おうちごはん率が高いほど貯蓄ペースが加速する……とはいうものの、料理が苦手、自炊は面倒……結局外食やコンビニに頼ってしまう、という人もいるのではないでしょうか。

そんな人のために、今回は、ムダなしの自炊、冷蔵・冷凍保存のコツをワンポイントで紹介しますので、毎日のごはんづくりに役立ててみてはいかがでしょうか。

  • “おうちごはん”を制するものは、節約を制する!!

間違った自炊はムダのもと

「外食エンゲル係数」の高さは、「貯まらない度」に比例すると、私は、かねがね考えてきました。お金を貯めるためには、外食しないで、家でつくって食べる。つまり“おうちごはん”がポイント。とはいうものの、なんでもやみくもに自炊すれば、お金が貯まるというわけではありません。

牛丼、ハンバーガー、立ち食いそばなどのファストフード、コンビニのおにぎり、パン、お弁当など、企業努力によって「安い、うまい」を両立させた商品がたくさん登場しているので、それらを買って食べたほうが、ヘタに自炊をするよりも安く上がるということもありえます。

ただし、それは「ヘタな自炊」をした場合で、しっかりと考え効率的な自炊をすれば、やはり“おうちごはん”に勝るものはありません。

ムダなし自炊の5大ルール

おうちごはんを実践するには、ムリなく続けられること、栄養バランスがいいこと、満腹感があること……などの条件をクリアしたうえで、さらに節約効果もあることが基本の「き」。それを実現するためには、次の5つのルールがあります。

ムダなし自炊の5大ルール①:週予算を決める

外食費や交際費などとは別に、おうちごはん用の予算を決めます。家でつくって食べるのに使う食材、調味料、米などにかかるお金です。

ひとり暮らしの場合なら、週5000円程度を目安にしましょう。

ムダなし自炊の5大ルール②:買い物ペースを決める

買い物ペースは「まとめ買い」と「その都度買い」に大別できます。週末など時間があるときに、1週間分の食材をまとめて買うか、家の食材がなくなったときや、食べたいものがあるときにその都度買うか、の2択です。

貯め上手さんが実践しているのは、両者の組み合わせ。週1回のまとめ買い+週途中に補充的に買うという方法だと効率がいいようです。

ムダなし自炊の5大ルール③:買うべき定番食材を決める

おうちごはんを実践するということは、食事作りが毎日のことになるので、力を入れすぎないことがとにかく大切です。頑張りすぎると長続きしません。毎日のごはんは、ハレの日のイベント料理ではないので、“ルーティン化”するのが長続きのコツ。

週5日分をおうちごはんにするなら、肉おかず2日、魚おかず2日、麺類1日を目安にしましょう。これを献立の目安にすれば、買う物もだいたい決まってくるものです。自炊に慣れてくると、自分が消費する定番食材がわかってくるので、買い物でそれらを補充します。目新しい食材に手を出すときは、使い切れるメニューがあるときだけにしましょう。

ムダなし自炊の5大ルール④:食材を食べ切る

食費節約は買った食材を食べ切ったときに、はじめて達成されます。特売でどんなに安く買っても、使い切れずに腐らせて捨ててしまっては元も子もありません。食材を捨てることは、「お金を捨てる」のと同じと心得ましょう。

食べ切るコツは①買い過ぎない、②保存にひと手間の2つです。大量パックのほうが割安でも食べ切れない量で、しかも冷凍保存の手間をかけたくない場合には、多少割高になっても通常サイズのものを買ったほうが結果的にはムダがありません。

ムダなし自炊の5大ルール⑤:保存する

保存も工夫したいもの。肉などを冷凍する場合は、「買ったその日のうちに」を徹底しましょう。鮮度がいいうちに冷凍するのがコツです。しょうゆ、酒、おろししょうがなどで下味をつけておけば、冷蔵でも保存がききます。ひと手間、下味をつけておけば、焼くだけですぐに食べられるので、帰宅時間が遅くなってしまったときなどにも便利です。

ほうれん草や小松菜など、緑の野菜は乾燥を防ぐためにビニール袋に入れ、根元を下にして野菜室に立てて保存するのが基本です。

しいたけ、しめじ、えのき、まいたけなどのきのこ類は、石づきをとり、しいたけは食べやすい大きさにカット。その他は小房に分け、ジップロックに入れて冷凍室へ。自家製冷凍きのこミックスができ、使いたいときに使いたい分だけ取り出せて便利。

玉ねぎは、皮をむきスライスまたはくし型に切り、ジップロックに入れて冷凍室へ。炒め物などにすぐ使えます。

ジャガイモは生のままでは冷凍できませんが、ゆでてマッシュすれば冷凍可。小分けして冷凍しておけば、お弁当のおかずにもなります。

“おうちごはん”は長続きさせてこそ、節約効果が発揮されます。頑張り過ぎてすぐにギブアップしてしまうのでは節約効果は期待出来ません。ご紹介したムダなし自炊のルールを守って、頑張りすぎずに気軽に始めてみることをオススメします。

村越克子

村越克子

フリーランスライター。学習院大学文学部心理学科卒業。編集会社を経て、フリーに。主婦を読者対象とした生活情報誌を中心に執筆。家計のやりくりに奮闘する全国の主婦を取材し、節約に関する記事を数多く手がける。執筆協力に『綱渡り生活から抜けられない人のための絶対! 貯める方法』永岡書店など。