自宅で仕事をする時間が増えた人は多いと思いますが、部屋のゴミが目について掃除の回数も増えたという人はいませんか? 気になったときにサッと掃除すればキレイになりますし、掃除そのものが気分転換にもなりますね。

この「サッと掃除したい!」という気持ちに応えてくれるのが、パナソニックから登場したセパレート型コードレススティック掃除機「パワーコードレス MC-NS10K」です。メディア向けの体験会で発売前の実機を試用してきました。MC-NS10Kは10月25日発売予定、価格はオープン、推定市場価格は65,000円前後です。

  • パナソニックのセパレート型コードレススティック掃除機「MC-NS10K」。掃除機本体と、ゴミ自動収集機能を持った充電台「クリーンドック」という構成です

  • 大きさ感が伝わるでしょうか

MC-NS10Kは、メインのダストボックスを充電台のほうへ設けたことで(クリーンドック)、掃除機本体がとっても軽くなったコードレススティック掃除機です。スティック掃除機本体の重さは1.5kg。最軽量というわけではありませんが、実際に掃除するとき手元にかかるのは約0.45kgと、片手でラクラクに動かせます。

標準的なコードレススティック掃除機は、ゴミを集めるダストボックス、モーター、バッテリーを内蔵していました。MC-NS10Kではメインのダストボックス部分が充電台と一緒になったことで、持ち手(掃除機本体)が一本の棒みたいな形状に。小さなホウキやハタキ感覚でサッと動かせるというわけです。もちろん、掃除機本体にも小容量のダストボックスはあります。このサイズと形状を実現するため、小型のモーターやバッテリーも新たに開発しているそうです。

  • こちらが新製品のMC-NS10K。持ち手がホウキの柄(え)のようにまっすぐです

実際に触ってみると、掃除のスタートから快適。コードレススティック掃除機を使い始める場合、充電台にセットしているときは充電台から外すのにちょっと持ち上げたり、充電台がない場合でも充電ケーブルを外したりといった動作が必要でした。押し入れなどに収納しているなら、組み立てが必要はことも。

MC-NS10Kはハンドルを手に取って、手前に軽く倒して引けばすぐに掃除をスタートできます。この手軽さはうれしい!

  • 使わないときは充電台にセットし、手前に引けばすぐに使えます。掃除を始める準備がいりません

  • サッと使えるのは大きなポイント

ヘッドのサイズは、ハイパワータイプのMC-SB85Kなどと比べると小さめ。小回りがきくので、家具の脚まわりといった場所も掃除もしやすい掃除機です。

  • ハイパワータイプ(黒いヘッド)と比較するとヘッドは小ぶり

  • 手首をひねってハンドルを回転させると家具の下にも入り込みます

ヘッドは小さいのですが、「からまないブラシ」の搭載がうれしいところ。からまないブラシは円すい形のブラシを2つ組み合わせた構造をしたパナソニック独自のブラシです。

掃除機をかけていると、ブラシに髪の毛などが絡みついてしまうことがよくありますよね。そのままにしておくとブラシが回りにくくなって吸引力も落ちるので、ハサミなどでカットする必要がありました(ブラシのお手入れはメーカー各社が工夫を凝らしている部分です)。

からまないブラシは、ブラシが回転すると円すいの細い側に向かって髪の毛や糸くずが集まり、ヘッド中央のすき間から吸い込まれていく仕組み。既存モデルで体験していますが、髪の毛や糸くずがほとんど絡みません。お手入れの手間が減り、吸引力も保てて、快適に使えるというわけです。

  • 円すい型のブラシを2つ組み合わせた「からまないブラシ」

  • 髪の毛が絡まないのでお手入れが簡単

  • ブラシのカバーも上から簡単に外せます

MC-NS10Kの実機で、フローリングとじゅうたんの上を掃除してみました。押し引きすると、引きで少し抵抗がありますが、押すときはスイスイとスムーズに動きます。ただ、これだけ軽い操作性だと「本当にゴミを吸ってる?」――ちょっと不安も感じましたが、吸引力自体は十分の印象です。

掃除機本体には「クリーンセンサー」があり、ゴミを検知すると赤く点滅、キレイになると青く点灯します。じゅうたんの上など、汚れが見にくくて取り残しが気になる場所では、このクリーンセンサーが便利です。

  • ゴミが多い時は赤く点滅

  • キレイになると青く点灯

充電台(クリーンドック)に戻すと自動で溜まったゴミを吸引

掃除中は、掃除機本体の小さなダストカップ&フィルターにゴミを一時的に溜めます。ここには大体3~4gのゴミを溜められるそうです。パナソニックによると「家庭で1日に出るゴミの量は平均1gとされているので(編注:掃除機で吸い取るようなゴミ)、1~2日分は入ります」とのことでした。

集じん容量でいうと0.05Lと少ないため、室内で犬や猫のペットを飼っているいる家庭だと、メインの掃除機としては使いにくいかもしれません(ペットの毛を掃除機で吸っているとすぐにゴミが満タンになりがち)。

  • 掃除機本体の内部では、袋状のフィルター部分にゴミを一時的に溜めます

掃除が終わったあとはクリーンドックに戻します。すると「グィーーーーーン」と音がして、掃除機本体からクリーンドック内のダストパックへと、ゴミを移動します。掃除機側にゴミを残さないよう、緩急つけて吸い込むので、けっこう大きな音がします。この緩急をつけた吸い込みは、魚釣りの根掛かりがヒントになっているそうです。

【動画】スケルトンモデルを使った吸引の様子(音声が流れます。ご注意ください)

【動画】メディア向けの体験会から、ゴミが移動する様子をスロー再生で(音声が流れます。ご注意ください)

  • 掃除機本体の一部が開いて、ゴミがクリーンドックに移動します

  • 充電台にはゴミ吸引用の穴

クリーンドックのダストボックスは紙パック式で、掃除機本体から吸い上げたゴミが紙パックに溜まっていきます。ゴミ捨ては紙パックを捨てればOK。紙パックはそのまま捨てればいいため、ゴミが舞い上がらず、手も汚れません。

紙パックの交換は1カ月に1回程度とされています(ゴミの量で前後します)。消耗品の紙パックは10枚入で946円です。

  • ダストボックス内の紙パックにゴミが溜まります

  • 紙パックを捨てればいいので、ホコリが舞い上がりません

そしてパナソニックといえば「ナノイー」。掃除機本体を充電台にセットしたとき、充電台のダストボックス内に「ナノイーX」を噴射して紙パック内のニオイなどを抑えます。「ナノイーX」はエアコンや空気清浄機などにも搭載されている、パナソニックの独自技術です。

体験会では、ナノイーXの効果を感じるデモも。バーベキュー風味で味が濃いめのスナック菓子を吸い取ったダストボックス(あらかじめ2時間前に吸引)のニオイを嗅いでみたところ、ほとんどニオイがありませんでした。集じん容量はともかく、ペットの毛など長期間溜めるとニオイが気になるものにはうれしい機能です。

  • ナノイーXでゴミのニオイを抑えます

  • フタの部分に「ナノイー」のマーク

掃除機本体を充電台に戻すと自動でゴミ吸引が始まるのですが、早朝や深夜だと吸引の音がちょっと気になります(そもそも早朝や深夜に掃除機をかけるなという話もありますが……)。これにはひとつ仕掛けがあって、充電台のボタンを操作してゴミ吸引しない設定も可能。掃除機本体を充電台に戻すときにボタン操作するので、次回は何もしなくてもゴミ吸引が有効の状態になります。

短時間の掃除にちょうどいい

充電時間は約3時間、満充電時の運転時間はHIGHモードが約6分、AUTOモードが約10~15分です。連続運転時間が約15分ということを考えると、「広い部屋をていねいに掃除する」使い方ではなく、「気がついたときに短時間でちょっと掃除する」使い方に向いています。

先述のようにヘッドは小型で小回りがききますが、広い部屋を一度に掃除しようとすると動かす量が増えるので大変かもしれません。食後にダイニングテーブルまわりを掃除したり、脱衣所などで髪の毛やホコリを吸い取ったり、子ども部屋や寝室をサッとキレイにしたりといった用途に便利そうです。ワンルームや1DKくらいの一人暮らし世帯なら、メインの掃除機としても十分だと思います。ロボット掃除機と組み合わせて使いたい人にもぴったりです。

  • 付属のすき間用ノズルを使うと、部屋の隅などの掃除にも

使わないで出しっぱなしにしているときは、ゴミが見えないデザインなので清潔感があります。シンプルなただずまいは、リビングや個室に置いてもインテリアに溶け込むのではないでしょうか。

  • インテリアに溶け込むデザイン

  • サニタリー空間にもなじみます

パナソニックによると、在宅時間の増加とともに、掃除回数が増えたり清潔意識が向上した人が多くなっているとのこと。また、掃除の回数は増えているけれど、1回の掃除時間は減っており、ちょこちょことした掃除を繰り返す傾向が高まっているそうです。

手軽に使えて後片付けが簡単なMC-NS10Kは、短時間の掃除に向いていますし、老若男女を問わず扱いやすい掃除機だと思いました。軽くて手間いらずな掃除機を探している人は、ぜひチェックしてみてください。

  • 在宅時間が増えて掃除に対する意識が変化しています

  • 短時間の掃除を頻繁にする掃除スタイルが定着しつつあります