最近薄毛が気になるので、ヘアケアをしっかり行いたいと考えているなら、最適なシャンプーの頻度も確認しておきたいものです。髪を清潔に保つことは重要だけれど、「洗いすぎもよくない」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。正しいヘアケアの方法を知って、健康な髪をキープしていきましょう。

皮脂の役割

  • 薄毛が気になる人はシャンプーの頻度に注意が必要?

    シャンプーには適した頻度がある

健康で美しい髪と地肌をキープするには、適切なケアが欠かせません。薄毛が気になり始めたけれど、どのようにお手入れをすればよいのかわからなくて悩んでいる人もいるでしょう。

ここではまず、薄毛と密接なつながりがある皮脂について詳しく見ていきましょう。

皮脂とは

皮脂は外界から異物が侵入するのを防ぎ、肌から水分が蒸散するのを抑制するといった役割を持っています。皮脂は皮脂腺が発達している部位で多くなる傾向がありますが、実は最も分泌量が多いのが頭皮なのです。額や鼻などのいわゆる「Tゾーン」も、皮脂の分泌量の多い部分です。

肌の保湿

皮脂には保湿効果があるため、頭皮の皮脂を落としすぎると皮膚が乾燥してしまいます。そのため、清潔な状態をキープしようと必要以上にシャンプーをするのは避けたほうがよいでしょう。乾燥した肌が潤いをなくしてカサカサになるように、皮脂を失った頭皮も乾燥してしまいます。

肌の保護

皮脂には頭皮を紫外線から保護する働きもあります。シャンプーのしすぎで皮脂が失われると、頭皮が紫外線にさらされてダメージを受けやすくなるのです。

このように、肌の保湿や保護などの役割を担う皮脂。一方で、美容皮膚科が専門の金仁星医師は、皮脂と脱離した角質の混合体である「角栓」が毛穴に詰まることで薄毛を招くリスクもあると警鐘を鳴らします。

「角栓が毛穴に詰まっただけですぐに薄毛の原因になるわけではありませんが、脂漏性皮膚炎やニキビになることで薄毛の原因になる可能性はあります」

特に薄毛が気になるという人は、こういった毛穴詰まりを解消させるための頭皮ケアを心がけるとよいでしょう。

薄毛の人がシャンプーの頻度を決める際の注意点

薄毛が気になる人は、髪や頭皮へのダメージをできるだけ小さくするため、頭皮の状態によってシャンプーの頻度を決めるのがおすすめです。

皮膚トラブルがあるなど、頭皮の状態によってはシャンプーすることで頭皮にダメージを与えてしまうケースもあるからです。汚れやニオイはあまり気にならないけれど、フケが出るから髪を洗いたい人は、シャンプーを使用せず、お湯のみで洗髪する方法もあります。

自分の頭皮の状態によってケアの方法を変えることが薄毛予防にもなるので、ぜひ検討してみましょう。

最適なシャンプーの頻度

  • 【タイプ別】最適なシャンプーの頻度

    シャンプーの最適な頻度は人それぞれ

適切なヘアケアで薄毛対策をしたいなら、シャンプーをする頻度を把握しておきましょう。頭皮の状態はもちろん、季節や外出の有無も参考にしてシャンプーの頻度を決めることが大切です。また、自分では丁寧に頭皮と毛髪のお手入れをしているつもりでも、もしかすると、間違った方法が薄毛を進行させる原因になっているかもしれません。

最適なシャンプーの頻度を知っておき、健康で美しい髪と地肌を作るための方法をマスターしてください。

基本は毎日1回のシャンプー

一日を過ごした後の髪と頭皮には、さまざまな汚れがついてしまいます。汗や皮脂はもちろん、ホコリや花粉、排気ガスなど、目には見えない汚れも付着しているのです。そのため、運動して汗をかいた日だけでなく、頭皮と毛髪を清潔に保つためには、基本的に毎日1回シャンプーをするのがおすすめです。

疲れて帰宅した日には、シャンプーをするのが面倒だと感じるかもしれません。しかし、たまった汚れをそのまま放置すると、髪や地肌の健康を損なう可能性もありますので、注意が必要です。

乾燥肌の人は2日に1回もアリ

シャンプーは毎日するのが基本ですが、肌質などによっては毎日のシャンプーが負担になることもあります。その場合は、自分に合う方法を見つけることが大切です。

例えば、乾燥肌の人が毎日シャンプーすると、皮脂が不足して乾燥が悪化してしまう可能性があります。そんなときには、2日に1回に調整してみましょう。シャンプーの頻度を減らすことで皮脂の状態が落ち着いたと感じたら、汗をたくさんかく時期にはシャンプーの頻度を増やすなど、柔軟に対応してください。

地肌が乾燥しているときには、フケが出たりかゆみを感じたりします。清潔にしようと頑張ってシャンプーすることが余計に状態を悪化させる可能性もありますので、気をつけましょう。

季節や外出の有無でシャンプーの頻度を変えよう

毛髪や頭皮を確認して、シャンプーするべきかどうかをチェックしてみましょう。髪や頭皮の状態は、その日の過ごし方によって異なります。

例えば、運動して汗をかいた日や夏に屋外で過ごした場合には、シャンプーをして髪や頭皮の汚れとニオイを落とす必要があります。一方、室内で静かに過ごした日には、髪や頭皮の汚れはそれほどひどくなく、シャンプーをする必要がない場合もあるでしょう。

毎日シャンプーするのが基本ではありますが、それほど汚れていない日にはシャンプーなしにして頭皮を労わることも、薄毛対策につながります。

薄毛の女性のシャンプーの頻度

薄毛の女性のシャンプーの頻度も、基本的には毎日1回がおすすめです。ただし、頭皮の状態や季節などによってシャンプーの頻度を調整してください。

毛髪や頭皮には皮脂や汚れ、ニオイが付着しやすいので、髪が長い女性は特に丁寧なケアを心がけるとよいです。シャンプーするときには、頭皮を爪で傷つけないように気をつけましょう。

シャンプーやコンディショナーをした後に十分に洗い流せていないと、地肌や毛髪に残って薄毛やトラブルの原因となります。シャワーヘッドを外して手に持ち、しっかりと洗い流しましょう。

薄毛が気になる人が知っておきたいヘアケアのコツ

  • 薄毛が気になる人におすすめのシャンプー方法

    効果的なヘアケアとは

薄毛が気になる人は、シャンプーの頻度はもちろん、シャンプーの時間帯、方法、種類、シャンプー後のケア方法などにも注意してください。自分の地肌や毛髪の質にマッチする効果的なヘアケアで正しいお手入れをすることで、気になる薄毛の対策をしましょう。

シャンプーに最適な時間帯

薄毛が気になる人は、夜にシャンプーをするのがおすすめです。一日の皮脂や汚れをそのまま放置すると皮膚トラブルの原因になり、薄毛が進行する可能性があるからです。

髪は就寝時に最も成長するので、シャンプーしないで寝てしまうと、頭皮の毛穴に詰まった皮脂汚れなどが髪の成長を妨げる可能性があります。寝る前にはシャンプーをして、頭皮と毛髪を清潔な状態にしておきましょう。

効果的なシャンプー方法

薄毛対策にはシャンプーの頻度も大事ですが、適切なシャンプーの仕方も重要となってきます。以下に効果的なシャンプー方法をまとめました。

  1. ブラッシングしてホコリなどを取り除く
  2. お湯で数分間予洗いして、汚れを大まかに洗い流す
  3. よく泡立てたシャンプーで髪と頭皮を洗う
  4. すすぎ残しがないようにお湯で十分に洗い流す
  5. 優しくタオルドライして水分を拭き取る

シャンプーをする前にお湯のみで髪や頭皮を洗う予洗いは、ぬるま湯でやることがポイント。40度未満のお湯で頭皮に刺激を与えないようにしつつ、汚れを浮き上がらせてあげると、シャンプーの泡立ちがよくなるとされています。結果として、髪や頭皮を必要以上に強くこすることなく汚れを落とせるようになるというわけです。

シャンプーの選び方

薄毛ケアを考えている人は、自分に合うシャンプーを選ぶことも肝要で「pHが高めのシャンプーは洗髪後に静電気によるボリュームアップ効果があるので、薄毛によいでしょう」(金医師)。

また、界面活性剤にも注目してシャンプー選びをするのもポイント。金医師は「毎日使う物としては、一般的には刺激の少ないアンホ型やノニオン型がよいと考えられます」と話します。

ノニオン型の界面活性剤は肌への刺激が比較的弱いものの、洗浄力は強いという特徴があります。もう一つのアンホ型の界面活性剤は、比較的洗浄力が高くて泡立ちにも優れ、皮膚刺激が少ないという特徴を持ちます。そのため、高級シャンプーやリンスなどに配合されることも少なくありません。

アンホ型の界面活性剤はコカミドプロピルベタインやラウラミドプロピルベタインなどの成分で知られています。フケや頭皮の乾燥を優しくケアしたい人は、これらの「ベタイン系」のように頭皮への刺激が少ないタイプのシャンプーを選ぶとよいでしょう。

正しいシャンプー頻度とヘアケアで薄毛を改善しよう

  • 正しいシャンプー頻度とヘアケアで薄毛を改善しよう

    効果的なヘアケアで薄毛悩みを解決しよう

薄毛が気になる人に最適なシャンプーの頻度や洗髪する際におすすめのヘアケア方法についてご紹介しました。

皮脂は肌をプロテクトするのに重要な役割を果たしますが、皮脂などが毛穴に詰まってしまうとかえって薄毛を促進させてしまう恐れがあります。そのため、日々のシャンプーで頭皮を清潔に保つ必要があります。

薄毛対策として最適なシャンプーのタイミングは就寝前で、基本的な頻度は一日1回です。ただし、季節やその日に運動したかどうかなどによって皮脂量や頭皮の汚れ具合は変わってきます。

自分の髪質や頭皮の状態をちゃんと把握したうえで、自身に最も適したシャンプー選びやシャンプー頻度を心がけて薄毛対策をしていくのがよいでしょう。

この記事は、医療健康情報を含むコンテンツを公開前の段階で専門医がオンライン上で確認する「メディコレWEB」の認証を受けています。