俳優の木村拓哉を主演に、テレビ朝日開局65周年を記念して送るオリジナル大作『Believe―君にかける橋―』(毎週木曜21:00~)。放送前の注目度を裏切らない反響を巻き起こしている。井上由美子脚本、常廣丈太監督の『BG~身辺警護人~』チームが再集結した本作で木村が演じるのは大手ゼネコン「帝和建設」に所属する設計者の狩山陸。物語は、橋づくりに人生をかけてきた狩山のまさに目の前において、東京都が心血を注ぐ一大プロジェクト・龍神大橋の建設現場で大事故が発生したことから幕を開けた。

「会社を守るため」に全責任をかぶり実刑判決を受けた狩山。それを懇願したのが、小日向文世演じる社長の磯田典孝だった。木村と『HERO』シリーズ、映画『マスカレード』シリーズ、『教場』シリーズ、井上とは『緊急取調室』などで組んできた小日向だが、本作では、これまでと違う印象を受けたと明かす。

また今年1月に70歳を迎えた小日向は、「もう疲れちゃって。こういう取材も面倒くさいんですよ」とぼやき節を見せながら、「でも、人生これからせいぜい10年、20年ちょっとの中で、“これこそ、小日向が年を取ってからの代表作”という作品に出会いたい」と語った。

  • 小日向文世

    俳優の小日向文世 撮影:望月ふみ

■今作の脚本に「井上さんっぽくないな」

『Believe―君にかける橋―』で、狩山が勤務する大手ゼネコン「帝和建設」の物腰柔らかな社長・磯田を演じている小日向。「僕は井上さんの脚本だと、『緊急取調室』と、その前にも『新マチベン 〜オトナの出番〜』(NHK)と『SCANDAL』(TBS)をやらせてもらってるかな。でもなんといっても、シリーズで出させていただいた『緊急取調室』の印象が強いですね。けど今回は、“井上さんの作品っぽくないな”と思いました」と第一印象を語り始めた。

「すごく硬派というか。そういう意味でも新しい感じがします。『緊急取調室』も、硬派な一面もあるんだけど、天海さん(天海祐希)とか田中てっちゃん(田中哲司)とか、あとは取り調べの男と女の絶妙な機微みたいなものが描かれていたりする。今回も木村くんと天海さんが夫婦で、そこの物語でも井上さんが本領を発揮すると思うんですが、意外と、それ以外の男たちの会社でのやりとりとか、現場のやりとりといったシーンも多いので、これまでの井上作品とはちょっと違う毛色がある。だから僕も仕上がりをすごく楽しみにしているんです」

  • ドラマ『Believe―君にかける橋―』より=テレビ朝日提供

■『Believe』の木村拓哉は「若くなってる」

さらにこれまで幾度も組んできた木村の印象にも、新鮮さを覚えているという。

「今までの僕が知ってる木村くんの役どころって、どちらかというとヒーロー的な存在、ヒーロー的なものを兼ねている役柄、というか、いずれにせよ脚光を浴びる人だったんだよね。ひとりバーンと突っ走っていくような印象。でも今回は、ある事件に巻き込まれて翻ろうされていくんです。いろんな人たちと関わって、ぐるぐる振り回されていく。そこで苦悩していく木村くんは、僕にとってすごく新鮮です」

そして“苦悩する役柄”としながら「なんか若返っている」とも。

「51歳に見えないんですよ。前回会ったときはCX(フジテレビ『教場』)だったんだけど、役作りもあってか、表情がひとり孤高で暗い感じだった。今はそのときより若くなってる。それと柔らかくなった感じがあります。実際の絡みはまだ1話で放送された部分しかないんだけど、現場でふっと会ったときの感じとか、柔らかくなって若くなった印象だし、どこか今までと違うんですよね。新鮮な感じがありますよ」