1988年にスタートし、昭和から平成にかけて大ヒットしたフジテレビ系バラエティ番組『クイズ!年の差なんて』が、“『坂上どうぶつ王国』プレゼンツ”として令和に復活。当時レギュラーだった坂上忍が、サンドウィッチマンとともにMCを務め、『クイズ!年の差だよね』と題して、10日(19:00~)に放送される。

シンキングタイムのBGMや「NGワード」のルールも踏襲された収録を感慨深く見守っていたのは、『年の差なんて』を立ち上げたプロデューサーの王東順氏。そんな王氏と坂上が対談し、復活版の感想や当時の思い出、そして『年の差―』の魅力などを語った――。

  • 坂上忍(左)と王東順氏

    坂上忍(左)と王東順氏

■中山秀征&森口博子の解答を見て挫折

――久しぶりの『年の差―』だったと思いますが、坂上さんは今回MCという立場での収録を振り返って、いかがですか?

坂上:もう皆さんが本当に盛り上げてくださって助かりました。僕は30年前に出させてもらっていたので、まさかこんな日が来ると思わなくて、不思議な感じでしたね。

――やはり当時を思い出しますか?

坂上:思い出しますね。スタジオセットも当時の明るい感じで作ってくださったので、パッと見たときに「うわああああ!」って思って(笑)

  • 令和に復活する『クイズ!年の差だよね』収録の様子 (C)フジテレビ

――王さんは収録をご覧になって、いかがでしたか?

王:懐かしいですよね。あの頃ヤングチームだった坂上さんが司会をするなんて、そういう意味では感慨深いです。今回の復活は、坂上さんから話が出たということで、ありがとうございます。

坂上:テレビを見ていて、似たりよったりな番組が多いなと、ある時ふと思ったんです。年齢のいった方が時に老害扱いされることがあるじゃないですか。でも、司会する側から言うと、昭和を経験してる人のエピソードトークは、パンチ力が強すぎてかなわないんですよ(笑)。一方で、今見てくれている若い人たちにも訴えていかないといけないから、世代が離れてるけどうまいこと融合できるような番組とかないのかな…って何となく思ってたら、「あれ? そういや俺出てたよな」と思って(笑)。それで、お世話になってる小仲(正重、『バイキング』初代チーフプロデューサー)さんとか、『坂上どうぶつ王国』の江本(薫チーフプロデューサー)さんに、「『年の差なんて』ってどうですか?」って聞いてみたら、興味を持ってくださったスタッフの方が集まってくれて、今日に至ったんです。

――そうすると、坂上さんにとっても感慨深い収録だったんですね。

坂上:そうですね。僕、ヤングチームにいた頃は、番組に何の貢献もしてなくて、本当にただの“でくのぼう”だったんですよ。ヤングチームには同い年のヒデちゃん(中山秀征)と、森口(博子)がいて、今でも忘れないんですけど、写真が出てきて「この魚の名前は何でしょう?」って問題があったんです。明らかにアジだったんで、僕は普通に「ラッキー! サービス問題じゃん!」って喜んで「アジ」って書いたんですよ。で、隣のヒデちゃんと森口が書いてるのを見たら間違ってて、「えー? アジも分かんないの?」と思ったんですけど、フリップを出したら2人の解答でスタジオが盛り上がったんです。そのとき、初めてボケだということに気づいて、「バラエティってこういうことなんだ!」って思って。僕にはそんな脳が全然なかったんで、これは無理だと思って、当時演出をやられていた加茂(裕治)さんに「僕なんかがいていいところじゃないと思います」って相談もしましたから。でも、「とにかく座ってろ」って言われて(笑)

■坂上忍、ヤングチーム当時は「地獄の苦しみ」

――坂上さんを起用した狙いは、どんなところにあったのですか?

王:これは申し訳ないんですけど、随分昔なのでちょっと思い出せない(笑)

坂上:(笑)。僕は加茂さんが声をかけてくださったらしいです。まだ河田町にあったフジテレビに収録に行くと、王さんは見るからに一番偉い人なんだろうなと思って、別格のオーラを漂わせてるんですよ。周りには高島忠夫さん、今の桂文枝さん(当時・桂三枝)、岡田眞澄さんとか、お歴々の皆さんが楽しそうにお話ししてて、そこに僕らも呼ばれるんですけど、僕はすみっこのほうで笑顔一つなく佇んでいまして。もう地獄のような苦しみでした(笑)

王:当時おいくつでした?

坂上:始まったときは21(歳)です。

王:私はその頃41(歳)ですね。

坂上:いやあ、あの貫禄は41では出せないですよ(笑)

――当時の坂上さんを見ていた王さんは、今のご活躍を見られていかがですか?

王:もう別人じゃないかと思いますね。でも、あの頃にそういう苦しい経験を味わっていたことがバネになって、今にいきてるんじゃないかなという気がします。

――今回、坂上さんが司会をされるにあたって、何かアドバイスはされたのですか?

王:いやいや全然。私はいち観客として来ただけなので。

坂上:こっちに近づいてくれないんですよ。それが怖いんです(笑)

王:私が遠慮してるんですよ。もう大司会者ですから。

坂上:もう何言ってるんですか! とんでもないです。