冬といえば食べたくなるのが鍋料理。不況の影響から来る内食志向の高まりで、節約の意味合いから鍋料理の登場頻度も高くなりそうだが、「節約、節約」といっているとなんだかちょっぴり寂しくなってしまう。そこでここでは、「2人分たった1,500円なのに、こんなにリッチな鍋ができる! 」というレシピを紹介。レシピ考案は超人気ブロガーのizumimirunさん、勇気凛りんさんで、リレー方式で鍋料理をご紹介いただく。初回のみ特別版で、お2人のレシピを一挙公開!

Izumimirunの「ちょい干し野菜のチリビーンズ鍋」

干した野菜を使った鍋です。野菜は数時間干すだけで旨みがギュッと詰まり、煮込むと深い味わいになります。天気のいい日の10時頃から15時頃の間に2~3時間、ちょい干しするだけでOKと手軽です。

材料(2人分)
A(人参 小1本(150g) / 長ねぎ 1本(100g) / 大根 約10cm分(300g) / ゴボウ 2/3本(120g))
カットトマト 300cc / 大豆(水煮) 140g / チリパウダー 小さじ1 / 塩 小さじ1/4 / 醤油 大さじ1 / オリーブオイル 小さじ2 / ニンニク(薄切り) 1片分
  1. Aの野菜はちょい干しする分。人参と大根は一口大の乱切りに、長ネギは長さ5cm程度に切り、ゴボウは皮をこそげて一口大の乱切りに。
  2. 1の野菜をザルや新聞紙などの上に広げ、日当たりのいいベランダ、または窓際で2~3時間干す。
  3. 土鍋に2と残りの材料全部と水2カップ(分量外)を入れて火にかける。煮立ったら弱火でコトコト、20分ほど煮込み、野菜が柔らかくなったら火を止める。好みで香菜を散らしてもよい。

2~3時間干し終わった後の野菜。水分がほどよく抜けて、切った直後より、ちょっと乾いた感じ

今回はチリビーンズ鍋に仕上げましたが、このちょい干し野菜を使えば、お煮染めなどの味もグンとおいしくなりますよ。

野菜を干す際は、干し網があると虫などが寄ってこなくて便利です。なければ、ザルや新聞紙の上に野菜を重ならないように広げるだけでもOKです。虫やゴミなどが気になる場合は、その上にザルをかぶせれば安心です(レシピ考案: izumimirunこと庄司いずみ)。

勇気凛りんの「牡蠣とアサリの焼き野菜たっぷりカレー鍋」

材料(2人分)
アサリ殻つき(砂出し済) 150g /牡蠣 10個 / 玉ネギ 1個(約300g) / ニンニク 1片 / 白ワイン 1/2カップ / 水 4カップ / カレールー 4ブロック / だし醤油 大さじ2 / 大根 6cm分 / アスパラガス 6本 / トマト 1個 / アボカド 1個 / ナス 2個 / 白菜 4枚 / バター 大さじ1 / サラダ油 大さじ2 / 冷凍うどん 2玉
  1. アサリは殻をきれいに洗い、牡蠣はボウルにためた水で静かに洗う。玉ネギとニンニクは粗めのみじん切りにする。
  2. 鍋に玉ネギとニンニクを入れ、その上にアサリと牡蠣を重ねて白ワインを加え、蓋をして中火で5分ほど加熱する。
  3. 2の牡蠣とアサリを取り出す。玉ネギと貝類から出ただしも土鍋に移し、水とカレールーを加えて強火で加熱する。煮立ったら弱火にしてアクを除き、だし醤油で味を調える。出来上がったスープは適量を土鍋に残し、ボウルに取り分けておく。
  4. 大根は皮をむき、厚さ1cmに切る。その後、水にさらし、水気を拭き取る。アスパラガスは根元のかたい部分を切り落とし、下のほうの袴を取り除く。トマトはヘタを切り取り、横に半分に切る。アボカドは縦に2つに切り、種を除いてから皮をむき、それぞれ縦に4等分する。ナスはヘタを切り取り、縦半分に切ったものをさらに縦4等分にする。白菜は食べやすい大きさに切っておく。
  5. フライパンにバターを溶かし、野菜を順番にこんがりと焼いていく。トマトは切った片面だけ焼く。ナスを焼くときにはサラダ油を加えよう。
  6. 3の鍋にすべての具材を適量ずつバランスよく並べ、加熱していただく。

手順2では、粗みじんの玉ネギやニンニクに貝類を重ねる

手順5ではカットした野菜をこんがりと焼き目が付くまで焼こう

野菜を焼くことで、単なるカレー煮込みではない香ばしさとコクが出ます。また、野菜を焼く際にバターを使っていることでほんのりと風味がしてリッチな味わいとなります。こんがりとした野菜の焼き色も食欲をそそりますよね。野菜を焼くときは、大きめのフライパンで一度に焼くと楽ですよ。後から鍋の中で煮るので、焦げ目をつける程度でOKです(レシピ考案: 勇気凛りんこと岸田夕子)。

注1 食材代は東京都内にあるスーパーの底値を基準に計算しています。
注2 米や基本的な調味料は材料代に入れていません。

著者プロフィール

写真/ Masami Suzuki

izumimirunこと庄司いずみ
東京都在住のフリーライター。雑誌などで活躍するかたわら、2007年2月から始めたブログ「vege dining 野菜のごはん」が大人気に。野菜だけでつくる簡単 & ヘルシーなオリジナル料理に注目が集まり、著名人のファンも多い。
著書「定番野菜 Izumimirunの一番好きな野菜だけの料理
・定価: 1,575円
・発行: 毎日コミュニケーションズ
・B5判96ページ

勇気凛りんこと岸田夕子
アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ郊外在住。2006年2月より料理レシピ投稿サイトでオリジナルレシピを公開し始める。特に「大葉にんにく醤油」のレシピはネットや雑誌、テレビなどで取り上げられるほど大人気に。2006年12月からは全米12州で配布している日本人向け週刊フリーペーパーでレシピライターとしても活躍。人気レシピブログ「rinrepi@chicago」も執筆。
著書「勇気凛りんのとっておきごはん ~野菜たっぷりのおかずから、大人気のスイーツまで173recipes~
・定価: 1,365円
・発行: 毎日コミュニケーションズ
・B5判96ページ