側から突き出して」と指示が。何だかよくわからないまま、「ググッ!」と舌を使って産毛が生えているところを内側から押し出します。

口を閉じて、舌を使って鼻の下を伸ばしている自分の顔を想像してちょっと複雑な気分になっている私。それを横目に、彼女は慣れた手つきで糸をくわえ、交差させます。まるで簡単なあやとりですが、構えが異様にかっこいい…。

そして処理したい場所にその交差された糸をあてる彼女。「えっ!?」と思うまもなく、ジョリジョリ…と糸と糸を交互にすり合わせ始めます。なるほど、糸と糸で産毛を挟んで摩擦で切るわけですね。

しかし!!! これがものすごく痛いっ!!! 上では何げなく解説していますが、ワックスとは比べ物になりません。こっちの方が痛すぎる…っ!!!

涙目になりながらも、鼻の下を伸ばして我慢すること数分。「終わったわよ」の声にホッと一息。鏡を見たら、とてもキレイにそりあがっていましたが、自分の目を見たら涙目でウルウル、そして鼻の下はヒリヒリ…。身だしなみパーフェクトの道はとってもハードだなぁ…と悟ったのでした。

おろぐちともこ
大学で古代エジプト史を専攻し、2011年よりカイロ在住。日々、エジプト人観察に励む。
現在はWebやエジプト人による日本語雑誌の漫画を執筆したり、デジタルアシスタントをしたりと、国境を越えて活動中。至上の喜びは、素敵なカフェで水タバコの煙をゆらしながらぼけっとお茶をすること。生活記Blogつぶえじでは、現地の生活の様子を不定期に発信している。