人気デュオ・KinKi Kidsが1日、東京ドームで単独コンサート「KinKi Kids Concert 2022」を開催した。

  • KinKi Kidsの堂本剛(左)、堂本光一

2022年は、KinKi Kids CDデビュー25周年イヤー。“そのスタートはファンの皆さんとともに踏み出したい”という想いを込めて、6年ぶりとなる元日の東京ドーム公演が開催された。

2022年最初の単独アーティストの東京ドームコンサートでもある今回。デビュー翌年の1998年より東京ドームでコンサートを行ってきたKinKi Kidsにとっては、東京ドーム公演“24回目”の開催となり、通算公演回数は“59回”(2007年7月22日開催のCDデビュー10周年イベントを除く)を数え、自身の持つ“単独アーティストによる東京ドーム最多公演数”の記録を更新した。

ステージにはピンスポットを浴びるグランドピアノ……そして2人が登場。ピアノの旋律にのせて2人が紡ぐ1曲目は新年、そしてKinKi Kidsの記念すべき1年の幕開けにふさわしい「新しい時代」。透明な美しさをたたえたナンバーに、2人のハーモニーが優しく広がっていく。

曲のあとには、光一が「さて、“新しい時代”がはじまりました!あらためまして KinKi Kidsです!こうして急遽決まった我々のコンサートですが、こんなに集まってくださってありがとうございます!」と感謝を告げ、剛も「ありがとうございます!」と声を揃えた。勝手知ったるドームということで「ま、座れば?」と促す剛に、光一も「君の家か(笑)」とツッコむ2人らしいやりとりから、着席スタイルでの挨拶MCへ。

今回の公演は着席・歓声なしというファンの協力のもと、実現が可能に。まだまだ油断ならない状況のなか、安全に公演が行える形を模索しながら、それが実施できるのはファンのお陰だと声を揃えた。また、急遽実施決定となった公演ということで、光一が「ピアノ1本です!」というコンサートスタイルに、剛も「贅沢な使い方じゃないですか?」とうなずき語りあう一幕も。

「だからほぼリハーサルをしていない。案の定、私ハモらなくていいところハモにいってしまいました(笑)」という光一の告白に、剛が「あれ、あそこハモっていいんじゃない?」と返すやりとりも。そして、「to Heart」「スワンソング」をゆったりとしたピアノバージョンで切々と歌い上げた。

再びMCに入ると先日開催されたばかりの「ジャニーズフェスティバル」や「ジャニーズカウントダウンコンサート」の話題で盛り上がりつつ、続いてのナンバー「雪白の月」を披露。ピアノの旋律のみというステージがより、2人の歌声を際立たせる。歌い終わると、「この状況になることを想定して作られたわけではないけれど」(光一)、「別れの曲…ラブソングなのだけど、好きな人ほど近づけないというのが」(剛)と語り合う場面も。

そして、年末に後輩たちと多く接するなか、2人の初合作曲である「愛のかたまり」が広く愛されていると実感したという話題から、自分たちの中で「愛のかたまり」の流れを汲んで作ったという「銀色 暗号」を続けて披露することに。歌い終わるや、「いい歌詞やな!」(剛)、「いい曲やな(笑)。…自分たちで褒めとる(笑)」(光一)と笑い合う。

様々な曲を披露してきたなか、“作られる曲は時代の影響を受ける”という話から、「この曲もライブで何回も歌っているけど、印象が毎回変わる」(剛)、「あと、ライブで出だしをよく間違う印象が」(光一)、「ライブあるあるやな。ファンの方に『ありがとう~』って(手を振って)ると歌いだし忘れる(笑)」(剛)と話していた2人。こうして“皆様の前で披露すると気持ちよくなってしまう曲”という「もう君以外愛せない」へ。温かいオレンジのライトに照らされながら光一と剛の力強く伸びやかな歌声が場内を包み込んだ。

MCでは、この日発表されたばかりとなる、CDデビュー25周年記念『#キンキ25円でCM出演』企画実施についての話題も。その名の通り、KinKi Kidsが25円でCMに出演するというもので、またこの企画のために、現在光一と剛が合作で楽曲を制作中というニュースが。

「久しぶりに合作を。しかもいままでにあまりない形で。歌詞も曲も2人でできたら」と光一。剛は、「今までCMなんて作れないと思っていた方も、これを機会に!」と語り、2人は25周年続けて来られた感謝の想いを込め、“いろんな方にお礼も恩返しもしたい”と語っていた。

25周年企画はまだまだ考案中ということで、「みんなで一緒に楽しい時間にできたら。いろんな企画を考えながら」(剛)、「そのほかにも色々考えているので。楽しみにしていただけたら。ひとつひとつ、出来る限り、我々も形にしていきたいと思っているので!」(光一)とコメント。場内には大きな拍手が沸き起こった。

元日のMCといえば、恒例!光一のバースデーを祝うコーナーも。剛の「ケーキ持ってきてくれへん?」という呼びかけで、花束とケーキをステージに運び入れたのは…なんと、吉田建と堂島孝平。長年バンドマスターとして2人を支えている吉田に、楽曲プロデュースやバンド参加もしてくださる堂島がサプライズでお祝いに。誕生日の赤い花束を受け取る光一に、25周年記念として青い花束を受け取る剛。光一のバースデーを祝いながら、ケーキを囲んで記念撮影を楽しむ一幕に。

遅ればせながら、ここで「まだこれ言ってなかった!」(光一)と、 2人は改めて「あけましておめでとうございます!」と新年のご挨拶。そのまま定番ナンバー「Happy Happy Greeting」を歌い上げた。

和気あいあいとしたMCコーナーからガラリと雰囲気を変えると、スクリーンには荘厳なステンドグラスをたたえた映像が。ステージがチャペル内のような雰囲気になるなか、光一と剛は「愛のかたまり」を、ドラマティカルなピアノの旋律に乗せて情感たっぷりに披露。

歌い終えると感慨深そうに「『愛のかたまり』もいろんなアレンジをやってきましたが。ピアノのみという…こんなアレンジはもうないかもしれない貴重な経験ですね」と光一。そして「もっとやってくれ、という声も多いかもしれませんが、今年はいろいろやれればと思っていますので!」と語り、記念イヤーを充実させることを約束した。

次に「Family ~ひとつになること」を歌い上げると、「薄荷キャンディー」の旋律に乗せてデビュー当時からのKinKi Kidsの映像や写真が次々と巨大スクリーンに。25年の軌跡から、現在の2人の姿になると、呼応するように「Anniversary」へ。スモークけぶるステージで万感の想いをこめて歌いあげると、曲中で巨大スクリーンが開き、その向こうからオーケストラが登場。そのまま重厚なオーケストラの演奏に乗せ、ドームいっぱいに歌声を届けた。さらに、「Topaz Love」をオーケストラ演奏とともに披露した。

最後、光一は「皆さん、本当に貴重な元日という日に。いかも急遽なお知らせのなか、参加していただいたこと、重ね重ねですが、本当に感謝申し上げたいとおもいます。私事ですが、毎年誕生日も祝っていただいて嬉しいかぎりです。何より、今年KinKi Kidsとして25周年ということ、その感謝を多方面の方々に伝えていければと思っております。2人の活動も増えていくと思いますし、そうした時間を皆さんと共有していければと思っております。25周年、そしてその先も我々についてきてほしいなと思っております!」とメッセージ。

剛は「優しくて柔らかくて、愛に満ちた1年になればいいなと、ただただ思っております。いつもそばにいてくれたのは応援してくれている皆さん。月日が移り行くなか、こんな大変な時代のなかでも、キンキといっしょに時間を過ごすことを選んでくれる人がこんなにもいるんだなと嬉しく思います。この会場にいらっしゃらない方も含めて、ありがとうという想いをこめて、1曲1曲歌わせていただきました。今年もその想いをこめて歌っていければと思っております。まだまだ時代はどうなるかわかりませんが。2022年は僕らにとっても皆にとっても愛の1年になれば。今日は本当にどうもありがとうございました!」と挨拶し、改めて2人は、「2022年もよろしく」「本日は本当にありがとうございました」と声を揃えた。

そして最後はこの曲でと、デビューナンバー「硝子の少年」をブルーのレーザーライトがまばゆく交錯するステージで、オーケストラのゴージャスな演奏に乗せて歌い上げた光一と剛。

「皆さん、どうもありがとうございました!あらためて2022年、どうかよろしくお願いいたします!本日はありがとうございました!」(光一)、「どうもありがとうございました!たくさんの愛を、ありがとうございました!」(剛)と感謝を述べステージをあとに。スクリーンに「どんなときもそばにいてくれてありがとう これからも 僕らの新しい時代を 一緒に描いていきましょう。愛してる Be with you 堂本剛 堂本光一」というメッセージが浮かぶなか終演となった。

■セットリスト
M1. 新しい時代
M2. to Heart
M3. スワンソング
M4. 雪白の月
M5. 銀色 暗号
M6. もう君以外愛せない
M7. Happy Happy Greeting
M8. 愛のかたまり
M9. Family ~ひとつになること
M10. Anniversary
M11. Topaz Love
M12. 硝子の少年