LGエレクトロニクス・ジャパンは11月1日、ペットを飼っている人向けの機能を充実させた空気清浄機「LG PuriCare Pet(エルジー・プリケア・ペット)」を発表しました。

11月14日から発売し、価格はオープン、推定市場価格は119,000円前後です。カラーはホワイトとシルバーの2色。プレス向け新製品発表会にて実機を見てきました。

  • LG PuriCare Pet(写真はシルバー)が登場します。ペットを飼っている人向けということで「犬の鳴き声「ワンワンワン」の語呂合せで制定された「犬の日」に合わせて発表したとのこと

    LG PuriCare Pet(写真はシルバー)が登場します。ペットを飼っている人向けということで「犬の鳴き声「ワンワンワン」の語呂合せで制定された「犬の日」に合わせて発表したとのこと

  • LG PuriCare Pet(ホワイト)。横に並ぶとこれくらいのサイズ感です(台の上に載っています)

LG PuriCare Petは、同社が2019年2月から日本市場向けに販売した空気清浄機「LG PuriCare」に続いて第2弾となる空気清浄機。従来モデルのLG PuriCare(現在は販売終了)は高さ約1mの円柱状で、側面全体に空気を吸い込む吸気口を配置。360度全方位から均等かつ効率的に吸気して、内部のフィルターで空気をきれいにします。適用床面積が最大63畳と、広い家にも1台で対応できるパワフルな性能も特徴でした。

  • 従来モデルのLG PuriCare。高さが1m以上とかなり背が高い空気清浄機でした

新モデルのLG PuriCare Petは、ペットを飼っている人向けの機能を強化しつつ、高さを58.7cmに縮小するなど大幅にコンパクト化しました。まず、従来モデルLG PuriCareから引き継いだ空気清浄機としての性能を2つ紹介します。

  • LG PuriCare Pet。本体サイズはW343×D343×H587mm、重さは約11.6kg、適用床面積は最大で61.2平方メートル(37畳)。運転音は30~61.2dB

360度全面から強力に収集・清浄

一つ目は、ボディ側面360度から汚れた空気を吸引して効率よく清浄する点。一般的な空気清浄機は、前面にある吸気口から汚れた空気を吸い込みます。LG PuriCare Petは、円柱状の本体側面にぐるりと設けた大量の穴「エアーホール」から室内の汚れた空気を吸い込み、内部のフィルターを通してキレイにして上部の排気口から排出します。

  • ボディ全面に配置するエアーホール

360度全方向から吸引することにより、室内のどこに置いても効率的に空気をキレイにできます。空気清浄機を部屋の真ん中に設置する場合は少ないかもしれませんが、ペットケージの近くや空気の通りが良い場所など、置き場所の自由度が高いのは360度吸気のメリットです。

お手入れ簡単な3層フィルター

空気をキレイにするフィルター部は3層構造。外側から、ペットの抜け毛やほこりなどの比較的大きなゴミを除去する「プレフィルター」、PM2.5など0.1μmの微細粒子を99.9%除去する「HEPA抗菌フィルター」、ニオイをキャッチして分解する脱臭用の「光触媒フィルター」を採用しています。

  • プレフィルター。薄い網状でペットの絵が印刷されています

  • HEPA抗菌フィルター

  • 光触媒フィルター

好印象だったのはフィルターのお手入れが手軽だったこと。マグネットでくっついている本体カバーを外し、持ち手を引っ張ると、3つのフィルターが一体化したパーツを引き出せます。外側のプレフィルターは外して水洗いし、2層目のHEPA抗菌フィルターは掃除機か柔らかいブラシを使ってほこりを取り除きます。分解にかかる時間は10秒ほどでした。取り外した円柱型のフィルター部は、横向きに置いて転がしながらハンディクリーナーなどで掃除します。

  • マグネット式なので「パカッと」簡単に外れます

  • 持ち手を引き出すとフィルター部が出てきます

  • プレフィルターは面テープで固定されています。着脱は簡単です

最も内側にある光触媒フィルターは、長期間使うと脱臭性能が落ちますが、定期的に太陽光や蛍光灯などの光に30分程度当てると、脱臭性能が回復。光に当てておけばいいので、プレフィルターを水洗いして干している間にベランダへ出しておくと、プレフィルターが乾くころには光触媒フィルターも脱臭性能が復活しています。

なお、プレフィルターは何度か水洗いをすると除去性能が落ちるため、定期的な交換が必要。製品に6枚付属(装着済み含む)するため、水洗いしながら使いまわしてしばらくの期間使えます。

HEPA抗菌フィルターと光触媒フィルターは一体型のため、分解はできません。両フィルター(HEPA抗菌フィルター+光触媒フィルター)の交換目安は約3年間としており、交換用フィルター(HEPA抗菌フィルター+光触媒フィルターにプレフィルターも付属)は、LGエレクトロニクス・ジャパンのカスタマーセンターから9,900円で購入可能です。

  • 光が当たる場所でこのように置いておくと脱臭効果が回復するとのこと

部屋のすみずみまで届くシューティングエアー機能

二つ目は、本体上部にサーキュレーターを備え、空気清浄と連動させて行う「シューティングエアー」機能。シューティングエアー機能は、ファンが左右180度に首振りしながら、キレイになった空気を斜め上に向けて送る機能です。キレイな空気を広い範囲に届けて室内の空気を循環させることで、汚れた空気を近くに寄せて、より効率的に清浄します。

  • 上に向けてキレイな空気を送る空気清浄機と空気の広がり方が違います

  • 本体上部のファン。角度の調節はできません

  • キレイになった空気が本体上部の排気口から送られて、ファンで広範囲に届けられます

におい・抜け毛を一気に解決するペットモード

ここからは新機能。ペットを飼っている人向けに、ペットの抜け毛やにおい対策に特化した「ペットモード」を新しく備えました。ペットモードに切り替えると、最大出力で30分間、空気中に舞うペットの抜け毛やアレル物質、ペット臭を空気とともに集めて、きれいな空気を最大風量でサーキュレーターから届けます。30分経過後は出力を落とし、オートモードと同様の運転を行いますが、センサーがペットの排せつなど空気の汚れを検知した場合は、再び高出力に切り替わります。

  • 左がPM1.0レベルの微細な粒子まで細密に感知する「PM1.0センサー」、右はにおいなどを検知するガスセンサー。PM1.0センサーは定期的に綿棒などでお手入れする必要があります

ペットモードの最大出力時は、オートモードと比較すると、空気中に漂っている微細な抜け毛を約30倍集じん。さらにペット臭と、ほこりや花粉、アレルギーの原因になるアレル物質を99%除去することにより、清潔な空間を保ちます(ペット臭:暮らしの科学研究所調べ、アレル物質・抜け毛:Environmental Allergens Info and Care, Inc.調べ)。

  • 猫を飼育している人が1カ月間ペットモードで使用した製品のフィルター。床に落ちているような長い抜け毛ではなく、空気中に浮いている、目に見えないホコリのような抜け毛を大量に捕集しています

このほか、天面部のファン中央にタッチ操作のスマートディスプレイを搭載しており、ほこりやニオイの状況を色とイラストで詳細に表示。付属のリモコンやスマホアプリからの操作にも対応しており、自宅のWi-Fi環境に接続しておけば、外出先からのモード切替や電源オンオフができます。

  • 本体天面のスマートディスプレイ

  • 表示する色と数値をまとめた表

  • ホコリが多いときは表示が赤くなるため、部屋の空気の状態が一目でわかりますね

  • 同梱するリモコン

  • アプリからの操作に対応

今回発表されたLG PuriCare Petは、特に室内でペットを飼っている人にとって、かなり魅力的な製品でした。

個人的に惹かれた点は二つあり、一つ目がにおいを99%除去できるとしていること。においがなくなるのは当然うれしいものですが、加えて筆者はペット可の賃貸物件に住んでおり、部屋にペットのにおいが染みつくと、引っ越し時に別途クリーニング料金がかかる契約になっています。LG PuriCare Pet自体は高価ではあるものの、このような出費を避けられるのであれば、購入を検討する価値が大いにあるでしょう。

二つ目はお手入れが手軽なこと。空気清浄機のお手入れは必須ですが、本音はやっぱり面倒……。LG PuriCare Petの内部フィルターは手軽に取り出せて、掃除機と水洗いによって短時間でメンテナンスできるため、お手入れ性の良さは長く使っていく上で大切なポイントです。