アウトオブ眼中とは、昭和から平成にかけて流行った若者言葉です。そのため、特に30代後半より前の世代には意味が通じない可能性もあるでしょう。

本記事では、アウトオブ眼中の意味や元ネタについて解説します。使い方や例文も紹介していますので、アウトオブ眼中と言われて分からなかった人は、ぜひ参考にしてみてください。

  • アウトオブ眼中とは

    アウトオブ眼中という言葉について、意味や元ネタ、使い方などを解説します

アウトオブ眼中の意味とは

ここではアウトオブ眼中の意味と、流行った時期や由来、経緯について解説します。

アウトオブ眼中の意味は、眼中にないこと

「アウトオブ眼中」とは、眼中にない、つまり興味や関心がないこと、論外ということを意味します。

「out of」は、英語で「~から離れて」「~の中から外へ」といった意味合いです。

また、「眼中」は「見える範囲」「意識や関心が及ぶ範囲」を意味し、二つの言葉を組み合わせて新しく作られたスラングがアウトオブ眼中です。

スラングとは、仲間とコミュニケーションをとるときなどに使用する俗語です。一般的にアウトオブ眼中は、恋愛対象に入らない人や、興味のない人・ことなどを対象として利用できます。

ただし人に対して使う場合、「私はあなたに興味がない」と、相手を見下したような意味、煽るような意味合いを持つため、アウトオブ眼中を使用するときには注意が必要です。

アウトオブ眼中は、1980年代に流行した若者言葉

アウトオブ眼中は、1980年代に若者が習った英語を組み合わせて作ったのが由来といわれています。

アウトオブ眼中には明確な元ネタはありませんが、一説によると中高生や大学生を中心とした若者発祥の言葉とされているようです。

若者の間で徐々に浸透していき、1990年代後半に最も流行したといわれています。

アウトオブ眼中の元ネタは漫画『頭文字D』?

アウトオブ眼中は、漫画『頭文字D』が元ネタともいわれています。しげの秀一さん原作の『頭文字D』は、講談社出版の『ヤングマガジン』で1995年に連載が始まり、累計発行部数5600万部超(2022年時点)を誇る人気漫画です。

一説によると、この『頭文字D』に登場するキャラクターの岩城清次(いわぎせいじ)がセリフに使用したことで、アウトオブ眼中が広まったともいわれています。

とはいえ、1980年代にはすでにアウトオブ眼中が使用されていた観点からも『頭文字D』が元ネタというのは考えにくいでしょう。漫画の連載時期とアウトオブ眼中の流行した時期が一致しているため、当時の流行語をセリフに取り入れたとも考えられます。

なお頭文字Dでは、岩城清次が主人公のことを「興味がない」といった意味でアウトオブ眼中を使用していました。

主人公をバカにしたように言っている様子からも、アウトオブ眼中の本来の意味で使われていると判断できます。

アウトオブ眼中の使い方と例文

一般的にアウトオブ眼中は、興味がない対象をあしらうときに使用されます。

「あなたに興味がない」とはっきり言ってしまうと、キツイ印象を与えてしまいます。キツイ言い方を緩和するために「彼はアウトオブ眼中」などと、マイルドな表現になるよう変換しているのでしょう。

また、アウトオブ眼中は一般的には仲間内で使う俗語です。目上の人や初対面の人に対して使用すると失礼にあたりますので、使うのは控えましょう。

アウトオブ眼中の使い方を、例文で紹介します。

  • 私、肉食系が好みのタイプだから、草食系はアウトオブ眼中
  • バスケ部への入部を希望しているため、ほかの部活はアウトオブ眼中です
  • 自分は常にベストを尽くしているから、ほかの人の成績なんてアウトオブ眼中だよ

アウトオブ眼中は死語なの?

アウトオブ眼中は、2000年代以降ほとんど使われなくなったため、現在では死語だといわれています。

30代後半以降くらいの世代なら伝わる人が多いはずですが、若い年代の人に使っても意味が通じない場合もありますので、注意しましょう。なお、アウトオブ眼中と同じく昭和や平成に流行り、現在では死語となっている言葉をいくつか紹介します。

  • マブイ
    1980年代に流行した「美しい」という意味の言葉で、主に女性に対して使われていました。

  • チョベリバ、チョベリグ
    「超ベリーバッド(very bad)」「超ベリーグッド(very good)」の略で、「最悪」「最高」を意味します。1990年代に当時のギャルの間で流行しました。

  • 大丈V(だいじょうV)
    1990年代に流行した言葉で、指でVサインを作りながら「だいじょうV(ブイ)!」と言って使用します。「アリナミンV」のCMでアーノルド・シュワルツェネッガーさんが使っていました。

アウトオブ眼中とは、眼中にないことを意味するスラング

アウトオブ眼中とは、対象とするものに興味や関心がないことを意味するスラングです。1980年代に若者言葉として流行り始め、1990年代に幅広く浸透した言葉といわれています。

ただし、アウトオブ眼中は相手をバカにしたような意味を持つため、使い方には注意が必要です。

2000代以降は使用されなくなり、死語といわれているアウトオブ眼中ですが、ユニークな言葉でもあります。意味を知っておくのもいいでしょう。