シャープは12月14日、プラズマクラスターエアコンの最上位機種「Xシリーズ」新モデルを発表しました。最大の特徴は、国内家庭用エアコンとしては唯一、CO2(二酸化炭素)センサーを内蔵している点(2022年12月14日現在、シャープ調べ)。このセンサーを利用して、空気中のCO2濃度をもとに換気のタイミングや換気終了までの予測時間を教えてくれます。

ラインナップは2.2kW(6畳目安)の「AY-R22X」から8.0kW(26畳目安)の「AY-R80X2」まで全9モデル。価格はオープン、推定市場価格は310,000万前後~440,000円前後。発売日は2023年1月30日です。

  • シャープのプラズマクラスターエアコン、フラッグシップ「Xシリーズ」

    新製品のXシリーズ。室内機のサイズは幅798×奥行き373×高さ295mm

  • シャープの最上位エアコンということで、もちろんAIoT機能も搭載。「COCORO AIR」が天気情報をもとに先読み運転をしたり、運転データからユーザーが快適と感じる環境を学習したりといった機能があります

除菌アルコールを使っても正確な検知が可能なCO2センサー

コロナ禍になってから、感染リスクを減らすために定期的な換気が推奨されています。とはいえ、換気が必要なタイミングは部屋の大きさや機密性、部屋に居る人数などで変わってくるため、いつ換気すればわからないという人も多いのではないでしょうか。窓を開けて部屋の換気をすると、程度の差こそあれ、夏は暑くなり、冬は寒くなることが避けられません。いまは電気代も気になりますしね。

たとえば飲食店では、換気の目安を知る手段としてCO2センサーを導入することもあります。今回の新しいXシリーズは、エアコンの室内機にCO2センサーを内蔵。シャープの調べでは、CO2センサーの内蔵は国内の家庭用エアコンとしては業界唯一とのこと(2022年12月時点)。

  • 室内機カバーを開いた場所にある、横長のユニットがCO2センサー。CO2検知ユニットには複数の方式がありますが、Xシリーズは「光音響方式」を採用しています

Xシリーズに搭載されている光音響方式のCO2センサーは、経済産業省が推奨しているCO2検知方式。半導体方式のCO2センサーもよく見かけますが、揮発性の物質にも反応するため、除菌アルコールを誤検知することがあるそうです。光音響方式のCO2センサーは、CO2濃度のみをピンポイントで検知します。

  • センサー近くにアルコール消毒した手を近づけると、市販の半導体式CO2センサー(写真左)は検知最大値である5,000ppmを超えてしまいました。Xシリーズ(写真右)のCO2計測値は650ppmと、アルコールに引きずられないCO2濃度が表示されています

XシリーズでCO2濃度を知る方法は3種類。ひとつはエアコン室内機のLEDです。通常時はランプが緑色、厚生労働省が換気を推奨する1,000ppm以上になるとオレンジ、1,500ppm以上の高濃度になると赤色に点灯します。また、アプリやリモコンでCO2濃度を数値で知ることも可能です。

  • 室内機の「CO2」とあるランプの色によって、CO2濃度を3段階でお知らせ

  • 専用アプリやリモコンなら、CO2濃度の細かな数値を確認できます

換気を始めるタイミングと終了タイミングをわかりやすくサポート

CO2濃度の計測と通知に加えて、シャープ独自のAIoTが換気のタイミングや換気終了して窓を閉めるタイミングを通知。換気の途中には、CO2濃度の変化時間をもとに換気終了までの予測時間も教えてくれます。部屋のCO2濃度が1,000ppm以下になると「お部屋の空気が新しい空気に入れ替わりました」とアナウンスされるので、窓を閉めて換気終了です。

【動画】部屋のCO2濃度が1,000ppmを超えると「お部屋のCO2濃度は●●ppmです。少し空気がこもっているようです。換気しませんか?」とアナウンス。窓を開けてCO2濃度が下がってくると「お部屋のCO2濃度が下がり始めました」と話します。本来ならここで「換気時間の目安はおよそ●分です」という換気終了までの時間予測アナウンスが入るのですが、今回は試作機のデモンストレーションということで予測時間の発話はなし。最後にCO2濃度が一定以下になると「お部屋の空気が新しい空気に入れ替わりました」とアナウンスして終了します
(音声が流れます。ご注意ください)

新Xシリーズは、換気タイミングのお知らせするだけではありません。換気しているタイミングをエアコンが自動判別することで、「換気連動運転」もできるようになりました。

たとえば、冬の暖房中に窓を開けると部屋の温度が下がります。エアコンは通常、換気中には強いパワーで暖房運転します。ただし暖房を強力にしても換気中の温度低下は止められないので、窓開け中のパワフルな運転は消費電力がムダになりがちです。

Xシリーズの「換気連動運転」は、窓開け中も運転パワーを上げずに維持。エアコンが換気終了を検知してから、パワフルな運転をスタートします。この制御によって、消費電力を最大15%ほど削減できるそうです。

  • 換気が終わってからエアコンのパワーを上げることで、室温の速い回復と消費電力の削減を図ります

「しっかり掃除」ができるシャープの人気機能も継続

新しいXシリーズには「換気」に注目した機能が追加されましたが、従来モデルでも人気の機能は引き続き備えています。

シャープのフラッグシップエアコンといえば、除菌・除臭ができるイオン「プラズマクラスター」が特徴的。Xシリーズは、このプラズマクラスター濃度が圧倒的に高い「プラズマクラスター NEXT」を採用して、部屋に向けてプラズマクラスターを送風できます。エアコン停止中でも、カビが発生しやすい高温・多湿の環境になると、自動的にエアコン内部にプラズマクラスターを放出。エアコン内部にカビが発生することを抑制します。

  • 高い濃度のプラズマクラスターを用いて、雑菌やカビ菌、嫌なニオイなどを抑制します

このほか、風の経路(エアコン内部)に防カビ性能のある素材などを採用した「風クリーンシステム」、ルーバーやパネルまで工具いらずで取り外せて掃除しやすい「かんたんお手入れ構造」もあります。季節の変わり目に「エアコンを自分でしっかり掃除したい」というユーザーにうれしい仕様です。

【動画】まず、室内機の送風口付近にあるロングパネルとルーバーを取り外し、続いて本体正面のカバーを開きます。自動お掃除ロボのダストボックスを外したら、プレフィルター、掃除ブラシを抜いて終了。ルーバー、ダストボックス、フィルター、掃除ブラシは水洗い可能です
(音声が流れます。ご注意ください)

  • パーツを外したら、エアコン内部の奥までモップで直接掃除できます

Xシリーズ新モデルは、CO2センサーや換気連動運転という「換気」に注目した新機能を搭載。換気するタイミングや、窓を開閉するタイミングをサポートすることで、コロナ禍の換気によくある悩みを解決してくれます。最近は換気機能を持ったエアコンが増えていますが、シャープは「窓開け換気のほうが空気の入れ換え量が多く、換気としての信頼性が高い」ということから、あえて「窓開け換気」にこだわった機能を採り入れたそうです。

今回のモデルチェンジでは、換気機能が追加された以外は前モデルとほぼ同じ仕様。シャープのXシリーズはプラズマクラスターやお手入れ性の高さ、AIoTによる賢い分析・学習性能などを搭載することで、ファンを獲得しています。新しいXシリーズはCO2センサーの内蔵によって、ほかとはさらにちょっと違うエアコンになりました。