連載コラム『まるみえ家計診断! プロが教える改善のコツ』では、家計簿アプリZaim利用者の中から、家計やお金のことで悩む相談者の実際の家計簿データをチェック! お金の専門家が相談者へ改善のコツをずばっとアドバイスします。


【今回の相談者】
BABAさん(37)は現在ご主人と1歳のお子さまと東京にお住まい。ご主人の手取り月収は約27万円で、年間の手取りボーナスは約70万円見込みになっています。BABAさん自身も会社員ですが、現在育児休暇中のため育休手当として毎月の収入は約15万円となっています。

相談者の収入データ(Zaim分析画面より)

【相談したい内容】
産休前はBABAさんの収入分を貯金に回せていたものの、金額そのものが減っていることや、お子さまが産まれて家族が増えたことでやりくりが悪化。毎月の貯金が全くできておらず不安が高まる日々だそう。

『育休からの復帰の見込みもまだわからず、このままだと毎月の貯金を再スタートするのは難しそう…! 現在の貯蓄は約200万円ですが、子供の教育費の捻出や生活などなどこれからのことを考えると、夫の収入から生活人貯金をやりくりしたいです』

相談者の支出データ(Zaim 分析画面より)

家庭の状態を考慮した予算設定がキモ! 金額だけに左右されないで

ではまずは今回もZaimでの家計簿データをチェック! 一般的なカテゴリごとの支出を丁寧に入力し、予算との対比も行っているのがBABAさんの家計簿の特徴です。お子さまが産まれてから「水道光熱費が上がったことも気になる」と相談いただいておりますが、更にバランス良い家計にするにはどうすればよいでしょうか? 今回アドバイスを頂くのは、ファイナンシャルプランナーの森朱美先生です。

森先生「光熱費は季節やそのときの天候によっても大きく左右されるので、そこまで細かく気にする必要はありません。特に、お子さまが1歳になったばかりということですので体力的にもムリをさせないことが大切です。必要経費として今は割り切ってしまってよいと思います」

なるほど、確かに今年は通常よりも暑い日が長く続いたりするなど光熱費をコントロールするのが難しかったように思います。高齢者や小さなお子さまがいらっしゃるご家庭では、光熱費を節約の対象として厳しく管理するにはあまり適さないというのは納得です。

森先生「むしろ着手すべきは食費の項目かもしれません。総務省が毎年実施している家計調査の数字を参考にすると、例えば世帯人数3.4人で食費が約7万6,000円という金額が一般的となっています。現在のお子さまの年齢を考慮すると、BABAさんの場合もう少し食費は抑えられる可能性がありますね。内訳をみるとランチ代とありますが、もしかするとママ友とのお付き合いなどもあるかもしれません。その場合、交際費として別に把握しておくと、抑えるべきは食費ではなく交際費カテゴリ…という可能性もあります」

 第2回「32歳独身、家計管理の意識は高いが貯金のモチベーションが上がらない」では、逆に交際費が高すぎて、食費が低い…という家計簿パターンもありました。同じ食事代でも、どのカテゴリで管理すべきなのかはご家庭によって使い分けると適切にバランスが整えられそうです。

赤字解消のためにできること、今からしっかり話し合いを

BABAさんは教育資金の準備をしっかり行いたいとのことですが、このあたり具体的なアドバイスはありますか?

森先生「ジュニアNISAも検討されているとのことですね。ジュニアNISAの場合、原則18歳になるまでは引き出すことができない点は必ず抑えておきたいところです。途中で引き出すと課税対象になってしまい、NISAのメリットをフルに享受できない可能性があります。そういったことを踏まえると、ジュニアではなく通常のNISAで運用し、それを教育資金に当てることも検討すると良いかもしれません。毎月2万円を18歳まで貯めると約430万円、大学への進学資金となりますので、大きな安心につながります」

学資保険や子供NISAなど、商品や制度の名称に引っ張られずに"いつ・どうやってお金を使うか"を考えて選択することが大切なんですね。

森先生「また、復職に不安とのことですが現在の待機児童問題を考えると、現実的には4月入園を前提に考える必要があります。自治体によって状況や申請の時期なども異なりますが、前年10月~12月の受付に漏れないようまずは活動を始めましょう。生涯年収を考えると、保育費用や家庭的な負担が一時的に増えたとしても、生活の基盤が大きく異なりますので是非前向きに検討すると良いでしょう」

家計のバランスを保ちながら貯蓄をふやすには、複数の選択肢がありどれも家族内での話し合いが欠かせません。BABAさんは年払いの保険商品にも加入されているとのことですから、そういった見直しも家計改善に大きく役立ちます。例えば Zaim でも提供している「わたしの保険」サービス等、まずはインターネットで家計や世帯を元に、万一の際にどれくらいの保障が必要かをシミュレーションしてみるのもおすすめです。保障を "見える化" することで、毎月の固定費が大きく見直せる場合があります。是非様々な視点から、長期的に家計を考えてみてくださいね。

家計診断協力

森朱美
ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)。大手自動車メーカー、グループ金融会社を経て、家計の総合相談センターに入社。東京・名古屋・大阪でCFP認定者、税理士、社会保険労務士などのお金の専門家のメンバーで来店型相談センターを運営。相談業務、各種講師、執筆業務などの活動をしている。トヨタグループ各社のライフプランセミナー、上場企業向け確定拠出年金講師、大学・金融機関主催の講師なども多数担当。冷静・的確なアドバイスで安心できるマネープランに定評がある。

執筆者

綿島琴美
家計プランナー、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。Android、iPhone、iPadやWebから利用できる日本最大級の家計簿サービス「Zaim」にて、としてユーザーへの家計サポートを行う。レシート自動読取り機能や銀行とのデータ連携など、アプリを活用した家計の仕組みづくりを提案。初の監修本『Zaimのシンプル家計術』(ナチュラルライフ編集部編、税込み842円)が学研プラスより好評発売中。