世界中に多くの熱狂的なファンを持つ、架空の有名スーパーヒーロー・チームの活躍を描いた映画「X-MEN」シリーズ。

さまざまな超能力を持つ個性豊かなミュータントたちが、そのパワーを駆使して壮絶なバトルを繰り広げる迫力ある戦闘シーンに加え、ミュータントであるが故の苦悩や悲しみ、やり場のない怒りなどの心理描写の繊細さも大きな魅力です。これまでに派生作やTVシリーズなども含め、多くの作品が製作されています。

そんな「X-MEN」ですが、シリーズ中での時間経過が複雑化したこともあり、「X-MEN」初心者からは「どの作品から見たらいいのか、よくわからない」という声も耳にします。そこでこの記事では、「X-MEN」シリーズの映画作品の紹介と見る順番&時系列について解説します。

  • 「X-MEN」シリーズに登場するウルヴァリンを演じたヒュー・ジャックマン(中央)

    「X-MEN」シリーズに登場するウルヴァリンを演じたヒュー・ジャックマン(中央)

映画「X-MEN」シリーズを見る順番

映画「X-MEN」シリーズを見るにあたり、まずは公開順と時系列順を把握しておきましょう。

映画「X-MEN」シリーズの公開順

まずは各作品の公開の順番を確認してみましょう。

  • (1)『X-メン』(2000年)
  • (2)『X-MEN2』(2003年)
  • (3)『X-MEN:ファイナル ディシジョン』(2006年)
  • (4)『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009年)
  • (5)『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011年)
  • (6)『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013年)
  • (7)『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014年)
  • (8)『デッドプール』(2016年)
  • (9)『X-MEN:アポカリプス』(2016年)
  • (10)『LOGAN/ローガン』(2017年)
  • (11)『デッドプール2』(2018年)
  • (12)『X-MEN:ダーク・フェニックス』(2019年)
  • (13)『ニュー・ミュータント』(2020年)

上記のうち、(1)(2)(3)を「X-MEN」旧三部作(オリジナル三部作)、(5)(7)(9)(12)を「X-MEN」新シリーズと呼びます。それとは別シリーズとして(4)(6)(10)の「ウルヴァリン」シリーズと(8)(11)の「デッドプール」シリーズ、さらにスピンオフとして(13)の「ニュー・ミュータント」があります。こちらについては後ほど解説します。

映画「X-MEN」シリーズの時系列順

次に上記の作品を時系列に並び替えてみます。( )内は物語の舞台となる時代設定です。

  • (1)『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(1845年~1979年)
  • (2)『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(1962年)
  • (3)『X-MEN:フューチャー&パスト』(1973年:過去パート)
  • (4)『X-MEN:アポカリプス』(1983年)
  • (5)『X-MEN:ダーク・フェニックス』(1993年)
  • (6)『X-メン』(2000年代初め)
  • (7)『X-MEN2』(2000年代中盤)
  • (8)『X-MEN:ファイナル・ディシジョン』(2000年代末)
  • (9)『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013年)
  • (10)『デッドプール』(2016年)
  • (11)『デッドプール2』(2018年)
  • (12-A)『X-MEN:フューチャー&パスト』(2023年:改変前の未来パート)
  • (12-B)『X-MEN:フューチャー&パスト』(2023年:改変後の未来パート)
  • (13)『LOGAN/ローガン』(2029年)

上記のうち、なんといっても目につくのは2014年公開の『X-MEN:フューチャー&パスト』です。時系列で見たときに、同作は(3)(12-A)(12-B)の3つの時代に絡んでいることがわかります。

「X-MEN」シリーズを見るおすすめの順番とは

さて、それでは「X-MEN」シリーズを鑑賞する際の順番は公開順がいいのでしょうか。それとも時系列順が適しているのでしょうか。結論から先に言うと、「X-MEN」シリーズは公開順に見るのがおすすめです。すなわち、旧三部作から見るという方法です。

時系列順で見ることを推奨しない理由は2つあります。

【時系列順は混乱を招く可能性がある】

まず旧三部作は、公開時における「現在、あるいは近未来における進行形」の物語であるため、時系列云々に気を遣う必要はありません。また、ウルヴァリンやプロフェッサーX、ジーン・グレイ、ストーム、ヴィランのマグニートーやミスティークらの活躍を主軸に描く作風なので、それぞれのキャラクターの個性や能力などを把握するのにも役立ちます。

【時系列順は作品の連続性が感じにくい】

もし時系列順に見ると『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』から新シリーズ第1作の『ファースト・ジェネレーション』へとつながっていきます。ウルヴァリンは旧三部作におけるメイン・キャラクターでありますが、『ファースト・ジェネレーション』にはほとんど登場しません。そのため、作品としての連続性が感じにくいという懸念があります。

その意味でも、旧三部作でウルヴァリンの性格や生き方、ミュータントとしての能力など基本的な情報を把握しておいた方が、後の作品をより楽しめるはずです。

「X-MEN」の時系列に矛盾が生じる原因

上述のように「X-MEN」の時系列がややこしい理由は、『X-MEN:フューチャー&パスト』にあります。同作の中で行われた「タイムリープ」によって、複雑なタイムランが生じることになりました(※なお、以下の記述には若干のネタバレを含みますので、閲覧の際にはご注意ください)。

この『フューチャー&パスト』は、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』に続く「X-MEN」新シリーズ第2作であり、主な舞台は『ファースト・ジェネレーション』から約10年後の1973年となります。こちらが「過去パート」です。

2023年、人類が開発した対ミュータント用のロボット軍隊「センチネル」の攻撃によって壊滅の危機にあったミュータントたち。ミュータントを支援する一部の人間も抹殺の対象となっています。

生き残ったミュータントたちはウルヴァリンの精神を過去へタイムリープさせ、センチネル誕生のきっかけとなったある事件を防ぐことで歴史を改変し、危機を回避することを画策します。ここまでが「改変前の未来パート」となります。

1973年の世界で、自身の肉体に憑依するかたちで目覚めたウルヴァリン。彼の奔走と、さらに73年当時のプロフェッサーXやマグニートーらの協力により過去は書き変えられ、ミュータントの滅亡は回避されることになりました。ウルヴァリンの意識は2023年に戻り、命を失ったはずのミュータントたちも復活し、世界は平穏な日常を取り戻しています。こちらが「改変後の未来パート」です。

こうして「X-MEN」の世界は、歴史改変前のミュータントが滅亡の危機に瀕したままの元のタイムラインに加え、改変後(1973年にウルヴァリンによって変えられた、未来としての現在)の新たなタイムラインが誕生することになったわけです。このあたりが時系列に関する混乱と矛盾を招く要因と言えそうです。

老境に差し掛かったプロフェッサーXと、彼の宿敵・マグニートー。そして青年時代の両者。『フューチャー&パスト』には旧三部作と、『ファースト・ジェネレーション』の両方のキャストが出演しています。このことからもわかるように、旧三部作の最終作『X-MEN:ファイナル ディシジョン』と、新シリーズの1作目『ファースト・ジェネレーション』の両作品の続編としての性格を持つことになりました。

つまり、『フューチャー&パスト』の1973年のシーンは前作『ファースト・ジェネレーション』から連なっており、2023年のシーン(改変前の未来パート)は『ファイナル ディシジョン』の続編となっているわけです。

ちなみに、歴史改変後の未来パートに関しては「X-MEN」の直接の続編は製作されていません。「ウルヴァリン」三部作の最終作『LOGAN/ローガン』で描かれる2029年の世界は、新旧どちらのタイムラインのものかは明示されていません。解釈次第で、どちらにも連結する可能性がありそうです。

この『フューチャー&パスト』はシリーズの中でも重要な位置づけの作品なのですが、同時に2つの時間軸が存在している同作こそが、「X-MEN」シリーズを鑑賞する際の「順番」という点で大きな混乱をもたらしていると言えそうです。

『X-MEN』シリーズ各作品のあらすじとキャスト

続いて各作品の内容とキャスト、マイナビニュース会員による視聴コメントを公開順に沿って紹介していきましょう。

『X-メン』

そのパワーゆえに人類に危険視され、迫害されているミュータントたち。世界最強のテレパスであるプロフェッサーXは人類との共存を目指し、ミュータント組織「X-MEN」を創設する。一方、放浪生活を送っていたローガン(ウルヴァリン)はある日、孤独な家出少女・ローグと出会う。彼らもまた、人類を遥かに凌ぐ能力を持つミュータントだった。やがて2人は「X-MEN」と、人類滅亡を企むプロフェッサーXの宿敵・マグニートー率いる悪のミュータント組織との壮絶な戦いに巻き込まれていく。

監督/ブライアン・シンガー
脚本/デヴィッド・ヘイター
出演/パトリック・スチュワート、ヒュー・ジャックマン、ジェームズ・マースデン、ファムケ・ヤンセン、ハル・ベリー
公開年/2000年

コメント

  • 「このシリーズを今後も見るきっかけになった作品。面白かったし、主人公もかっこよかったです」(47歳女性)
  • 「異能バトルの元祖で、テクノロジ-や突然変異といった男心をくすぐる要素も満載で、登場人物の数を厳選しているところが見やすくなっていて感動しました」(61歳男性)
  • 「初代が登場キャラクター、ストーリーなど最も凝っていて面白かった」(42歳男性)
  • 「昔、映画館のスクリーンでドキドキしながら大好きな人と見た懐かしい思い出のある作品なので」(60歳女性)
  • 「やはりヒュー・ジャックマン演ずるウルヴァリンが最高にかっこよくてはまってしまった。また、決して超人であるだけでなく、超人であるがゆえの悲哀が描かれているのがよい」(62歳男性)
  • 「シリーズの最初の作品であり、ストーリーも直接的でストレートに作品の訴求ポイントがわかりやすく、多世代の家族で楽しめたから」(61歳男性)

『X-MEN2』

宿敵・マグニートーによる人類抹殺計画を阻止することに成功した「X-MEN」だが、その喜びも束の間、瞬間移動能力を持つミュータント・ナイトクローラーによる大統領暗殺未遂事件が発生した。対ミュータント対策本部顧問のストライカーは策を弄してプロフェッサーXを拘束し、彼の脳波を利用して全世界のミュータントの抹殺を企てる。一方、マグニートーもこの機に乗じて人類殲滅を画策。ウルヴァリンら「X-MEN」は、ミュータントと人類の共存を目指し、壮絶な戦いを挑んでいく。

監督/ブライアン・シンガー
脚本/マイケル・ドハティ、ダニエル・P・ハリス、ブライアン・シンガー
出演/パトリック・スチュワート、イアン・マッケラン、ヒュー・ジャックマン、ジェームズ・マースデン、ファムケ・ヤンセン
公開年/2003年

コメント

  • 「戦闘シーンの迫力があったから」(44歳男性)
  • 「普通2作目は前作を上回ることができない作品が多い中、この作品は前作を上回る出来だったから」(48歳男性)
  • 「ヒュー・ジャックマンがかっこよすぎる。ストーリー的にも一番面白い」(31歳女性)

『X-MEN:ファイナル ディシジョン』

プロフェッサーXの片腕であったジーン・グレイを失い、弱体化が進む「X-MEN」。そんな中、ある天才科学者がミュータントの超能力を無効化する新薬「キュア」を開発した。「X-MEN」を含むミュータントたちは、この薬によって普通の人間となるか、あるいはそのまま生き続けるかという究極の選択を迫られる。一方、マグニートーはこの薬を危険視し、キュア根絶を画策。ミュータント同士の対立はやがて、ミュータントと人類との全面戦争へと発展していく。

監督/ブレット・ラトナー
脚本/ザック・ペン、サイモン・キンバーグ
出演/パトリック・スチュワート、イアン・マッケラン、ヒュー・ジャックマン、ハル・ベリー、ファムケ・ヤンセン
公開年/2006年

コメント

  • 「最後のシーンまで心臓がバクバクするほど面白いから」(37歳男性)
  • 「人類とミュータントとの壮絶な戦いが、見ごたえがあった」(65歳男性)
  • 「三部作の最後を飾る豪華な出演陣」(63歳男性)

『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』

不死身の肉体と鋭い爪による高い戦闘能力を持つローガンと、その兄・ビクター。2人は150年以上の間、共に生きてきたが、ある出来事をきっかけに袂を分かつ。愛する女性・ケイラと共に平穏に暮らしていたローガンの元にかつて所属していた特殊部隊の長・ストライカーが現れ、殺人鬼と化したビクターを制圧するように依頼する。ローガンは申し出を拒絶したが、ビクターの魔の手はケイラへと迫っていた。「X-MEN」屈指の人気キャラクター・ウルヴァリン誕生の秘密がいま明かされる。

監督/ギャヴィン・フッド
脚本/デイヴィッド・ベニオフ、スキップ・ウッズ
出演/ヒュー・ジャックマン、リーヴ・シュレイバー、ダニー・ヒューストン、リン・コリンズ、テイラー・キッチュ
公開年/2009年

コメント

  • 「迫力があってスケールの大きな映像美に感動しました。スリルのある先の読めない展開も気に入っています」(33歳女性)
  • 「ウルヴァリンの誕生秘話が明かされ、彼の悲しい過去が浮き上がり心がひかれたからですね」(63歳男性)
  • 「ストーリー展開とバトルシーンやアクションが好きだから」(43歳男性)

『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』

1960年代。強力なテレパスのチャールズ(後のプロフェッサーX)は、金属を自由に操れるエリック(後のマグニートー)と出会う。親友となった彼らは、自分たちのようなミュータントを探し、仲間に迎え入れていく。だが、戦時中にエリックの母を殺害した元ナチスの科学者・セバスチャンが組織したミュータント集団「ヘルファイアークラブ」と対峙するなかで、人類との共存か、あるいは支配かという相反する選択へと引き裂かれていく。「X-MEN」誕生の起源を探る作品。

監督/マシュー・ヴォーン
脚本/ザック・ステンツ、アシュリー・ミラー、ジェーン・ゴールドマン、マシュー・ヴォーン
出演/ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ローズ・バーン、ジェニファー・ローレンス、ケヴィン・ベーコン
公開年/2011年

コメント

  • 「ギリギリのシチュエーションでのプロフェッサーとマグニートーの友情と別離がすごくよかったので」(47歳男性)
  • 「X-MENの起源がわかって面白かったから」(51歳男性)

『ウルヴァリン:SAMURAI』

心に深い傷を負い、カナダの山奥に隠遁していたローガンの元に、かつて命を救った矢志田の使者が訪れる。ローガンは日本に赴くが、程なくして矢志田は病死してしまった。葬儀の最中にヤクザの集団に襲撃されたローガンは、矢志田の孫娘のマリコと共に脱出し、長崎への逃避行をはかった。旅の途中で再び攻撃を受けるも、今度は敵のDr. グリーンによって体の治癒能力を奪われ、マリコをさらわれてしまう。生まれて初めて死を意識したローガンは、満身創痍でマリコ奪還を誓うのだが……。

監督/ジェームズ・マンゴールド
脚本/クリストファー・マッカリー(ノンクレジット)、マーク・ボンバック、スコット・フランク
出演/ヒュー・ジャックマン、TAO、福島リラ、真田広之、スヴェトラーナ・コドチェンコワ
公開年/2013年

コメント

  • 「ウルヴァリンのかっこよさが際立ったとてもいい作品だったと思うから」(40歳男性)
  • 「真田広之やその他の女性の日本人キャストの存在感がよく、日本の景色も作品の中で美しく描かれていて感動した」(40歳男性)

『X-MEN:フューチャー&パスト』

2023年、対ミュータント兵器「センチネル」の攻撃によって、ミュータントたちは壊滅寸前まで追い詰められていた。彼らは過去にタイムリープし歴史を改変することで、この危機的状況を回避しようと画策する。かくして精神をタイムリープさせ、1973年の自身の肉体に憑依したウルヴァリンは、若き日のプロフェッサーXや宿敵マグニートー、ミスティークらと出会い、センチネル計画を阻止すべく奔走する。一方、2023年の世界では、ミュータント滅亡の瞬間が迫っていた……。

監督/ブライアン・シンガー
脚本/サイモン・キンバーグ
出演/ヒュー・ジャックマン、ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ジェニファー・ローレンス、ハル・ベリー
公開年/2014年

コメント

  • 「世界観とシナリオが好みだったから」(35歳男性)
  • 「過去と未来が交差して面白い展開だった。スピンオフ系ではなく正規のシリーズでウルヴァリンが活躍するのがよいし面白い」(53歳男性)

『デッドプール』

末期ガンに侵されたエリート傭兵のウェイド・ウイルソンは、「治療」と称した悲惨な人体実験の被験者となってしまう。実験により驚異的な治癒能力を手に入れることに成功するが、その代償としてとても醜い姿になってしまったウェイド。彼は全身を赤いコスチュームで覆い「デッドプール」と名乗るようになり、人体実験の黒幕・エイジャックスを追うが……。

監督/ティム・ミラー
脚本/レット・リース、ポール・ワーニック
出演/ライアン・レイノルズ、モリーナ・バッカリン、エド・スクライン、T・J・ミラー、ジーナ・カラーノ
公開年/2016年

『X-MEN:アポカリプス』

1983年。人類初にして最強のミュータント・アポカリプスが長きにわたる眠りから目覚めた。神として君臨する彼は、世界に新たな秩序をもたらすべく、現代文明を滅ぼすためにマグニートーら「黙示録の四騎士」を招集する。それを阻止すべく行動を起こすプロフェッサーXだったが、その能力を評価したアポカリプスによって捕らわれてしまう。すべてのミュータントの力を併せ持つというアポカリプスに、若きミュータントたちは決死の戦いを挑んでいくが……

監督/ブライアン・シンガー
脚本/サイモン・キンバーグ
出演/ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ジェニファー・ローレンス、オスカー・アイザック、ニコラス・ホルト
公開年/2016年

コメント

  • 「このシリーズの中でもストーリー展開が面白く、最も傑作だと思うから」(61歳男性)
  • 「世界初にして最強ミュータントのアポカリプスとの戦いが面白かった」(59歳男性)

『LOGAN/ローガン』

2029年、ミュータントは絶滅の危機に瀕していた。老いたプロフェッサーXの世話をしながら暮らしているローガンもまた、治癒能力が失われつつあり、かつての不死身の肉体は見る影もなく衰えていた。そんなある日、ローガンはローラという少女を「エデン」へと送り届けることを託される。ローラを追う武装集団と戦い、多大な犠牲を払いながら「エデン」にたどり着いたローガン。そこにミュータントの未来を見た彼だったが、最強のミュータント兵器がすぐそばまで迫っていた。

監督/ジェームズ・マンゴールド
脚本/マイケル・グリーン、スコット・フランク、ジェームズ・マンゴールド
出演/ヒュー・ジャックマン、パトリック・スチュワート、ボイド・ホルブルック、スティーヴン・マーチャント、ダフネ・キーン
公開年/2017年

コメント

  • 「人間じゃないのに、人間らしくなって行くところがよかったですね」(52歳男性)
  • 「単なるヒーローアクションものではなく、ストーリー性があってよかったです」(59歳男性)

『デッドプール2』

恋人との穏やかな時間を過ごしていたデッドプール(ウェイド)は、見習いとしてX-MENに仮加入することになる。最初の任務として不思議な力を持った14歳のミュータント・ラッセルの保護にあたっていたデッドプールの前に、未来からやってきたという機械人間のケーブルが突如現れる。ラッセルの命を狙うケーブルに対抗すべく、デッドプールはミュータントを集めて「X-フォース」というスペシャルチームを立ち上げる。

監督/デビッド・リーチ
脚本/レット・リース、ポール・ワーニック
出演/ライアン・レイノルズ、ジョシュ・ブローリン、モリーナ・バッカリン、ジュリアン・デニソン、T・J・ミラー
公開年/2018年

『X-MEN:ダーク・フェニックス』

人類の存亡をかけたアポカリプスとの戦いから10年。「X-MEN」を勝利に導いた立て役者であり、最強のメンバーの一人であるジーン・グレイは宇宙でのミッション中に起きた事故により、心に秘めたもう一つの人格「ダーク・フェニックス」を解放してしまう。制御不能となった強大なパワーは、全地球のあらゆる生命を絶滅させかねない危険なものだった。彼女を殺すべきか否かで対立する「X-MEN」の面々をよそに、彼女のパワーを利用しようと謎の女が接近してくる……。

監督/サイモン・キンバーグ
脚本/サイモン・キンバーグ
出演/ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ジェニファー・ローレンス、ニコラス・ホルト、ソフィー・ターナー
公開年/2019年

コメント

  • 「シリーズの中でも特に中身が濃く、まったく飽きさせない展開となっている点が本当にすごいと思います」(31歳男性)
  • 「さまざまな特殊能力をもつジーンが素晴らしく、かっこいい。マグニートが人間味ある生き方をしていたことが嬉しい。完結作だが、続編を希望しています」(53歳男性)

「X-MEN」シリーズの人気作品ランキング

「X-MEN」シリーズ作品の中から「デッドプール」シリーズとスピンオフ作品を除いた10作品の人気ランキングは、以下のようになりました。

1位『X-メン』(46.5%)
2位『X-MEN2』(8%)
2位『ウルヴァリン(SAMURAI』(8%)
4位『ウルヴァリン(X-MEN ZERO』(6.8%)
4位『X-MEN(ダーク・フェニックス』(6.8%)
6位『X-MEN(ファースト・ジェネレーション』(5.8%)
7位『LOGAN/ローガン』(5.0%)
8位『X-MEN(アポカリプス』(4.8%)
9位『X-MEN(ファイナル ディシジョン』(4.6%)
10位『X-MEN:フューチャー&パスト』(3.4%)

「X-MEN」シリーズの面白い順は

2000年公開の『X-メン』が過半数に迫る勢いで断トツという結果になりました。記念すべきシリーズ初作品は、プロフェッサーX率いる「Xメン」チームとプロフェッサーXの古い友人・マグニートー率いるミュータントテロ集団「ブラザーフッド」の対立構図がはっきりとしており、ストーリーがとてもわかりやすい点が特徴。

ミュータントたちが持つ異能を再現した際の映像美も際立っており、実写映画としての完成度の高さが見た人に大きなインパクトを与えたことが、アンケートのコメントからもうかがえました。

「X-MEN」とは

「X-MEN」は「アベンジャーズ」と同様、マーベル・コミックが発行するコミックスに登場するスーパーヒーロー・チームです。「X-MEN」のネーミングの由来は「EXTRA-MEN」。つまり突然変異のため、生まれつき超常能力を備えた超能力者を意味しています。

「X-MEN」はマーベル・コミックの中でも屈指の人気を誇り、最も成功したシリーズの一つとなっています。これまでにコミックほかの出版物やTV、映画やゲームなど、数多くのメディアで展開されています。

「X-MEN」シリーズの主要キャラクター

シリーズを通じて登場機会が多い主要キャラクターは以下の通りです。

キャラクター名 能力
プロフェッサーX(チャールズ・エグゼビア) 人の心を読み、人の脳に侵入し行動をコントロールする能力を持つ地上最強のテレパス
サイクロップス 両目から赤い破壊光線「オプティック・ブラスト」を発射できる
ジーン・グレイ サイコキネシスとテレパシー能力を有するプロフェッサーXの右腕的存在
ストーム 竜巻や雷雨、吹雪などの自然現象を操ることができる
ウルヴァリン(ローガン) アダマンチウム合金の爪と肉体再生能力(ヒーリング・ファクター)を持つ不死身の男
ローグ 相手に接触して生体エネルギーを吸収できる。吸収したミュータントの能力を取り込むことも可能
ビースト 人並外れた身体能力と頭脳を持つ
マグニートー 磁力を支配し、鉄を含むすべての金属を操ることができる
ミスティーク 他人の容姿をまねて変身する能力を持つ

このうち、マグニートーとミスティークは「X-MEN」の一員であったときもありましたが、途中で袂を分かち旧三部作ではヴィランとなっています。

映画「X-MEN」シリーズとは

映画「X-MEN」シリーズの第1作は、ブライアン・シンガー監督による2000年公開の『X-メン』。これはスーパーヒーロー単体ではない、スーパーヒーロー・チームの映画化としては同じマーベル・コミックの『アベンジャーズ』(2012年公開)よりも早いタイミングでした。

「X-MEN」旧三部作とは

ここまで、「X-MEN」シリーズの見る順番や、各作品の内容について解説してきました。ここではおさらいの意味を込めて、「X-MEN」旧三部作や新シリーズ、「ウルヴァリン」シリーズなどついて、改めて説明しましょう。

まずは「X-MEN」旧三部作から。旧三部作はオリジナル三部作とも呼ばれ、以下の3作品のことを指します。

  • 『X-メン』(2000年公開)
  • 『X-MEN2』(2003年公開)
  • 『X-MEN:ファイナル ディシジョン』(2006年公開)

2000年公開『X-メン』から始まるこれらの作品群は基本的に、プロフェッサーX率いるスーパーヒーローチーム「X-MEN」と、鉄の爪を持つ不死身のウルヴァリン(ローガン)を中心とした、ミュータントたちの活躍を描く物語です。

第1作でウルヴァリンは「X-MEN」と出会い、反発や葛藤を繰り返しながらも、プロフェッサーXの親友であったマグニートー率いるミュータントテロ集団「ブラザーフッド」 と対峙していくことになります。第2作・第3作でも、この基本的な構造は変わらず、3作を貫く時間経過も直線的です。誰にとっても見やすい作品となっているのではないでしょうか。

「X-MEN」新シリーズとは

2006年公開の『X-MEN:ファイナル ディシジョン』でオリジナル三部作は終了し、2011年より新シリーズに移行します。「X-MEN」新シリーズは、以下の4作品です。

  • 『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011年)
  • 『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014年)
  • 『X-MEN:アポカリプス』(2016年)
  • 『X-MEN:ダーク・フェニックス』(2019年)

新シリーズの第1作である『ファースト・ジェネレーション』は、若き日のプロフェッサーXや、その親友であり宿敵のマグニートーらを主軸としたストーリーです。「X-MEN」が結成に至るまでの軌跡を描いており、各キャストも旧三部作から一新し、若返りを図っています。

旧シリーズの前日譚を描くという構成自体は、エピソードⅣ~Ⅵで完結した後、プリクエルとしてエピソードⅠ~Ⅲが製作された、かの『スター・ウォーズ』に近いかもしれません。ただし、次の第2作『フューチャー&パスト』の登場で、事態は一気に複雑化します。

この『フューチャー&パスト』で行われた歴史改変によって「X-MEN」シリーズには2つのタイムラインが存在することになり、見る人に混乱をもたらしているのは、すでに説明した通りです。

新シリーズ第3作『アポカリプス』と第4作『ダーク・フェニックス』は、『フューチャー&パスト』の過去パート(1973年)からそれぞれ10年後・20年後を描いています。両作は、『フューチャー&パスト』で歴史が改変されたため、旧三部作の1作目『X-メン』とは直接的にはつながらない、新たなタイムラインの物語となっています。

「X-MEN」スピンオフシリーズとは

「X-MEN」スピンオフシリーズは「ウルヴァリン」シリーズと「デッドプール」シリーズに大別でき、そこに『ニュー・ミュータント』も加えたラインナップとなります。

本来「ウルヴァリン」シリーズと「デッドプール」シリーズは、「X-MEN」の外伝的な作品という位置づけでスピンオフという解釈が正しいでしょう。ただし2人の主人公の存在感の大きさと、「X-MEN」シリーズ本体との関わりの深さから、旧三部作や新シリーズと一緒に「X-MEN」シリーズと解釈する考えもあるようです。

【「ウルヴァリン」シリーズ】

「ウルヴァリン」シリーズは、以下の3作品を指します。

  • 『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(2009年)
  • 『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013年)
  • 『LOGAN/ローガン』(2017年)

驚異的な治癒能力(ヒーリング・ファクター)を備えた不死身の肉体と、世界最硬の金属であるアダマンチウム合金製の爪による高い戦闘能力で、「X-MEN」の中でも屈指の人気を誇るウルヴァリン(ローガン)を主人公とした作品群です。

各作品とも単純なヒーロー像ではなく、ミュータントであるがゆえの壮絶な過去や孤独感、愛するものを守り抜く不屈の信念などを描写し、高い評価を得ています。また鋼鉄の爪を駆使した戦闘シーンをはじめとする、ウルヴァリン役のヒュー・ジャックマンの好演も見どころの一つです。

【「デッドプール」シリーズ】

赤いコスチュームに身を包み、不死身の肉体と焼けただれた全身の皮膚、第四の壁を軽々と乗り越えて発せられる毒舌や際どいジョークなどで人気のスーパーヒーロー・デッドプール。彼のシリーズは2023年時点で以下の2作品が製作されています。

  • 『デッドプール』(2016年)
  • 『デッドプール2』(2018年)

この「デッドプール」シリーズもまた、「X-MEN」フランチャイズに含まれる作品として位置付けられています。両作でも「X-MEN」のメンバーとニアミスをしたり、「X-MEN」への参加を勧誘されたりと浅からぬ因縁を感じさせます。

また、現在とは全く異なるキャラクターではあるものの、2009年の『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』でも、デッドプールは「ウェポンXI(イレブン)」として登場しています。演じているのは現在のデッドプール役と同じライアン・レイノルズです。

そもそもデッドプールの不死身の能力は、ウルヴァリンのヒーリング・ファクターを移植されたことで獲得したもの。彼が武器として使用する日本刀も、ウルヴァリンの爪と同じアダマンチウム製です。

2024年には『デッドプール3(原題)」の公開も予定されています。デッドプールは「X-MEN」シリーズ本体との関わりはまだそれほど深くないものの、今後の動向に注目したいキャラクターとなっています。

【『ニュー・ミュータント』】

上記の2つのシリーズ以外のスピンオフ作品としては、以下の作品があります。

  • 『ニュー・ミュータント』(2020年)

本作はシリーズ初の青春ホラー作品となっており、「X-MEN」シリーズの過去のキャラクターは登場しないことが大きな特徴です。

ネイティヴ・アメリカンの少女・ダニーは何者かにより父を殺され、ミュータントを収容する施設に隔離されます。自分がミュータントである自覚がないダニーでしたが、やがて彼女の超能力が暴走しはじめ……。

本作は、日本においてはシリーズで初めて劇場公開されませんでしたが、ビデオスルーおよびデジタル配信が行われています。

「X-MEN」シリーズはディズニープラスで視聴可能

「X-MEN」シリーズは、動画配信サイト「Disney+(ディズニープラス)」で全映画作品が視聴可能です。

「U-NEXT」や「Amazonプライム・ビデオ」といった配信サイトでも視聴できますが、作品ごとにレンタルをする必要があります。特定の作品だけを見るには便利ですが、もし一気見をするとなったら月額990円で見放題のディズニープラスがお得と言えるでしょう。

映画「X-MEN」シリーズを見る順番や主要キャラを紹介してきました

多くの作品が製作されている「X-MEN」シリーズですが、これまで見てきたように、その時間の流れはかなり複雑なものになっています。本記事では、込み入った時系列についてできるだけわかりやすい説明を心がけましたが、いかがでしょうか。

「X-MEN」シリーズの映画作品は現在のところ、2019年の『X-MEN:ダーク・フェニックス』が最後となっています。

ただ、まだ製作発表段階で詳細は不明ながら、ドリュー・ゴダード監督・脚本の『X-Force』、ジェームズ・マンゴールド&クレイグ・カイル脚本で、ダフネ・キーンの続投が噂される『X-23』、『ニュー・ミュータント』の続編で三部作となる『ニュー・ミュータンツ2(仮)』『ニュー・ミュータンツ3(仮)』、ジェームズ・フランコ主演の『マルチプルマン』、キティ・プライドを主人公としたスピンオフ『143』などの情報が報じられています。

ファンとしては、一日も早い新作の公開を期待したいものです。

調査時期:2022年4月1日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男女合計1000人(男性777人、女性223人)
調査方法:インターネットログイン式アンケート

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