ストローでタワーをつくったり、ドミノを並べたり、はたまた脱出ゲームをしたり……企業研修に参加した際、チームビルディングを目的とした様々なゲームに挑戦した経験がある人も多いはず。いざやってみると難易度が高くて緊張してしまうものだが、どれも有名なゲームとあって、最近は事前にネットで調べて対策を練ってくる人も少なくないそう。

  • 「フジテレビのお仕事! 企業研修ハイエンド版」

でも、今年6月から始動したフジテレビ×日本マンパワーの企業研修「フジテレビのお仕事!」は、一筋縄ではいかない。なんたって、一般の参加者全員で朝の情報番組「めざましテレビ」をつくるのだ。

「フジテレビのお仕事!」が企業研修版へと進化

この「フジテレビのお仕事!」は、もともと10年前にスタートした中・高・大学生を対象とした職業体験教育プログラム。番組制作を通じて、『社会人の仕事とは何か、テレビの仕事とは何か、メディアとは何か』を学べる体験学習なのだが、これが社会人にもメリットが大きいとして、企業・団体向けプログラムとしても人気を博してきた。

  • 約20もの役割を参加者全員で分担する

今回、新たに企業の人材開発を支援する「日本マンパワー」と提携することで、より本格的な企業研修プログラムへと進化。「フジテレビのお仕事! 企業研修ハイエンド版」として、番組制作のプロフェッショナルと専門ファシリテーターが監修する、他にない企業研修コンテンツに仕上がっているという。

本物の機材で「めざましテレビ」を作る

「フジテレビのお仕事!」のミッションは、参加者全員(20~30人が1チーム)で10分版の「めざましテレビ」を作ること。参加者はそれぞれ、キャスターやナレーターといった出演者はもちろん、カメラマン、フロアディレクター、技術スタッフといった裏方まで約20の役割を分担する。インストラクターの指導を受けたのち、フジテレビ湾岸スタジオにある本物の機材を使って番組を作っていくのである。

  • 裏方の技術スタッフも出演者同様に重要な仕事

大まかな流れは、以下の通り
・オリエンテーション
趣旨の説明や自己紹介、役割分担、台本の確認など。

・レクチャー&リハーサル
本物の機材を前にレクチャーを受け、リハーサルに挑む。

・本番
緊張の本番。

・プレビュー&振り返り
本番映像を見て、リソースパーソンによるフィードバック。

・2回目のレクチャー&リハーサル
・2回目の本番
・2回目のプレビュー&振り返り

  • 各チームごとに目標を決める

ちなみに、番組内容は、「オープニングトーク」「天気」「ニュース」「きょうのわんこ」など6つのコーナーとなっている。

本番は緊張感がハンパじゃない……!

取材当日、実際に参加者たちの研修の様子を間近で見ていたのだが、本番に臨む皆さんの顔は真剣そのもの。もしかしたら、毎日の仕事よりも真剣なんじゃ……と思うぐらい。それもそのはず、生放送の「めざましテレビ」を制作するんだから仕方ない。

  • 本番前、参加者たちは緊張の面持ち

きっと、これまでの人生でニュースキャスターなんてやったことないだろうし、こんな巨大なテレビカメラを操作したこともなかっただろう。でも、企業研修として役割分担されたからには、やり遂げなくてはならない。それには、チームの団結力はもちろん、時間を管理する能力、プロ意識など、様々な能力が問われるのだ。

きっと本職では偉い立場の方なんだろうなと思われる男性が、地べたに座って必死でカンペを出していたり、逆に20代半ばの若い女性がフロアディレクターとして凄まじいリーダーシップを発揮していたり……見ていて、とても興味深い。普段働いていて、仕事仲間たちのこんな一面やあんな一面は、きっとなかなか知り得ることができないはず。その点でも、とても有意義な体験だと感じた。

改めて仕事の大切さに『気づける』

この「めざましテレビ」制作体験によって学べるのは、大きく「仕事全体を俯瞰する力」「時間価値にこだわる力」「プロフェッショナル意識」「仕事を意味づける力」「フィードバックし合う力」「PDCAを回す力」の6つだと日本マンパワーのマーケティング部長・金子浩氏は話す。

  • 収録が終わったら、参加者全員で映像を確認

特に、この「フジテレビのお仕事!」が他の企業研修プログラムに比べて圧倒的に違うのは『体験の質』。「この『フジテレビのお仕事!』では、本物の機材を使っての番組制作という質の高い体験を参加者全員で共有できるので、他の研修では得られない多彩な気づきがあります。声がけをすることの大切さ=チームワーク、自分の仕事に責任を持つこと=プロフェッショナル意識など、リアリティのある体験だからこそ得られる、こういった仕事をするうえで欠かせない多くの『気づき』が、一番のメリットだと考えています」とのことだった。

テレビ制作の現場は、常に真剣勝負。ちょっとしたミスがそのまま放送事故にも直結してしまうとあって、スタッフ一人ひとりが自分の仕事に責任を持って取り組んでいる。この「フジテレビのお仕事!」は、そんなテレビ制作の現場を体験できる貴重なプログラム。ぜひ一度、職場の仲間たちと参加し、改めて『自分の仕事とは何か』を振り返ってみてほしい。