この暑さは一体何なんだ……。40℃以上は「酷暑日」、夜30℃以上は「超熱帯夜」と気象協会が新たに命名せざるを得ないほど、無茶な暑さが常態化している。

もうムリムリ。身体を動かす気にもなれないし、食欲だって自然と落ちてくる。とはいえ、ちゃんと食べるものは食べないと、夏バテで身体がやられてしまう。では、何なら美味しく食べられて、栄養も摂れるだろうか。

そんなことをボ~っと考えているときに通りかかったのが「華屋与兵衛」である。

「ああ、ここならきっと、何かさっぱりしたものが食べられるだろう」。そう思ってフラッと入ってみたところ……猛暑だろうと酷暑だろうと美味しく食べられる、めちゃくちゃナイスなメニューを発見してしまった!!

夏に身体が欲していたのは「すだちそば」だった!

華屋与兵衛は関東の首都圏を中心に店舗展開をする和食ファミレスチェーン。その屋号は江戸時代の江戸前寿司の第一人者に由来する。その名に恥じず、寿司や海鮮丼に始まり、蕎麦やうどん、天ぷら、しゃぶしゃぶなど、あらゆる和食を高いクオリティで提供する優良チェーンで、「何を食べたいかわからないときは、とりあえず華屋与兵衛に入っておけば間違いない!」と思える、何かと頼れるお店のひとつである。

季節限定メニューも豊富に展開しているので、きっと今は夏に嬉しい料理がラインナップしているに違いない。

えーっと、これかな。

どんなメニューになっているのかなぁ~っと。

なるほど、「北海道産ほたての海幸丼」(1,639円)か。この時期のほたてはまさに旬の食材で、貝柱が大きく、めちゃくちゃ美味しく食べられると言われているらしい。これは絶対に美味しいだろうなぁ。北海道産ほたての他にも、まぐろ、まぐろのたたき、イカ、本ずわい蟹のほぐし身、貝柱、サーモンハラス、えび、いくら……と、めちゃくちゃ豪華な食材が使われているらしい。く〜、今日はこれにするか?

ああ、この「特上豪華天丼」というメニューも豪華で美味しそうだ。えび天、穴子天、なす天、舞茸天、カボチャ天、カニカマ天、いか天、レンコン天、オクラ天、温泉玉子天が入って……えっ、1,419円!?こんなに盛りだくさんの内容でこの値段って、めちゃくちゃコスパ高くない?2,000円くらい取られてもおかしくない気がするけど。やっぱりこれにしようかな。

……んっ?

すだちそばか……。これまで見てきた中では一番シンプルだけど、一番そそるかも。この酷暑で食べるすだちそばは100%美味いでしょ。例えるなら、銭湯上がりに飲むフルーツ牛乳のような。もしくは真冬の屋台で食べる中華そばのような。

暑すぎる夏には、すだちそばこそがベストマッチな選択なのではないか?絶対にそうだ。身体が欲しているのがわかる。すみません、すだちそばくださーい!

おお~……!!

めっちゃくちゃ美味そう!!インスタグラムなどで何度も見かけたことはあるけど、実際にすだちそばを食べるのは初めて。フォトジェニックだし、すだちの綺麗なグリーン色が食欲を刺激する……!

じゃあ、まずはスープから。ズズズッ。

超~美味い!!!!夏バテ気味の身体に沁み渡る~!!

キリッと冷えた鰹出汁ベースのスープはとても上品な風味で旨みも豊か。蕎麦の専門店かと思うほど完成度が高い。華屋与兵衛はちゃんと一番出汁を使っていると聞くが、マジでクオリティ高いな。

そして、この無数に散りばめられたすだちの酸味がしっかり効いている。しっかり酸っぱいのだがちょうどいいというか、嫌な尖り方などはしていない。程よい酸味とすだち特有の爽やかな香りが食欲をそそりまくる。これだよこれ。この酷暑は、こういう食事が食べたかったんだよ!

麺もきゅっとした歯ごたえがあって美味!二八蕎麦ということで、蕎麦粉の風味もしっかり堪能できる。すだちのさっぱりスープもよく絡んでめちゃくちゃ美味しい。こんなの、いくらでも食べられそうなんですけど……!!

ちなみに、すだちと蕎麦を一緒に食べると、さすがにすだちの酸味と皮や種の苦味が強烈すぎて、蕎麦そのものの美味しさがかき消されてしまう感じがした。ググってみると、すだちは基本的に食べないでいいらしい。もちろん、好みの問題なので、食べるも食べないも好きにすればいい気がする。個人的には別々で食べるか、箸を使ってスープにすだちを絞り、すだち成分を溶け込ませるのが正解な気がした。

すだちの栄養成分としては、ビタミンCやクエン酸が豊富で、クエン酸含有量はレモンの2倍。すだち1個分の果汁で1日の摂取目安量をまかなえるほどだという。夏バテ解消や疲労回復にもってこいである。また、ビタミンA、カリウム、カルシウムも多く含むなど、とても栄養素に優れた果実なのだそうだ。もちろん、今がまさに旬の真っ只中。そりゃあ美味いわけだ。

すだちそばは、いつでもどこでも食べられるというものでもない。オシャレな蕎麦屋なら夏季限定で出しているかもしれないが、そうでない店のほうがきっと多いだろう。その点、チェーン店の華屋与兵衛であれば、近くの店舗に行けばいつでも自由に味わえる。

夏バテ気味で食欲もない人は、ぜひ近くの華屋与兵衛へ。もちろん、夏バテ知らずの食欲旺盛な人でも、美味しく食べられるはずだ。