じりじりとした暑さが続きますね。暑さを凌いで家にいる時間が増えたカップルも多いのではないでしょうか。

人生の中でも大切な時期になるであろう新婚時代。二人で過ごす日々をより充実したものにするため、そんな時間を「住まい」について考えるタイミングにしてみるのも良いかもしれません。

そこで今回は、実際に「新婚時代に家を購入」した先輩カップルに、マイホームが実現するまでの体験談を伺ってみました。

結婚と同時に「中古マンション購入+リノベーション」をされたAさんご夫妻。築53年の風合いを生かした開放感のある空間が特徴の住まいです。ぬくもりのある住まいで、2匹の猫、大福ちゃんと大吉くんと4人暮らしをされています。

Aさんご夫妻

プロフィール
夫 タクミさん(35)
職業:不動産業
好きなこと:音楽・自転車・スケートボード

妻 モエさん(33)
職業:フリーランス
好きなこと:猫・音楽・植物
Instagram:https://www.instagram.com/moedkdf/

――穏やかな雰囲気の心地よいお住まいですね。まずは簡単に住まいについて教えてください。

タクミさん:築53年の中古マンションをリノベーションしました。「人を呼べる家にすること」と「猫が自由に過ごせる家にすること」を実現したかったので、できるかぎり「オープン」にすることを意識してつくりました。

モエさん:というのも、猫が入れない場所を作りたくなかったのと、人が集まっても広さを感じる家にしたいと思っていたんです。

タクミさん:2LDKだった間取りを1LDKにし、空間を広くとりました。寝室の入口はあえてドアを設置せず、家全体に風と光が差し込むようにしています。

  • 光がたっぷり入る開放的なリビング。眺めも良い

  • Before&After:壁を減らし風と光が通るオープンな作りに

タクミさん:「人を呼べる家にすること」と「猫が自由に過ごせる家にすること」の他に、「古さを活かした家にすること」も意識していました。

―-「古さを活かす」って素敵ですね。築53年と伺いましたが、意識したことはありますか?

タクミさん:50年以上の歴史があると、何度もリフォームが入ったりしているのですが、建物の歴史ある味わいをなるべく残したかったのと、外観と内観の年代のギャップを減らしたくて、天井や壁の躯体はそのまま活かしました。

玄関土間はモルタルに、床は足場板を使ったフローリングにすることで、多少の傷や汚れも味になるようにしました。

  • 自分たちが住んだ後にも長く残せるように味わいが出る素材をチョイス。足場板なら猫の爪痕も気にならない

――目指したのは「古さを活かしたオープンな住まい」ということですね。では、お気に入りの場所とこだわったポイントを教えてください。

タクミさん:こだわったのは、土間とキッチンですかね。土間には自転車を置いたり、キャンプギアをカートに入れたまま置いて朝そのまま出掛けたりできてすごく便利です。

  • 最近二人で自転車にハマり、土間にレイアウト。雨風を凌ぎ、盗難も防止できる

  • 土間にはキャンプ用のカートをそのまま置くことができる

モエさん:キッチンはシンプルなデザインにしたく、オールステンレスのオープンキッチンにしました。棚もすべてオープンなので、見せる収納を頑張っています(笑)。

  • サンワカンパニー×無印良品の「MUJI+KITCHEN」から出ているステンレスキッチン

タクミさん:広くてとても使いやすいです。料理しながら、お酒を呑むのが至福の時間です。

タクミさん:気に入っているのはベッドルーム。前に住んでいた賃貸はワンルームだったので、ベッドとリビングが同室なのが気になっていて、人を呼べる家にするために、壁で仕切られた部屋をベッドルームにしました。

モエさん:はじめはLDK内にベッドを置いて仕切りを作って、この部屋は趣味部屋として使う案もあったのですが、結局ベッドルームにしました。タブルベッドがぴったり収まるサイズで、おこもり感があって気に入ってます。

  • 寝室にはダブルベッドをおいて、壁付け棚にレコードや雑誌などを収納

タクミさん:あとは、二人の共通の趣味が音楽なので、リビングの天井3か所にスピーカーを付けました。

  • どの場所にいても音楽が楽しめる設計に。二人の好きな音楽を自由にをかけて楽しんでいる

モエさん:あと猫のトイレスペースも工夫しました。臭いが気にならないように洗面所のシンクの下の空いたスペースにトイレを設置して、洗面所のドアが閉まっていても猫が入れるように小さなドアを付けました。

  • 換気扇のある洗面所に猫用トイレを置くと匂い対策にも

タクミさん:意外と凝ったことはそれくらいで、実は将来賃貸に出すことも念頭に置いて、なるべくシンプルに作ることを意識しました。

モエさん:それぞれの場所すべて気に入っているのですが、1番は53㎡でコンパクトにやりたいことがぎゅっと詰まっているところがポイントかなと思います。

タクミさん:うんうん。使えていない無駄なスペースがないのもいいです。

モエさん:掃除もしやすいしね。

タクミさん:そうだね。全体的に快適でとても気に入っています。

――夢のマイホーム…いつから考えましたか?

タクミさん:婚約してすぐは神奈川県の賃貸に住んでいたのですが、入籍・結婚式と同時並行でマイホーム探しをスタートしました。

モエさん:結婚式の準備と住まい作りを同時にやっていました。

タクミさん:僕はもともと古着とか、古い建物とか、歴史とか味が感じられるものが好きで、中古マンションとリノベーションにも興味があったんです。いつかマイホームを買いたいなと思っていたので、「ちょっと勉強しに行こうかな」くらいの気持ちで「リノベる。」(リノベーション会社)が開催するイベントにモエさんと行きました。

モエさん:私は実家が郊外の戸建てだったこともあり、マイホームに「中古マンション購入+リノベーション」という選択肢がなくて。中古市場の話とか、資産価値の話とか、耐震性の話とか、イベントで初めて知ったことがたくさんありました。

――その中で最終的に中古マンション+リノベーションにしたのはなぜですか?

タクミさん:一応賃貸も視野に入れて探していたのですが、ペット可+希望エリアではなかなかいい物件が見つけられなかったんです。新しい物件だと狭くても家賃が十数万するし、家賃が安い物件を探すと内装や共用部がボロボロだったりして。

元々住んでいた賃貸の家は好みの内装で、ペット可なのと家賃を優先してエリアは妥協した部分があったので、最終的には好きなエリアに住みたい気持ちがありました。

モエさん:当時の賃貸にも不満はあったので、せっかくマイホームを買うなら希望のエリアで理想の暮らしができそうな「中古マンション購入+リノベーション」しようと決めました。

タクミさん:元々僕がリノベーションに惹かれていたのは、新築の画一的なデザインに面白さを感じなかったのもありますが、価値のあるものを長く大切に使うことに共感したというのもありました。

日本の住宅寿命は30年と短いんですが、これは、建物の耐久性が悪いのではなく、新築派が多いことが理由にあるそうです。本来、鉄筋コンクリートはメンテナンス次第では寿命は100年以上といわれていて、他の国はもっと当たり前に中古マンションで暮らしていると知って。

  • 中古住宅と新築住宅の取引戸数の比率。国際的にも中古比率が低くアンバランス

モエさん:そのことをタクミさんに聞くまで知らなかったし、まだ知らないという方も多いと思います。新たな選択肢を学んだ感覚がありました。

――住まいづくりは楽しかったですか?

モエさん:すっごく楽しかったです。全部が学びになりました。

タクミさん:ふらっとイベントに行ったところからスタートしましたが、楽しかったです。今後住み替えもしたいとも思っていますし、最初の家を早いうちに決断できてよかったです。毎日快適で居心地がいいので、大切な新婚時代にこの家で過ごせたのは本当に良かったなと思っています。

――お二人の住まいに対する想いが伝わってきました!

とはいえ初めてのマイホーム。不安があったり、思いがけないこともあったのではないでしょうか?

後編では、住まいづくりの不安、新婚時代にマイホーム購入をしてみてどうだったかなど、詳しくお伺いしたいと思います。

■DATE
中古マンション購入+リノベーション
完工時築年数:築53年
面積:53.4㎡
間取り:2LDK→1LDK
エリア:東京都
施工:リノベる。