男性のみなさんは、知り合ったばかりの女性と話すときに、

(この話は……しないほうがいいかな)

と悩むことがあると思います。もちろん、相手が気の合う女性で、酔っ払ってつい下ネタを言ってしまいそうになる(決して下ネタを言わない男性のみなさん、ごめんなさい)……と悩む場合もあることでしょう。

しかし、一般的に、男性のみなさんは女性に話をするときに、

(この話って……もしかしたら、自慢みたいに聞こえないかな)

と一瞬ちゅうちょしてしまうことが多いはずです。「これって自慢かも?」なんて一度も悩んだことはない男性は、それはそれで幸せなので、そのまま自分らしくいてほしい。

ですが、ほとんどの男性は、趣味の話をするにしても、家族や友人の話をするにしても、仕事の話をするときでも、聞いてくれる相手の女性に「自慢話」と思われやしないだろうか? とためらいを感じることがあるはずです。


某飲料メーカーの研究所で働くRくん(30才)は、最近、会社でペーパーテスト(昇進テスト)を受けました。しばらくすると、人事部にいる同期のKちゃん(29才)から、

「かなりの好成績だったわよ」

と密かに教えてもらい、思わずうれしくなってしまいました。

(そういえば、オレって昔からペーパーテストには強かったよな)

と、思い出す度にニヤニヤしてしまったほどでした。

あるとき、研究所の同期や後輩と飲み会をすることになったのですが、その際、

「前もって、似たような問題の本を買ってきて勉強したんだけど、国語分野がむずかしくてまいった」

と、同期の男性が昇進テストの話題を持ち出しました。すると、後輩のIちゃん(27才)が、

「数学分野のあの図形問題も、パズルっぽくて……私ああいうの苦手なんですよね。時間があれば何とかなったかもしれないけど、1問1問の時間が短すぎて」

と心配げに言います。

「Rはどうだった?」

と同期の友人に聞かれたとき、Rくんはもう少しで、

(いや、オレはけっこうああいうの得意だから……人事から聞いたんだけど結果もよかったみたいだし)

と、言いそうになったのですが、そこでハッと立ち止まりました。

(仲のいい男同士の間なら、多少の自慢話もゆるされるかもしれない。だが、Iちゃんの前でそんなことを言うと、鼻持ちならないヤツと思われるのではないか)

Rくんが下を向いて黙っていると、

「やっぱり、Rもあんまりできなかったんだろ。どっちができなかった? 国語分野? 数学分野はできただろ?」

と同期の友人が茶化しはじめました。

(……しかし、ここでムキになって「できたに決まってるだろう」なんていうと、Iちゃんから「いやー、たかがペーパーテストのことで、あんなにムキになっちゃって」と思われるかもしれない)

と考えたRくんは、

「まあね。テストって、自分ではデキてたか、デキてなかったかわからないから」

とマジメに話を終わらせたのでした。心の奥底では、

(くそーっ。Iちゃんに自分のデキるところをアピールするチャンスだったのに。……でも、それをやるとやっぱり自慢になってしまうし。ああ、どうすれば自慢していると思われずに、自分のいいところをアピールできるのだろうか)

とジレンマに悩みながら……。


女性は、男性が考えているよりも、男性の自慢話には寛大なものです。特に、自分がわりと好意を持っている、○○くんとは気が合うなぁ、○○さんはいい人だなぁと思っている相手の多少の自慢話は「クスッ、かわいい」と余裕を持って聞いてあげることができたりします。

ただし、気が合わない相手、苦手な男性に対しては、どんな些細なことも、彼に自慢なぞするつもりがなくても、

「なんなの、自慢ばっかりしちゃって」

と思ってしまったりします。

ですので、相手かまわずに自慢をしたりしなければ、きっと温かい気持ちで話を聞いてもらえることでしょう。また、女性が相手の男性に親しみを感じているのなら、あまりに自慢がすぎるときは、

「ちょっと自慢?」とか「それって自慢話?」とちゃんとツッコミを入れてくれるはずです。そんなときは、開き直って、

「ちょっと自慢」と言ってみると最後は笑いで終わるはずです。

それから、もちろんおわかりだと思いますが、仕事や趣味の自慢話はいいのですが、持ち物の自慢、親や親戚の自慢、オレってアタマがいいんだ的な自慢は、NGになってしまう場合が多いので気をつけてほしいところです。自慢話は相手がどんなに、「すごい」と持ち上げてくれても、それ以上ふくらませないようにしておくといいかと思います。


酒井冬雪です。みなさま、こんにちは。4月で、地味な私の生活にも多少の変化があり、疲れがたまっていたのか、風邪を引いたり、じんましんが悪化したり……。GW中はこのコラムもお休みをもらったので、じっくり寝ようと思います。では、またね。