日経HRは8月4日、「日経転職版 資格と学び直しに関する意識調査」の結果を発表した。調査は6月26日~7月3日、同社運営サイト「日経転職版」に登録している男女948名を対象にインターネットで行われた。

役立つと思う資格トップ3は「PMP」「MBA」「TOEIC L&R800点台」

  • 役立つ資格ランキング

    役立つ資格ランキング

調査では、保有している資格について自己評価(仕事で役に立った)と他者評価(会社で評価された/転職市場で評価された)を0~5点で点数付けしてもらい、合計点でランキング。自己評価の平均値は1.32点、他者評価の平均値は1.29点、総合点の平均値は2.61点となった。

役立つ資格を教えてもらったところ、1位は、IT業界などでプロジェクトマネジャー(PM)のスキルを示す「PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)」(6.95点)という結果に。ITエンジニアを管理してプロジェクトを遂行するPMは、IT業界で需要の高い職種といえそう。

続く2位は「MBA(経営学修士)」(6.84点)で、ビジネスを体系的に学べることからビジネスパーソンに人気の資格。特に自己評価は、上位20位中もっとも高い3.61点を記録。続いて、英語資格から「TOEIC L&R800点台」(6.56点)が3位にランクイン。TOEIC800点台は「英語が使える」と認められるレベルで、外資系企業や海外部門への応募条件の目安に。

以下、4位「一般建築士」、5位「MOS(マイクロソフト認定オフィススペシャリスト」、6位「TOEIC L&R 900点台」、7位「技術士(建設部門)」、8位「簿記検定2級(日商)」、9位「中小企業診断士」、10位「証券アナリスト」がトップ10となった。

これから取りたい資格は?

  • これから取りたい資格ランキング

    これから取りたい資格ランキング

続いて、これから取りたいと考えている資格を教えてもらった。広く一般的に認知されている「スタンダード資格」では、経営コンサルティングの能力を示す国家資格「中小企業診断士」が1位に。以下、2位「TOEIC L&R900点台」、3位「簿記検定2級(日商)」と続き、転職時のアピールや将来の独立を考えた資格を目指す人が多いよう。

一方、2020年前後に生まれた新資格やデジタル系資格を集めた「トレンド資格」については、AIの基礎知識や業務利用の能力を認定する「AI検定」が1位を獲得。次いで、統計知識や活用力を評価する「統計検定」が2位に。3位には、データサイエンティストとして求められるスキル・知識を問う「データサイエンティスト検定(DS検定)リテラシーレベル」がランクイン。時代の変化に対応すべく、AIやデータ分析の専門知識や技能を磨きたい人が多くみられた。

「リスキング」人気分野は?

  • 取り組んでいる「リスキリング」分野

    取り組んでいる「リスキリング」分野

次に、学び直しを意味する「リスキリング」について調査を行った。その結果、リスキリングを「知らない」という人はわずか8%。約9割がリスキリングの必要性を感じており、すでに、59.3%の人が「取り組んでいる(自主的に+会社などの要請で)」ことが明らかに。

取り組んでいる分野を聞くと、「英語」(34.0%)が最も多く、次いで「IT・ウェブ」(22.4%)、「会計・財務諸表」(21.0%)、「ファイナンス(投資・資金)」(19.8%)が上位に。リスキリングの方法としては「専門書を購入して学習している」(53.4%)や「無料のYouTubeやブログなどのWEBコンテンツで学んでいる」(37.2%)が多く、有料のオンラインやアプリ講座を受講している人は27.0%、有料のスクールや大学・大学院に通っている人は5%ほどとなった。

一方、リスキリングに「取り組んでいない」と回答した人は39.1%。理由を尋ねたところ、「時間がない」(45.8%)、「何を学べばいいのか分からない」(34.8%)、「お金がない」(29.4%)が上位となったほか、「以前やっていたが現在は取り組んでいない」(7.8%)との回答も見受けられた。