2019年2月6日に4thシングル「Break the Blue!!」をリリースする声優ユニットのRun Girls, Run!。森嶋優花がヒロインのグリペン役として出演するTVアニメ『ガーリー・エアフォース』主題歌として放送中だ。カップリングはテレビアニメ『キラッとプリ☆チャン』第4クール主題歌「never-ending!!」。

  • Run Girls, Run!

    Run Girls, Run!(ラン ガールズ ラン)
    2017年開催「avex×81produce Wake Up, Girls !AUDITION 第3回アニソン・ヴォーカルオーディション」により2,000名の応募の中から選ばれた3名による声優ユニット
    撮影:稲澤朝博

格好良いとかわいいを1枚のシングルにギュッと詰め込んだRun Girls, Run!に今回の楽曲の聴きどころをじっくりと聞いた。そして、はじめてのライブツアーで実感した成長と、見えてきたこれからの課題とは。2017年のデビュー以来、走り続けている彼女たちは、2019年も"止まってなんかいられない"のだ。

■かわいい曲にも憧れが

――まずは楽曲について。『ガーリー・エアフォース』OP主題歌「Break the Blue!!」を最初に聴いたときの印象は?

森嶋 めっちゃ格好良いと思いました! アニメ好きが気に入るタイプの楽曲だなと。作・編曲を高瀬一矢さんが担当してくださったんですけど、アニソンカラーが出ていて格好良いです。

厚木 うん、聴いた瞬間に「これぞアニソンだよな」って。格好良く歌い上げないといけないなって。

 私はロックな楽曲が好きなので、歌いやすそうで、好きなタイプだなと思いました。レコーディングをするのが楽しみでしたし、これまでの楽曲の中で一番歌っている姿が思い浮かびました。

  • 林鼓子(はやしここ)。2002年5月15日生まれ。静岡県出身。エイベックス・ピクチャーズ、81プロデュース所属。ニックネーム:はやまる。主な出演は『キラッとプリ☆チャン』桃山みらい役、『Wake Up, Girls! 新章』速志歩役、『約束のネバーランド』ダムディン/エウゲン役など

――レコーディングではいかがでした?

森嶋 歌いやすかったです。格好良い自分をさらけ出しました。

 うん、めちゃめちゃ歌いやすかった。レコーディングはサクサク進みましたね。サビの上ハモはもっちーが担当しているんですけど、それ以外のサビの下ハモや、ほかのパートのハモりはほとんど私が担当しています。

  • 森嶋優花(もりしまゆうか)。1997年3月16日生まれ。京都府出身。エイベックス・ピクチャーズ、81プロデュース所属。ニックネーム:もっちー。主な出演は『ガーリー・エアフォース』グリペン役、『キラッとプリ☆チャン』紫藤める役、『Wake Up, Girls! 新章』守島音芽役など

――現場ではどういったディレクションを受けました?

森嶋 高瀬さんが北海道から来てくださって、直接レコーディングに立ち会ってくださったんですよ。

厚木 荒々しく歌う感じでディレクションをしてもらったね。かわいい要素を取り払って。

 私は、高瀬さんから「西城秀樹さんっぽい」とお言葉をいただいて嬉しかったです。しゃくり方がそっくりだって。

  • 厚木那奈美(あつぎななみ)。1997年10月11日生まれ。長野県出身。エイベックス・ピクチャーズ、81プロデュース所属。ニックネーム:あっちゃん。主な出演は『デスマーチからはじまる異世界狂想曲』マーサ役、『キラッとプリ☆チャン』青葉りんか役、『Wake Up, Girls! 新章』阿津木いつか役など

――これまでのキラキラかわいい曲とはまた違った楽曲になりましたけど、みなさんは格好良い楽曲とかわいい楽曲、どちらが得意なんでしょう。

 私は断然格好良い方ですね。歌い上げたいんです。

森嶋 私も格好良い曲が好きなんですけど、実はかわいい曲にも憧れているんです。

 かわいい曲が似合うよね。

森嶋 そう思われがちなんだよね。でも、歌いやすくて表現しやすいのは格好良い系。

厚木 私はどちらかというと、かわいい系のほうが歌いやすいかな。低音域より高音域のほうが出しやすいという、音程的な問題なんですけど。格好良い曲だとリズムを取るのが難しい印象ですね。

■小松基地での思い出

――今回のMVは『ガーリー・エアフォース』にも出ている航空自衛隊小松基地で撮影しましたね。小松基地でMVを撮影するのははじめての試みとのことで。

森嶋 私はトークイベントで小松航空祭に行ったことがあったので、小松基地に行くのは2回目だったんですけど、MV撮影のときはアフレコを経てから行ったので、作品の世界観そのままで、私が演じてるグリペンになれたんじゃないかって思えるようなリアルさがありました。

 私は地元が静岡県浜松市なので、浜松基地があるんですけど、実際に基地の中に入るのは初めてで。撮影では戦闘機・イーグルの前で収録するシーンもあって、戦闘機ってこんなに大きいんだなってくらいの迫力でした。あと、パイロットスーツを実際に着ることができたのが嬉しかったです。私、軍服フェチだから。

森嶋 そうだったんだ!?

 うん。着ると気分がシャキッとするというか、いつもの自分より数百倍くらい格好良くなれた気がした。表情も一つひとつキメなきゃなって。

――軍服は着るのが好きなんですか? それとも着ているのを見る方?

 見るのが好きですね。軍服を着ている男性が格好良いなって。あと、もっちーみたいに、小柄な女の子がダボッとしたパイロットスーツを着ているのもいいですね。すごくかわいくて、たまらんでしたね。

厚木 わかるー! 私も航空自衛隊の基地に入るのは初めてだったんですけど、ピリッとした緊張感が流れていました。ダンスシーンがメインの撮影だったんですけど、風がものすごい強くて、戦っている気分でした。力強い戦いを表している歌詞なので、その力強さがMVにも乗ったらいいなって、がんばって踊りました!

――撮影以外では実際に基地の中を見てまわることも?

厚木 自由行動はできなかったんです。

 集団行動じゃないといけなくて。

森嶋 自由にわーいって感じではなかったんですけど、撮影のためにいろいろなところは巡ったね。

厚木 最後にはバスに乗って基地内のツアーみたいなものをやっていただいたんです。基地のなかってひとつの街みたいになっているんですよ。体育館とかプールとか、こんなに設備が充実しているんだって驚きました。

 講習を受けたときに資料館を見せてもらったね。歴史を感じました。

――貴重な体験でしたね。

 はい! お勉強になりました。

――「Break the Blue!!」は『ガーリー・エアフォース』の楽曲ということで、ヒロインのグリペン役として出演している森嶋さんにもお話をお聞きしたいなと。アフレコはすでに終了しているとのことですが。

森嶋 はい。第1話のアフレコからほかのキャストさんたちが話しかけてくれて、仲良くなりまして、楽しく収録が終わりました。戦闘シーンがあるアニメに出演するのは初めてだったので、あの緊迫感は勉強になりました。戦闘シーンだけではなく、コミカルなシーンもあるので、そこはアフレコブースでの和気あいあいとした感じが出ていると思います。

――森嶋さんは、実在の戦闘機をもとにしたアニマと呼ばれるキャラクター・グリペンを演じています。

森嶋 グリペンはみんなや街を守る、使命感が人一倍強い女の子ですね。普段は感情をあまり表に出さないんですけど、ときどき見せてくれるのんびり屋さんなところとか、食欲旺盛なところとかが魅力的な愛くるしい女の子です。『ガーリー・エアフォース』は戦闘機を中心としたストーリーなので、入りづらいかなと思う方もいるかもしれないですけど、そんなことはないので、少しでも気になったら観て欲しいです!

■これまでの『プリ☆チャン』が歩んできた道が詰まっている

――カップリングの「never-ending!!」はテレビアニメ『キラッとプリ☆チャン』第4クール主題歌ですね。

 3rdシングル「Go!Up!スターダム!」とはまた違ったエモーショナルな感じの楽曲ですね。『キラッとプリ☆チャン』のシーズン2が決まったのもあって、「never-ending!!」というタイトルが作品にもリンクしてぴったりだと思います。楽曲としては、最初はしんみりと始まって、サビにかけてバックの音が厚くなっていっての盛り上がりが好きですね。EDMっぽい感じもあって、エモいです。

森嶋 そうそう。「しっとりした感じで歌って」というディレクションを受けました。「キラッとスタート」や「Go!Up!スターダム!」は元気いっぱいだったんですけど、今回はしっとりと上品な感じです。

厚木 私は「プリティーシリーズ」では特に『プリパラ』が好きなんですけど、『プリパラ』はi☆RisさんがOPを担当していることが多くて、各クールの締めくくりとなる曲はエモい曲が多かったんです。ここにきて『プリ☆チャン』もこれまでのまとめになる楽曲がきて、「そうだよな。これだよな」と思っています。これまでの『プリ☆チャン』が歩んできた道が詰まっている楽曲をいただいて、うれしさでいっぱいです!

――こちらはレコーディングはいかがでした?

 私は、途中まで問題はなく進んだんですけど、Dメロのパートは時間がかかりました。"ねえ 振り向いてみて"という歌詞を、「もっとセリフっぽく」とディレクションを受けまして、私は声を張って歌い上げるくせがあるので、難しかったです。でも、「never-ending!!」は私が演じている桃山みらいの心境に重なる部分があったので、林鼓子というより、桃山みらいの感情で歌いました。みらいだったら、この曲でどうやって動くかなってイメージしながら。

森嶋 私も2Bメロの"ねえ もう諦めてもいいの?"の歌詞を「問いかけるように」とディレクションを受けました。いまのはやまるの話を聞いていると、みんなに問いかけているような曲なのかなって。でも、サビの盛り上がる部分は元気に歌っているので、元気な私としっとりとした私のどちらも出しました。

厚木 ソロで歌っているA、Bメロは「しっとりささやくように、ゆるやかに歌ってください」って言われました。最初にレコーディングをしたときは、『プリ☆チャン』の楽曲なので、しっとりしつつもかわいさや元気っぽいニュアンスを入れて歌っていたんですけど、最終的にはしっとりとした部分だけになりました。特に2Aメロの歌い出し、"隣りにいる誰かのこと"は特に「ささやくように」と。それでも歌なので、そこそこ声を張って歌ったら、「もっと音を小さくしていいよ」と。ここはぜひ聴いてほしいです。