しくみデザインは、横浜みなとみらい21地区にある「資生堂グローバルイノベーションセンター(S/PARK エスパーク)」で、親子向けワークショップを8月5日・6日に開催した。"美のひらめき"をテーマに本ワークショップでは、同社のプログラミングアプリ「Springin’(スプリンギン)」を使ってメディアアートを作成。参加者たちが制作したメディアアートを横幅約20メートルの大型スクリーンに投影した。

  • しくみデザイン親子向けワークショップ「プログラミングアプリで、メディアアートをつくろう!」の様子

累計100万ダウンロード数を達成

しくみデザインは、2005年に福岡で誕生したユーザー参加型コンテンツのパイオニア企業。新世代楽器アプリ「KAGURA(カグラ)」や、コーディング不要でゲームを作れるスマホアプリSpringin’を開発し、国内外でのアワードを多数獲得している。

Springin’は、子どもから大人まで誰でも簡単にデジタル作品をつくって共有することのできる、クリエイタープラットフォーム。描画ツールや音声エディタ、直感的なビジュアルプログラミングといった機能を備え、スマホやタブレットを使い、絵や写真に音や動きをつけることで、ゲームなどのオリジナル作品を自分でつくりだせる。

プログラミング教育の現場などでの利用が進み、累計100万ダウンロード数を達成。教育機関などに「Springin’ Classroom」を提供しており、2020年度には全国の小学校でプログラミング教育の充実化を図る取り組み「みらプロ」に採択された。

今回のワークショップは、小学3年生以上が対象(上限なし)。親子での参加ができ、1日2回、2日間で計4回が実施された。参加費は無料で、90分のワークショップは参加者たちが最初の30分ほどでメディアアートの作り方を学び、40分ほどの自由創作の後、それぞれ作品を発表するという流れ。

  • プログラミングアプリ「Springin’(スプリンギン)」を使ったメディアアートの作り方を学ぶ

一口にメディアアートにもさまざまな表現があるが、この日は「アイテム」と呼ばれる図形やイラストを画面に配置し、一定の動きを規則的に繰り返すプログラムを用いることで、スクリーンセイバーのアニメーションのような作品を製作した。

自由研究にもぴったりなツール

ワークショップではまずレクチャーされたのは、自分でアイテムを描く方法。色合いや透過性を調整する「パレット」や、ペンの太さを変える「スライダー」といった機能で絵を描く方法、「図形ツール」や「塗りつぶしツール」の使い方を学んだ。

  • 自分でアイテムを描く

アイテムのサイズや傾きの調整も自在で、綺麗な図形をつくったり、やり直しやコピー・編集をしたりすることも簡単なことがデジタルの利点のようだ。

また、「多彩な属性メニューで絵や図形にいろいろな性格や機能を持たせ、その組み合わせやアイテム同士の関係性によって、さまざまな作品を作れることがSpringin’の特徴」(しくみデザイン担当者、以下同)とのことで、画面にアイテムを固定する「ピン留め」や描いた線通りにアイテムを動かすことができる「移動」など、アイテムに属性を与えて動かす方法も紹介された。

  • 早くも機能を使いこなす子どもたち

色違いのアイテムなども簡単につくれるSpringin’だが、コピー機能を使うと、動きや属性といったプログラムもコピーすることが可能。それぞれに絵や図形に同じ動きや属性を簡単に付与できるため、ひとつのアイテムをコピー&編集していくだけでも、工夫次第でおもしろい、綺麗なアニメーションをつくりやすいようだ。

  • くり返しでアニメーションが完成

レクチャーによってアイテムが回転しながらコピーを繰り返し、延々とアイテムが量産され、一定の方向に流れていくという、ベルトコンベアのようなアニメーションが完成すると、いよいよ自由創作の時間に。

この日は初めてSpringin’に触れた参加者も少なくなかったようだが、子どもたちは飲み込みが早く、40分ほどの創作時間で独自にストーリー性を持たせた作品など、実に多彩な作品を生み出していた。

  • 子どもたちによる自由創作

  • 多彩な作品が続いた

「今日皆さんは形や動きの設定といった、けっこう高度なプログラミングをやりました。デジタルを使うと、紙に絵を描くだけではできない動きを簡単につくれます。Springin’というアプリはどんな風に触っても絶対に壊れません。属性アイコンはいっぱいあるので、いろいろ触ってみると発見もあると思います。なので、怖がらずにどんどん触ってみてください。絵と絵の関係性やストーリー性を考えていくと、ゲームや絵本もつくれます」

  • デジタルで紙に絵を描くだけではできない動きが簡単に

Springin’で製作した作品はアプリ内の「マイワーク」に保存でき、「マーケット」を通じて、他ユーザーに配信することも可能だ。Springin’のマーケットにはこれまで18万作以上の作品がアップされており、年齢・性別・国籍も多様なユーザーが集まるプラットフォームになっている。

Springin’では、さまざまな作品募集企画やサポーター企業とのコラボコンテストなども随時開催している。現在は夏休みに合わせた自由研究コンテストと、「カインズ」が主催するペットをテーマにしたコンテストを開催中だ。

「プログラミングというテーマだけでも自由研究のネタになると思うので、こうしたコンテストにもぜひ挑戦してみてください。絵を描いてストーリーを考えることで、自分の好きなものを、どんどんつくれるようになるので、これからもSpringin’でぜひ遊んでほしいなと思います」