「第32回東京国際映画祭」GALAスクリーニング作品『カツベン!』(12月13日公開)のレッドカーペットセレモニーと舞台挨拶が31日、東京・六本木ヒルズアリーナとTOHOシネマズ 六本木ヒルズで行われ、主演の成田凌、ヒロインの黒島結菜をはじめ、永瀬正敏、高良健吾、音尾琢真、渡辺えり、小日向文世、竹野内豊、周防正行監督が登場。周防監督が、オーディションで選んだ成田と黒島の“決め手”を明かした。

  • 『カツベン!』

    成田凌と黒島結菜

本作は、『Shall we ダンス?』など数々の名作を生み出してきた周防正行監督の4年ぶりとなるオリジナル新作。今からおよそ100年前、映画(活動写真)がまだサイレントでモノクロだった頃を舞台に、楽士の奏でる音楽とともに独自の“しゃべり”で物語を作り上げた活動弁士、通称“活弁”(カツベン)を夢見る青年・染谷俊太郎(成田)を主人公に、日本映画の未来を夢見た人々の群像を描いた。

俊太郎役で映画初主演を務めた成田は「周防組のオーディションに受かったら人生が変わるんじゃないかという期待を持って臨みました」と振り返り、司会者から人生が変わったか聞かれると、「映画が公開されてからわかるんじゃないでしょうか!」と笑顔。また、「周防監督はみんなのことを信頼してくれて、僕らにも作品にも、すべてに愛情を感じました」と監督に感謝。そして、大勢の観客を見渡しながら「この光景も含めて本当に今、幸せです」と目を輝かせた。

俊太郎の初恋相手・栗原梅子を演じた黒島は「周防さんだから、私なんかが受かるわけないと思っていて、緊張したというより楽しめた」と受かると思ってなかったからオーディションを楽しめたとのこと。「まさか私が、と思っていたところに『決まったよ』というお話をいただいて、私なんかで大丈夫なんだろうかっていう不安が大きかったんですけど、選んでいただいたからには一生懸命やりたいと思ってやりました」と決定したときの心境を明かした。

そんな2人をオーディションで選んだ周防監督は、まず成田の起用理由について「たくさんの若い役者と会ったんですけど、最後正直迷いました。数人の中で誰にしよう、と。最終的には誰が演じた俊太郎なら大好きになれるだろうかと考えて、直観で成田さんの俊太郎を愛せるんじゃないかと思ったのが決め手」と説明。「観客のみなさんに愛してほしい役だったので、それを作る監督が愛せなかったら成立しないと思ったので」と語った。

黒島については、「オーディションのときに『私はこの場にいていいのかしら』っていう雰囲気を感じました。かわいくてきれいなのに、そのことで自分が女優をやるということにまだ疑いを持っているような気がしました。女優という仕事そのものにも『一生かけてやる仕事なのか』とまだ迷っているような、真摯な若者らしい悩みを感じた」とオーディション時の印象を明かし、「そういう佇まいがヒロイン・梅子の人生に重なりました。悩める若い女性という雰囲気がして、それが決め手に。悩める若者が好きなんです」と起用理由を明かした。

周防監督の話を聞いて、成田が「最初うれしくて鳥肌が立ったんですけど、黒島さんのを聞いていると、なんだか『僕、大丈夫かな?』と思っちゃいました。僕、半分くらいの時間でしたもんね。『なんとなくです』(直観)という…」と、黒島との説明の“格差”にやや不安な顔を見せると、「申し訳ない!」と監督。成田は「でも、運が良くて良かったなと思いました!」と元気よく話し、監督とのやりとりに会場から笑いが起こった。

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