アクアの洗濯機は、部分洗い用の超音波ユニットを搭載した「Prette」など、尖った機能を持った製品とラインナップで人気が高まっています。そんなアクアが11月上旬に、ドラム式洗濯乾燥機の新モデル「まっ直ぐドラム(AQW-DX12M・AQW-D12M)」を発売します。
ドラム式の洗濯乾燥機は洗濯槽を斜めに配置しているモデルが多いのですが、新モデルは「まっ直ぐドラム」という名前の通り水平に配置したドラムが特徴。熱とUVを使った除菌・消臭機能も搭載しています。今回、発売前に実際の製品をチェックしてきたので紹介します。価格は2モデルともオープンで、推定市場価格はAQW-DX12Mが286,000円前後、AQW-D12Mが253,000円前後です。
洗濯容量12kgの大容量でもコンパクト、しかも珍しい水平ドラム
まっ直ぐドラムシリーズでまず目を引くのは本体サイズ。洗濯容量12kg・乾燥容量6kgという大容量タイプの洗濯乾燥機ながら、本体サイズは幅595×奥行き735×高さ943mm。一般的な10kg以上の大容量ドラム式洗濯乾燥機と比較すると、幅と高さがコンパクトに抑えられています。64cm規格の防水パンに置けるサイズです。
ドラムを「まっ直ぐ」に配置しているのも大きなポイント。現在、高機能なドラム洗濯乾燥機のほとんどが洗濯槽を「斜め」に配置しています。ドラムを斜めに配置するとドラム口が上向きになるため、腰を大きくかがめずに洗濯物の出し入れがしやすくなり、洗濯槽の内部も見やすくなるからです。
一方でアクアの「まっ直ぐドラム」シリーズは、洗濯機の内部でドラムを水平に配置。洗濯物の出し入れには腰をかがめる必要はありますが、ドラム内で洗濯物が絡まりにくくなるというメリットがあります。
水を使わない除菌・除臭機能「エアウォッシュ」
複数の方法で除菌ができるのもまっ直ぐドラムシリーズの特徴。たとえば、最高60℃のお湯で洗濯する「お湯洗いモード」や、最高65℃の高熱で乾燥させる「絡み防止乾燥」などを搭載しています。
上位モデルのAQW-DX12Mは、水を使わずに除菌・消臭できる「エアウォッシュ」機能も装備。80℃の温風とともに、庫内にUV-Cを照射することで除菌・消臭する機能です。エアウォッシュ使用時はドラム内に約50ccのマイクロミストを発生させるので、衣類のシワ伸ばしにも使えます。
また、エアウォッシュは除菌したい対象物を濡らさないため、ジャケットやダウンコートなど、頻繁に洗えない衣類にもぴったり。エアウォッシュ運転は20分・30分・60分の3コースで、20分は最高約45℃で消臭、30分は最高約55℃で消臭・シワ取り、60分は最高約75℃で除菌・消臭・シワ取りという内容です。
アクアならではの業務用で培った高い洗浄力
アクアといえば、コインランドリー用の業務洗濯機でトップシェアのメーカー。このノウハウをフィードバックし、AQW-DX12M・AQW-D12Mは洗浄力も高くなったといいます。
たとえば、洗濯スタート時にドラムの回転を繰り返し、高濃度の洗剤を衣類全体にすばやく浸透。その後、たたき洗いと揉み洗いでしっかり汚れを落とします。洗浄能力が高いため、運転時間も標準運転で29分とスピーディーです。
自動フィルター掃除、液体洗剤・柔軟剤の自動投入といった便利機能も
フラッグシップモデルらしい便利機能も魅力的。まっ直ぐドラムシリーズはメンテナンス性も高いんです。
基本的に、ドラム式の洗濯乾燥機は乾燥機能を使うたび、乾燥フィルターに付着したホコリを掃除する必要があります。AQW-DX12M・AQW-D12Mは、乾燥フィルターを水とワイパーで自動的にお掃除してくれるため、手動のお手入れは不要。また、洗濯乾燥後は毎回「排水フィルター」と「乾燥フィルター」の掃除(2カ所)が必要ですが、まっ直ぐドラムシリーズなら排水フィルターの掃除だけでOKです。
このほか、AQW-DX12Mのみ液体洗剤・柔軟剤の自動投入機能を搭載しています。液体洗剤は約570mlのタンク容量、柔軟剤は約480mlのタンク容量です。洗剤ケース部分を取り外して、ケースごと丸洗いも可能です。
ここ数年、アクアのドラム式洗濯機といえば、グローバルモデルを日本仕様に改良した「AQW-FV800E」など、アクアらしい特徴がない製品がラインナップされていました。今回の新製品はUVによる除菌や、水とワイパーによるフィルター自動掃除機能をはじめとして、独特の気になる機能を搭載しています。個人的には、グローバルモデルでは標準的に搭載されている熱湯(60℃)洗いコースがうれしいところ。ドラム式洗濯乾燥機のフラッグシップモデルモデルとして、比較的コストパフォーマンスが良いのも魅力です。